あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

花の季節に生まれて

2016-03-31 23:48:08 | 植物
 3月初め石鎚ハイウエイオアシスで開かれた「椿一輪展」父を連れて行ってきました。

 地元小松町の名花「篤山椿」



 いろいろな種類の椿が一輪ずつ竹の花器に入れられて展示されていました。これはうちのヨウコのイメージだね、とみんなが気に入った花



 苗も格安で売られていたのですが、残念ながらこの椿の苗はありませんでした。どこかで見つけたら是非買いたいです。

 椿のアレンジもたくさんありました。



 和のイメージの椿がとってもモダンに見えました。

 それから

 一面の菜の花ー東温市見奈良の菜の花祭り


 西条市内の鉄工所の寒桜



 この時期だけ工場内が一般に開放されます。



 私の大好きな白木蓮の大木



 二,三日遅かったです。すでに花びらが茶色になりかけていてアップには耐えられません。

 いつも花の時期には葉を忘れ、葉の時期には実を忘れて、春と秋しか名前を思い出せない木・・・サンシュユ



 木蓮と同じおうちに咲いていました。なくなったおじいさんが大切に世話をされていたとかで、どの木ものびのびと枝を広げていました。
 

 我が家の水仙も一斉に咲きました。



 そしてソメイヨシノより一足早くさくらんぼの花が満開になります。



 3月は花々が一斉に咲いて美しい季節。こんな季節に父と私とウマオは生まれました。例によって3人一緒の誕生会をしました。

 お祝いに頂いたバラの花束 




 ケーキは松山市の評判のいいお店「ラ・ブランシェ・ドラエ」


 ウマオの食べること食べること。大人と同じ量をそれこそ顔中クリームだらけにして夢中で食べていました。おいしかったよね。

 父とウマオ、世代の違う二人に挟まれると、自分の来し方行く末を見るような思いでした。
  
 ウマオは2歳。今はただ家族にひたすら愛されて、毎日が生きる喜びにあふれています。本人はきっと気づかないだろうけど、そして覚えていないだろうけど、一生のうちで一番幸せな時期かもしれません。
 それをみているとばあちゃんは自分が老いたことを忘れてしまうのですが、ふと気がつけばペットボトルの蓋がなかなか開けられなかったり、テレビの音がちょっと聞こえにくかったり。老いの坂というのはこんなふうにゆるやかにだらだらと下っていくのでしょうね。そして突然段差が現れてどどっと老け込むのです。多分ね。
 父は、訳のわからない言動がだんだん増えてきて私や施設の人を悩ませるようになりました。この日も自分は若い気になったらしく何杯もビールを飲みたがりました。もちろん食事は完食。92歳なのに。制限すると「糖尿病は治ったんだから」と怒ります。(ごちそうになってるんだからちっとは遠慮をせいよ)と心の中で悪態をつきながら、口では「歳をとって飲み過ぎると体に悪いからね。」と優しい声でノンアルコールをちびちびとついだりしてー。ああ、わたしは父と母とどっちの歳のとり方をするのかしら。

  子どものころは4月生まれの同級生がお兄さんかお姉さんのようにしっかりして見えて子ども心にちょっぴり引け目も感じていたのです。
 おまけに3月は先生たちも年度末で慌ただしかったのでしょう、毎月開いていた誕生会を3月だけしなかったり、2月と一緒にしたり・・・教員になって、あの頃の先生のばたばたは理解できるようになったとはいえ、なんだか損をした気がしていたことは忘れられません。
 それに、学年末の自分自身の忙しさと言ったら・・・・自分の誕生日など思い出す間もないほどでした。
 
 今は美しい花々やウグイスの声や、暖かな風や、明るい空や、目に見えるもの聞こえるものすべてが祝福してくれているような気がして、3月に生まれてよかったと思います。それに同じ学年の誰よりも遅く誕生日を迎えることで、ちょっとだけ人より若い気になれるし。
 
  
 
