田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

風物詩

2019-12-01 20:53:51 | よもやま話・酒編
熊本のボシタ祭り(ついこの言葉が出ます)が終わると、田園のカウンターでは
次のような光景が見られました。
 「 ガラーッ 」 と階段側のドアが開いて、客が入って来ます。
 「 うーん、大将~ 冷えてきたばい。 一本ツケて貰おう! 」
つい最近まで、冷酒を愉しんでいた客も、急な気温変化に熱燗を求めるのです。
熊本では、 『 藤崎宮の随兵行列 』 が終わると、秋風が吹くとの言い伝えがあります。
「 随兵寒合 (ずいびょうがんや) 」 て、よう言うたもんです。
事実、祭りの最終日まで、とても暑い日が続いていたのに、翌日から
うって変わったように涼しくなるのを経験で知っているのです。
              
注文を聞いて、カウンターの酒かん器(電子レンジではありません)の蓋が取られると
白い蒸気が立ち昇る。 「 イイねぇ~ 」
酒呑みってえ奴は、季節の変化に敏感です。
寒くなったから熱燗を飲もうとか、暑くなったから生ビールを飲みに行こう等々。
いろんな “ 口実 ” を捜しては、酒を呑みたがる。 

県庁の銀杏が黄ばんで来た!
それだけで、新物の焼き銀杏が思い浮かぶ。
       
焦げた殻を剥いて、渋皮を丁寧に外す。
ツヤツヤの実の翡翠色が現れると、酒飲みの眼福。
前歯で噛むと、ほろ苦さがたまらない。
そこに、辛口の熱燗をクイっと。   
             
 「 大将! 今度来る時には、ナマコん出とるどね~? 」
 「 そうですネ! もう出る頃でしょう。 」
季節のナマコ酢や出来たてのこのわたを肴に、日本酒を頂く。
最近、日本人が忘れがちな季節感を、酒飲みは愉しむのです。
              
それにしても、今年の祭りの後。
なるほど、夏の暑さは消え去り、ひんやり感を味わう日もあった。
だが、夏の暑さに負けない日に逆戻りした。
一進一退している様な気温の変化に、着るものに悩むほど。
そうこうしている間に、秋を素通りしてしまった感で、一気に冬の気配が。
錦秋をしみじみと味わうヒマがなかった。
年々、秋の期間を短かく感じるのは、気のせいなのか?
このままでは、秋の季節は無くなり、酒飲みの口実が減ってしまいはしないか!?
心配していまう、酔いどれヒゲでした。

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2 コメント

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黄色 (batten)
2019-12-08 21:12:42
最近は外観はマトモ、店内は割烹風、職人は綺麗な割烹着で一丁前に筆ペンで献立。

そんな処で単品イヤイヤの『おまかせコース』なんて注文したら、いかにも品数調整・原価調整の玉地蒸しが出てきます。
ワンパターンの小さな小さな海老、皮が臭い鶏肉(醤油洗いくらいすれば良いのに)薄くて小さな椎茸に銀杏。
黄色い缶詰の銀杏で匂いが嫌ですよね。
家内が作る家の茶碗蒸しなんて薄緑の銀杏なのに。

なんだか、最近は蒸し物をちゃんと作る店が減りましたね、玉地なら空也蒸しなど好きです。

ナンチャッテ割烹風では冷凍が難しい蕪蒸しや、
アラが出ないから出来ない骨蒸しとか意地悪して注文してみたくなります。

丸十のレモン煮を色粉でという大馬鹿の外人和食人がいた話も聞きました。
部下にいたら悲しいです。
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季節のものを (ヒゲ)
2019-12-09 20:10:05
うーん、しょう油洗いとは久しぶり。
熊本で知っている職人は、ヒゲの知るかぎりお一人です。
残念なことですが、ごく基本的な知識も欠落しているのでしょう。
銀杏の缶詰めを使うのは、何故かちゃんと知っているけど、汗。
新物を使う事には思い至らない。
どうしてアノ臭い黄色い銀杏を使うのか?
筆ペンで華麗な献立書く暇があれば、新物の
銀杏の殻を剥けば良いのにと思ってしまいます、笑。
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