ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

All You Need Is Kill 桜坂洋著 集英社

2012-07-21 14:14:19 | SF
出版社はSFとしていますが、ミリタリーファンタジーと言う方が合っている気がします。

おもしろいです。

異星から来た惑星改造部隊との戦闘ものです。改造部隊のヘッドとも言うべきギタイ・サーバは、死ぬときにタキオン放射により過去30時間程度へどう倒されたのかの情報を送り、次の回は、それを避ける戦術・戦略をとるというやり方をします。この過去へ情報を送るときに、そのサーバを倒した人間が巻き込まれて、その人間も情報を受け取るというものです。その情報もサーバの情報ではなくその人間の記憶だというのが、ご都合主義かも。
で、その対象の人間は、なんのシステムを有するわけでもなく、自分の経験したはずのすべての記憶を持つという、まさにファンタジーです。

タイムパラドックス満載になりそうな小説です。次のターンに入った場合、前回のターンはまったく起こらなかったものとなり、ギタイ・サーバおよび微力な主人公の動向により、まったく異なる展開をします。

サーバー倒してもループさせない方法は、サーバのアンテナを壊し、次にバックアップを殺し・壊してから、サーバー殺す・壊すというものです。バックアップは、サーバが倒されるまではサーバとして機能しないから、そのまま倒して良いとしても、サーバを単に倒すとバックアップが機能する前に、過去に情報送っちゃって結果としてループ開始するのでバックアップの存在する意味が無い!

また、倒される前から情報送らないと間に合わないような気も。ある時間以内に倒せば情報は送られないって設定はあるのが当然なんだけど・・・


さて、

主人公はへたれな初心者で登場しますが、ターンを繰り返すにしたがってツワモノに進化していきます。記憶だけでなく、体力・体術までが、過去に伝達されるってまずいんでは・・・・

最初のターンは主人公がサーバを倒してしまって主人公が初めてループの記憶保持者になったとされています。2回目から159回までは、リタが倒しているのに、リタはループの記憶を受け取っていないようです。それまでのほとんどの戦闘ではリタがループを記憶していたわけですから、都合主義かも。1回は、主人公が自殺してみたにもかかわらず、やっぱり主人公だけが記憶しています。情報を過去に贈ったときに、主人公はすでに死んでいるのだから、その回の記憶が抜けるのが普通じゃないのかな。

初回に死ぬ前に、リタからの質問に、ループ159回目にして答えを返すのでが、リタ自身はループの記憶がありません。まあ、ず~っと気にかかっていた疑問に、質問してもいないのに答えを返されたから、相手がループを記憶しているって気づいたってことでしょうか。

ループ160回目で、敵は、主人公がバトルアクスを作ってもらう前に攻め込まれます。いつの間にか主人公はバトルアクスを持っています。リタも持っていますから、リタの予備でしょう。映画では入手場面は省略されないでしょう。

さて、ループ対象になりえる2人が揃ってから、人がアンテナ代わりになっていて、2人のうちどっちかが死なないと、相手がアンテナとして働いてしまうから自分はループを抜けられないって奇妙な理論が建てられます。事実ループしてるからと・・・英雄並び立たずって締めの効果としてはいいかもですが、すご~くご都合主義の香が。そもそもタキオン放射原はサーバのはずなのに、どうすれば、個別に存在する人間の脳がアンテナになれる?





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