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がたがきた

2016-03-26 00:56:21 | くらし
 先日のお彼岸でちょうど母が亡くなって半年になりました。
 昨年は、2月に3人目の孫ーそれも女の子ーが生まれ喜びにわきましたが、反面いくつかの物や人とのお別れがありました。私の昨年の漢字一文字が「命」だったのはこういうわけです。
 春に伯父を亡くし、お盆には我が家のアイドル犬そうちょうをなくしました。そうちょうについては、おなかに腫瘍ができて手術日の予約までしていた矢先の急死でした。母の病院にいた私は娘から連絡を受けて大急ぎで帰り、ぎりぎりかかりつけの獣医に診てもらうことができました。でも、「がんばれよ」先生の励ましもむなしくその夜息を引き取りました。
 こんな訳で夏から秋にかけてまさに東奔西走の日々。8年間乗った愛車にもちょこちょこと故障箇所が出だしました。修理に五,六万つぎこみましたが、更に六,七万だしてタイミングベルトを換えて乗り続けるかか・・・それともこれ以上修理費がかさまないうちに買い換えるか。同じ車種のグレードアップしたのを勧められたのはいいが200万円するという! 軽なのに。
 でも、これもある日突然に、お別れの日がやってきました。車は大破、あっという間に廃車のために引き取られていったのです。別れを惜しむ間もありませんでした。わたしの居眠り運転のために。
 あのとき対向車がいてぶつかっていたら・・・歩行者がいて突っ込んでいたら・・・後続車がいなくてだれも助けてくれなかったら・・・・たくさんの幸運が私を助けてくれました。わたしはわずかに打撲しただけでほかにはなんの犠牲も出さずにすんだのです。
 はい、迷うことなく新車になりました。ただし、200万のはあきらめて(年金生活者ですから)カメラブレーキサポート付きのを買いました。どうしてもこれが付いているのを買えと、ぶじこがやかましかったのです。
 エンジンをかけると一瞬たくさんのランプが付きます。あら、埃まで写ってる。


 つまりこれだけいろいろな機能がつまっているというわけですね。
 ふらつき防止、衝突防止、横滑り防止、アイドリングストップ・・・・
 
内装ではこれがお気に入り



 ティッシュボックスをしまう場所があります。ほかにも収納がたくさん。

 ぶじおくんは、「値段が高くなるはずですよねえ」とおどろいたりあきれたり。わたしもこんなものまでいるか?と思ったのですが



 ロックをするとサイドミラーが格納されます。前から時々見かけましたが、あれは駐車の度に持ち主がわざわざ格納しているのだと思ってた・・・・・ 自動だったのね。
 これが案外便利で、うっかり者の私が「あれ?ロックしたかな?」と思ったとき、わざわざ車に帰って確かめなくても振り返るだけで確認できるのです。

 それからプリンターも突然言うことを聞かなくなりまして、急きょ買い換えて喪中はがきの印刷に間に合いました。前のよりずっとおりこうさんで親切で、私は一枚もはがきのロスを出さずに印刷を終えることができました。

 そして、私の体にもがたがきました。

 母の亡くなる日の午前、トラオとウマオを遊ばせていた私は手首を強打、しかも親指の腫れがひどく骨折か?と思いましたが午後からは母の病院に行かねばなりません。わたしは湿布の上から段ボールを添え木代わりに包帯で巻いてそのまま母のところに行きました。そして夜息を引き取るのを看取ってから葬儀の段取りやら何やらでほとんど眠らないまま帰宅。病院へ行ったのは次の日の午後です。骨折ではありませんでしたが、これが思いの外回復が遅くてスムーズに動かせるようになるまで3ヶ月くらいかかりました。
 そして葬儀がすんでしばらくして腰の痛みと足のしびれとで歩くのもつらくなりました。診断は「加齢による脊柱管狭窄症」
 日常生活でよくないのは、座ること、車の運転、前屈みの姿勢、思い物を持つこと(畑仕事、台所仕事、掃除機をかけること、パソコン、レザークラフトの作業 孫をだっこ)っていうか、ほとんど全部!寝るのだって仰向けはよくないから膝の下に枕を当てて足を曲げるようにと。
 11月は、手首の痛みと腰の痛みとシートベルトで強打のか胸も斜めに痛んで、おまけに3週間も風邪が長引いて、だけど急いで車を探さなくてはいけなくて、最悪の日々でした。

