今日昼過ぎテレビをつけたら、松山城が特集されていました。へぇ~と思うことがいっぱい。それにカメラに映し出されたお城はすばらしくきれい。
ああ、残念。つい先日松山城に行ったばかりなのです。今日の情報を知っていたらもっと楽しく城が見られたのに。
で、今頃なぜわざわざ出かけていったかというと
「假屋崎省吾の世界ー華のおもてなしin松山城ー」というイベントが開かれていたからでした。(12月25日まで)
わたしが特にファンだというわけではなく、新聞やテレビで大々的に報道されていましたので、半分ミーハー気分でした。数年前に某デパートで開かれた彼の個展を見て以来久々に見る生の生け花でしたので楽しみでもありました。あのときの、オンシジウムを多用したきらびやかで豪華な華の世界は強烈に心に残っています。それが松山城の歴史ある空間にどう収まっているのか、興味もありました。
さて、松山城を訪れたのは何年ぶりでしょう。多分7,8年前だと思いますがそのときは二の丸から徒歩で上ったのです。今回はトラオとウマオが一緒ですので、ロープウエイで上ります。ロープウエイ乗り場あたりが綺麗に整備されているのでびっくりしました。
ロープウエイを降りてしばらく坂道を歩かなければなりません。ここでトラオとウマオはすでにハイテンション。特にウマオは坂道と石段がおもしろくてたまりません。晴れの日を選んでよかった、これが雨降りならずぶぬれになって追いかけなければならないところでした。
そして、
やっと天守閣のある広場までやってきました。
テレビや新聞で何度も見た竹のオブジェが見えてきました。これ、組み立てるの大変そうでしたよね。意外と天守閣に似合っているかな?
天守閣への入り口。ここを通るには入場券が必要です。
まず見えたのはこのお花。假屋崎さんの話によると、愛媛のお花をふんだんに使ったそうで、その代表がみかんでしょうか。
華の横に、北隅櫓と立て札がありました。
靴を脱いで建物の中に入ると、なんとこの花が上から見えるのです。
おもしろ~い。生け花を上から見るなんて初めてです。
なるほど、いつもテレビで「どこから見ても美しく」と言ってますからね。上から見ても正面から見ているようなまとまりがありますね。
さて、天守閣の階段は胸をつくような急な階段で、さすがにウマオを連れては上れないと、ぶじこはウマオと一緒に天守の庭で待つことにして、私とトラオが先に見て回りました。階段を上って廊下の格子から下を覗くとぶじことウマオが見えました。角を曲がってまた覗くと、また二人が見えました。結局どの廊下からも下の庭が見渡せたのです。おもしろいなあと思っていたのですが、今日のテレビで納得。
松山城は、全国に現存する12天守のうちたった二つだけある連立式天守(もう一つは姫路城)で、二つの櫓と小天守、本天守とを回廊で結んであるのです。敵が攻めてきても4つの回廊から矢や鉄砲を射かけることができ、もし建物内部に入られてもぐるぐる回ることで位置感覚を狂わせることができるのだとか。確かに、順路に沿って進んでいても、自分がどこにいるのかは全くわかりませんでした。
戦のために強固に作られた天守閣に、今は優美に、ある場所では幻想的に、またある場所では華麗に花が飾られています。
西条市産のデルフィニュームと県の試験場で開発したさくらひめ。
暗闇の中にぽっと明かりがともったような・・・・使われている花きは砥部焼です。
今治産のバラ。
華やかな着物との競演。どちらも負けていません。
そして大空間に入りきらないほどの大作
柱がちょうど額縁のようになって、額縁に入りきらないスケールの大きな絵画を見ているようです。ここにはレモンやいよかんも使われています。
この大きな流木はどこで手に入れたのでしょうね。
私は、假屋崎さんが「生け花をするのに鋸が足りないなんて」と怒っていたのを思い出しました。ここまで来たらもう、生け花などとは言っていられないスケールです。生け花と言うより造形?流派なんてどうでもいい感じ。
以前デパートで見たときは、活けたい花のための空間を作ったという感じがしたのですが今回は城という威厳のある空間がすでにあるので、そこにふさわしい花を活けたという印象でした。そしてわたしは今回の方が古典的ではあるけど好きでした。
さらにめちゃめちゃ狭くて急な階段を上ると、そこが最上階の天守閣でした。
四方に開け放たれた窓からは、松山の町並みと遠く瀬戸内海、高輪山地、石鎚連峰までもが見渡せます。
この景色が外国人に人気なんですって。
トラオは、花を見ても、鎧甲を見ても、景色を見ても「すごっ」「すげぇ」(近頃言葉遣いが悪いのですよ)を連発。近くにいたおばちゃんに「こんなに小さいうちからお花の良さをわかるなんてすごいね」とほめられて、職員のおばちゃんからはいよかんなどの説明をしてもらってまんざらではないようでした。
そして転げ落ちそうになりながら階段を下りてぶじこと交代。ウマオとトラオにソフトクリームをごちそうして帰りました。
リフトに乗っているサンタさん発見。横から見るとぺちゃんこなんですが、後ろから見ると本物みたいですね。
松山城の魅力はこのリフトやロープウエイで上るほどの高さにもあるように思います。徒歩で上れる道も何カ所かあって、ちょっとしたハイキングが楽しめるし、市内どこにいても城が見えて自分の居場所がわかるのです。
ウマオとトラオのテンションは降りるまで下がらず・・・・とっても楽しかったようでした。