田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

指が覚えている

2020-02-25 14:49:03 | よもやま話・料理編
昔読んだ小説 『 雪国 』 に、 「 この指が君を覚えていた 」 みたいな
セリフが在ったような?
主人公が、芸者・駒子に喋った、何やら “ いわくありげ ” な言葉ですが。
指先は、人間の中の最も敏感な器官でしょうか?
                     
田園の客は、わがままでした。 (笑)
ろくすっぽメニューも見ずに、思い付きの気まぐれで、料理の注文をされる事も
多かったのです。
80年代のある日の田園カウンター。
 「 マスター、何だか温泉玉子食べたくなったんだけど~ 」
 「 作れ 」 と云う訳でしょう。
浪ヤンが奥から卵を持ってきて、ヒゲは鍋を火に掛けます。
そのまま放って、ヒゲはカウンターの客と飲みほうけます。

しばらくして、客が心配して言います。
   「 ねえマスター、その鍋には温度計を入れなくてイイの? 」
ヒゲ 「 そうや、そうや、温度計忘れてた! 」 と言いながら、
   「 アラ? ここにあるじゃん! 」 とうそぶき(笑)、人差し指を中空に。
そして、あろうことか(!)、その指を鍋の湯に入れたのです。
「 ふーん? 」 と首を傾げて、ガスの火を絞り、再び飲み続けたのです。 (笑)
                   
これって、決して指を使って温玉を作れと奨励している訳ではありませんから。
古典と云いますか、昭和の人間は頭より身体で覚えた時代の、あるエピソードです。
例えれば、タイプで英語の綴りは打てないけど、ペンを持つとあら不思議?
筆記体でスラスラと綴りが出るのです。
ただひたすら繰り返して書くことで、文字通り、指(!)がスペルを覚えているのです。
       

現在ではデジタル機器が発達して、なんでもマシンが料理してくれます。
大変結構で、ありがたいことです。
最新型のAI 調理器具がずらりと揃っているなら、こんなヒゲみたいな料理技術は必要ない。
昭和の遺物みたいに、カンを働かせて仕事するなんて時代錯誤だ。
まぁ、そうは言っても、料理人たる者! 
“ マイナス5度から〜190度 ”  ぐらいの範囲内は、体感〜体得しといても
悪くはないハズと、隠居は考えます。
「  昭和の刑事(デカ)は足で稼ぐ! 」 「 昭和の板前(イタバ)は指で稼ぐ! 」
いつか、AIが崩壊して、暴走するかもしれない日に備えて! (笑)
   

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コメント (2)
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