 物は壊れても新しくできる、しかもそのたびに便利に使いやすくなっていく。でも、体はそうはいきません。回復はしても100%元通りというわけではないのです。それでも春が近づいて腰の痛み以外は全く気にならないようになりました。手首は前より少し曲がりにくいです。
冬の間、冷えると腰が痛むので新車のシートヒーターがとてもありがたかったです。そしてなんと燃費が以前の半分になりました。
 でも、リハビリの費用で浮いた燃費が全部消えていく・・・・
 さらに、2月の高熱後、耳に違和感を感じて耳鼻科に行ったところ、メニエール病と診断されて薬を飲んでいます。
 これが年をとると言うことかな、だったら気持ちを明るく病気と付き合っていかなければね。

 暖かくなって少しずつ花畑の作業を再開しています。ただし鍬を使うのは5分だけ。用心しいしいです。
久しぶりにしみじみと地面を見てみたら



 去年植えたネモフィラのこぼれ種が芽生えていました。
 
 クリサンセマムノースポールはもう咲いています。



 そして小さな小さな双葉


 このあたりはマリーゴールドを植えていたところ。

 アーティチョークにもつぼみが


  季節が巡って枯れて死に絶えた花々にも新しい命が芽生える、こんな小さな発見がなんとうれしいことか。もうすぐ花の季節を迎えます。
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鳥探しドライブ

2016-03-16 21:44:28 | 生き物
 野鳥と言えばスズメとカラスとハトとキジしか見分けの付かなかった娘たちが、何を思ったか野鳥観察に目覚めました。子どもを連れて柿畑の道をドライブしていると鳥がいっぱいいるのに名前がわからない、付いてきて、との要請。
 私も鳥は好きなので何度かおつきあいしました。でもあまり詳しくはないけどね。

 さて、ぶじこがその日の気分で選ぶ道は、狭くて雑草だらけでどちらに向かっているか方角さえわからない道。よくこんな道走るねえと言ったら、何かあってもこの辺だったら歩いてかえれるじゃろ、との返事。
 柿畑のなかの道はどこかとは繋がっているのし、作業用の車が走るだけの幅はありますので大丈夫ではあるのだけど。そうか、田舎の道って田んぼの中も畑の中も軽四トラックぎりぎりの道ばっかりだから、狭い道にはあまり抵抗がないのか。

 では、この冬私が見かけた鳥も含めてご紹介しようと思いますが、なんせカメラが高倍率ではあるけどコンパクトデジカメ。あまり鮮明に撮れているとは言えません。証拠写真として見てください。画像はすべてトリミングして拡大してあります。

 さて、この時期よく見かけるのは



 つぐみなんですけど、この鳥なぜか車がそばを通っても逃げない。車から降りても逃げない。近寄っても逃げない。死にかけなのかと思いました。どうしよう、帰りにまだ同じ場所にいたら保護しようかと思い、車に帰りかけたとたん飛び立ちました。よかった。

 あまりにたくさん見かけるので、娘たちの中ではツグミはレアな鳥ではなくなったそうです。

 それから家の周りにしょっちゅう現れるかわいい鳥



 ジョウビタキです。特に鍬を持ってこつこつ言わせていると必ず近くに姿を現します。この子がとまっているのは枯れたノボタンの枝です。

 娘たちが、いっぱいいるんだと興奮して言ったのはこの鳥でした。



 ちょっと画像が悪いのですが、うじゃうじゃしているところを見て頂きたくて。カワラヒワです。草のみを食べているようで、荒れ地から一斉に飛び立ちます。飛ぶと羽の黄色い紋が見えて、娘たちは大喜び。

 3月に入ると鳥が地面に降りていることが多いなと思うのですが、なぜでしょう。

 1月頃電線に群れていったムクドリ



 今は道をひょこひょこ歩いています。



 これも見慣れた鳥ですが、口を開けてさえずっているところが真っ正面に見えておもしろかったので



 ヒヨドリです。鳴くとなかなかうるさいのですよ。

 以上、娘たちが見分けることができるようになった鳥です。

 それから、こんなところにいるのかとちょっとびっくりしたので



 大きさから言ってダイサギのように思います。水のない草ぼうぼうの田んぼで何を探してるんでしょうね。

 名前のよくわからない鳥もいました。



 それから写真はありませんが、頭に冠のある鳥も。

 こうした知らない鳥に出会うとわくわくします。そうそうこれも初めて見る鳥です。
コンクリートの水路の中を歩いていました。



 長いくちばしが少し反り返っています。シギの仲間か? 名前を特定できるほど写真が鮮明ではありません。こんな狭い殺風景なコンクリートの水の中にも魚がいるんでしょうか。この種の鳥は、河口とか浜辺にいる物とばかり思っていました。我が家のある地域では決して見られない鳥だと思ってましたので、感激でした。

 カモ。小さな池なのでわりと近くで写すことができました。

 

 
 「もうすぐカモはいなくなるんよ」
 花畑の草を引きながらトラオにそんな話をしました。もう畑ではヒバリが鳴いています。
 「カモはね、暖かくなったら、北の方にいくんよ。」
 「どうして?」
 「カモは暑いのが苦手なんよ。だから、涼しいところに行ってしまうんよ。」
 「どうやって?」
 「そりゃあ、空を飛んでいくんよ。」
 「どうやって空を飛ぶん?」
 「鳥だったら空を飛べるだろ?」
 「いつまで行くん? また帰ってくるん?」
 「秋になったら帰ってくるよ。」
 「そんなに長い間帰らんの?」 

  ん? ! 
 「トラちゃん、誰の話しよるん?」
 「ばあちゃん」 
  わっはっはっは
 「ばあちゃんはどこにも行かんよ。」
旅行ぐらいは行くけどね。

 ぶじこは、さあ、イモムシ観察の季節だと張り切っています。

 さて、最後にとっておきの写真をお見せしましょうね。
 じゃーん

 カワセミです。
 
 車から降りてすぐの写真はこれ

 
 それから抜き足差し足近づいて

 だーるまさんがころんだ カシャ
 だーるまさんがころんだ カシャ
 だーるまさんがころんだ カシャ

 繰り返すこと12回。ここまで近づきました。

 
 拡大してみると、なかなかきれいに撮れてます。お、なんだかこっちをにらんでいるみたい。気づかれたかな?
 このあとカワセミは飛んで行ってしまいました。 
 飛ぶ宝石といわれるカワセミ、文字通りお宝写真になりました。
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小さな冒険

2016-03-12 21:20:18 | くらし
 ぶじこと孫二人と一緒に松山からの帰り道のこと。運転はぶじこです。桜三里の中腹でトラオが
 「通ったことのない道通って帰って。」
と言い出しました。
 「ここは無理だねえ。一本道だもの。」
とわたし。
 
 地理的なことを説明しますと、

 県都松山市の東、東温市までが中予地区、その隣の西条市から東が東予地区です。中予地区と東予地区を結ぶ国道11号線のうち、峠を挟んだ山の中の部分10キロメートルほどを「桜三里」と呼んでいます。
 桜三里の中予側、旧川内町には桜三里の旧街道が残ってはいますが、誰でもが通れる道ではなく、桜三里はほぼ1本道と言ってよいでしょう。

 なので、トラオの知らない道を走るのは不可能かと思われました。ところがしばらく走ると、突然ぶじこが
 「あ、ここに道がある。ここから帰れるよ。」
と言い出しました。
 「ここから帰ろか。」

 おいおい

 ぶじこは以前、ぶじおくんと通ったことがあるというのです。地理に関してはぶじこの記憶がはあてにならない、とわかっていたはずなのに「ちょっとおもしろそう。」と思ってしまったのが冒険の始まりでした。

 結論から言いますと、私たちは無事に帰宅できました。しかもぶじこたちは夫のぶじお君も一緒にもう一度あの道を通ってみたそうで
 「さるがいっぱいいたよ。」
 
 それを聞いたらわたしも・・・・
 というわけで、以下に使用している写真は、後日撮ってきたものです。

 ぶじこが通るといった道は、


 細く急な坂道を一気に下っていく道で、あっという間に谷底に降りてきました。


 高速道路があんなに高いところにあります。


 古い鉄の橋を渡った先で



  「あ!さる!」
  「カメラ、カメラ」

 でも、残念、猿は素早く山の中に消えていきました。
 このあたりの道はまだ幅も広く木々の緑やせせらぎが心地よい道でした。猿を見たことで私たちのテンションは舞い上がり、この先にはもっと面白いことがありそうだと思ったのですね。なおも進んでいくと、

 右手には小さな集落、左手には山へ続く道が見える場所に来ました。



 「たぶん左よね。」と山の中へ行く道を選んだぶじこ。その結果は・・・・・

 行けども行けども山の中。しかも道はどんどん狭くなっていきます。小さな軽がやっと通れる広さです。
 「がけで車を擦ってもいいから、谷にだけは落ちられん。」
 「わかった。」
 
 わたしは2度とあの道は通りたくありません。だって、新車だもん。
 なので別の場所のイメージ画像で



 こんな感じ。で、もっとうっとう暗くて(なんせ、木がいっぱいですから)道も舗装されているのかないのか。もちろんガードレールはなし。
 
 あとで高いところから眺めてわかったことですが、この道は西へ延びてるんですね。冷静に考えれば、左手へ進んだら西の松山方面へ向かう、右手へ進んだら東、つまり西条方面へ向かう・・・ どうして気づかなかったのでしょう。



 ナビを見るとさっきから道のない場所をぐるぐるぐるぐると回り続けています。もう道を間違えたことは明らかでした。でも行くしかない。
 「ダメだったら引き返す。」とぶじこ。
 でも、方向転換できるところさえないのに。バックで帰るつもりか?
 数10分ナビを見続けていると、ぐるぐると回り続けてらせん状に西に移動しているようでした。
 
 そして奇跡が!

   人がおる!

 道端に軽四トラックが止まり、おじさんが一人立っていたのです。
 「ここがどこか聞いてみよか。」
 道に迷ったというとおじさんは丁寧に答えてくれました。
 「ここは西条市丹原町臼坂・・・」
 ああ、西条市だったんだ。そして市内の方へ帰りたいのだというとこれまた丁寧に道を教えてくれました。
 「橋を渡ったら谷川沿いの道を行くように。くれぐれも上っていかないこと。」
 「国道にぶちあたるけん、左に行ったら西条に行けるよ。」
 「国道に出るとこは信号がないので気を付けるように。」
 
   ありがとうございます。

 ここで教えてもらわなかったらさらに山の中に入ってしまったかもしれません。
 私たちは谷川沿いに少し走って、やがて道が上り坂になってきました。やがて見覚えのある場所に出ました。そこはさっき通り過ぎた場所。やっぱり松山方面に逆戻りしていたのです。国道と合流する場所にこんな看板がありました。


 話はこれで終わりではありません。
 
 再び同じ道を走って、先ほど谷へ降りた道に来ました。
 「もういっぺん行っていい?ガソリンはある。この明るさならまだ大丈夫。」
 はあ、確かにね。
 そして今度は分かれ道で右手を選択し、集落目指して上っていきました。するとその向こうは舗装された広々とした道。
 「ああ、この道よ。前通ったんは。」
 道は再び下り坂になりやがて視界が開けてきました。
 遠く中山川の流れが。



 やっと無事に帰れるという実感がわきました。
「トラちゃん、通ったことのない道通れてよかった?」
「うん。」
「ちょっとこわかったんじゃろ?」
「うん。」 
 
 知らない道を走るーぶじおくんはしょっちゅうそれをやってるみたいで、でも彼は抜群の方向感覚を持っているので心配ないのですが、ぶじこまで同じことをするとは。似たもの夫婦になったかな。それにトラオも知らない道を走るのが好き。いやわたしもその傾向があるから似たもの家族か。さらにさらに弟も同じことをするので似たもの兄弟?
 ともあれ無事に帰れてよかったです。

 おまけ

 去年の春、桜三里で撮った猿の写真です。去年は同じ場所で3回猿を見ました。以前にはなかったことです。


  
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母の好物

2016-03-08 01:13:37 | 野菜・果物・料理など
 2月、ヨウコの1歳の誕生日を祝いました。



 卵アレルギーのヨウコのために娘は卵抜きのホットケーキで小さな誕生ケーキを作っていました。そして離乳食のお祝い膳は赤飯とご飯を花型に抜いて。
 みんなで赤飯をいただいていたとき、夫が思い出したように

 「ひいばあちゃん(私の母)がうちに来るときはいつも赤飯を作ってきてくれたなあ。」と言いました。ああそうだったね。みんながここにいない母のことを思いました。
 
 母は手作りのものをみんなに食べさせるのが好きで、うちに来るときはおこわやお寿司など何かしら手土産を持ってきてくれました。もし元気でここに来られたらきっとお赤飯は母がつくってくれたはずです。しかし、その母は、昨年の秋のお彼岸に、本当に彼岸に行ってしまいました。この日の赤飯は、わたしが作り方を伝授して、娘自らが作ったものです。
 
 お餅も好きで、特別な日でなくても小さな餅つき機でたった一人で餅をついては持ってきてくれました。母の餅は年々進化していき、ヨモギ餅はもちろんのこと、黄色いキビ餅、芋餅など、どこからか材料を手に入れてはついていました。
 法事にはヨモギ餅も一緒に供えました。



 今年もヨモギが芽生えています。柔らかいおいしそうなヨモギを見ると採らずにはいられないほど好きでした。


  
 最初にがんの手術をしてから17年。母はとても元気で、好奇心旺盛で、どんなことでも楽しんでいました。そのうち私たちは、母ががんで死ぬなんて思わなくなりました。死ぬのならきっと別のことが原因で死ぬだろうと笑いあっていたのです。まさか体調を崩してわずか半年で逝ってしまうとは。
 これから母の好きなおいしいものがたくさん実るというのに。

 母の遺体が返ってきた日、孫のお嫁さんが、「ばあちゃんが病院の芋炊き会をを楽しみにしてたのに間に合わなかったから」と、芋炊きを作ってきてくれました。なんと優しい。
 それから私と弟とで家の周りのむかごを集めてむかごご飯を炊き枕膳に供えました。

 なにもかも間に合わなかったね。私たちの予想に反して早く逝ってしまった母に文句の一つも言いたい気持ちでした。

 うちのナツメを毎年楽しみにしていましたが、邪魔になると夫がバッサリ切ってしまったのです。うちのものはナツメには見向きもしませんでしたから。ナツメを切ってしまって今年は実がなってないというと母はとても残念そうでした。そのナツメに数個の実がなっているのに気づいたときは母はもう固いものは食べられなくなっていました。


 
 そして数年ぶりに実をつけたザクロ。これもなぜかうちのは甘くて母が楽しみにしていたものです。でも、間に合いませんでした。






 実家の柿の老木に実った富有柿も、私の作った干し柿も、間に合いませんでした。





 ただ一つ、実家の桑の実が今年はとてもおいしくできたそうで食べることができたそうです。一度食べたらそれで満足だったらしく、私が採ってあげても2度とは食べようとしませんでした。


 母の好物は戦時中の飢えの経験と強く結びついていたようです。素朴な木の実(ナツメや桑の実、ざくろ、ぐみなど)を自分で採って食べるのが好きだったのも、おやつ代わりに食べたおいしさが忘れられなかったからだと思います。

 また、野草も好んで食べていました。そしておいしいものがなんでも手に入る時代になっても自分で採って料理するのが好きだったのです。

 春はつくし。そろそろうちの畑にもつくしが出るようになりました。



 去年は実家の畑でもあきれるほどたくさんつくしが生えて、採りつくしてしまうかと思うほど何度もつくしを採ったようです。奇麗に袴を除いてゆでて冷凍してわたしに分けてくれていました。
 それから、セリの白和えや卵とじ、ヨメナの菜飯、ワラビにいたどり、タケノコ・・・ これから母の好物が次々と出てくる季節になりました。
 
 わたしたちは長い時間をかけてお別れの準備をしてきました。7回の海外旅行、四季折々のバスツアー、イベントを見つけては親子でドライブ。母の好物を見つけたり作ったりしては実家に持っていきました。一緒に住んでいたわけではないので、母がいなくなっても私の生活がかわったわけでもありません。ただ、母の好物を見つけても「ああ、もうこれを喜んでくれる人はいないんだ。」と思うとふっと寂しさがよぎります。

 母は元気なころはいろいろな野菜を作ってわたしに分けてくれたものです。とにかく作ること、収穫すること、食べることが好きだったのだと思います。母亡き後、畑は・・・・



 前よりもずっとたくさんの野菜が育っていました。弟がせっせと育てているみたいです。
「ばあちゃんが乗り移ったかしら。」と義妹が笑っています。サニーレタスなどは、母はよく食べていましたが私も彼女もそれほど好きではなくて。菜の花も食べきれなくて花盛り。でも、母が好きだったから植えてくれたのかしら。





 おかげさまで私はしょっちゅう新鮮な野菜をいただいて帰っています。

 考えてみれば、母は賢かった。取り立てて学問があるわけでもなく、立派な職業についていたわけでもありませんが、家族を思い、日々の暮らしを楽しんで、結果、季節の移り変わりとともにいつも自分のことを思い出してもらえるのですから。 

 

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冬も元気な多肉

2016-03-02 08:30:01 | 植物
 3月だというのに
 
 
 雪が降りました。うっすらとですけどね。


 多肉植物(名前はわかりません)が粉砂糖を振り撒いたようになってきれい。
 
 でも、

 今年は暖かいか寒いかの両極端の日が多く、我が家にあったいくつかの多肉植物が枯れてしまいました。おもに葉っぱに毛が生えたタイプのがね。白状しますとわたし、あまり多肉には詳しくないのです。でもかわいいから置いてる。で、いろいろ調べて栽培に取り組んでいるかというとその熱心さはなく、ただ置いているだけ。でも多肉って丈夫だからたぶん放任で大丈夫だろうと思い込んでいましたが、そうではなかったみたい。

 もちろん元気なのもあります。雪をかぶったこの鉢の中のは全部元気です。



 そして、意外なものが生き生きとしているのにびっくり



 レウィシアというのだそうです。これは昨年の梅雨に入る前植えたものですが、半分以上は花の後腐ってしまいました。わずか5,6本青息吐息で生き残っていたのをそのままにしておいたのですが、寒くなるにつれて俄然元気がでてきて、今や花芽さえつけそうな勢いです。

 そして、先日スーパーの植木市でレウィシアの花をつけたのが売られているのを発見。ええ~今頃花が咲くの~? じゃあ、去年の夏咲いていたのは何だったの?今花が咲いたらその愛らしさで人気が出るかもしれないのに、花が咲いてすぐに梅雨で腐ってしまって、生き残っているのが不思議なくらい蒸れに弱かったのです。

 ともあれ、我が家のレウィシア、夏には涼しい場所に移してやりましょう。

 花と言えば



 何の花かわかりますが? 私は初めて見ました。グリーンネックレスなんですよ。
 次々とつぼみをつけてさいていますが。



 これは夏の頃の青々とした姿がなくなって弱ってきているのではないかと、少し心配。でもこれも丈夫だからまたどんどん増えてくると思います。

 それから、冬になってますます奇麗な多肉植物。

 ただ斑入りの葉がびっしりと茂るだけだったのに、この冬突然に真っ白な葉が出てきました。それが花のように見えてとてもかわいい。ただ、これも名前がわかりません。


 
 それから、車で走っていてあまりの鮮やかさに思わず車を止めて写真を撮りました。どこかのおうちの石垣に、紅葉した多肉。まるで海底のサンゴのようです。



 花の少ない冬、こんな小さな植物にも楽しみを見つけていますが・・・・

 ああ、早く暖かくなってほしいですね。

 





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