できあい主義者

ヒゲは、できあい主義者です。
ひとつが、孫たちやペットの猫たちを“溺愛”する馬鹿爺さん。
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　
もうひとつは、デパ地下の“出来合い”物が大好き老人です。
出来合いとは、つまり既製品の総菜の事です。
ヒゲ家的には、外食も出来合いの範ちゅうですが。
　　　　　　
そんな年寄りにも、最近悩みが増えたのです。
デパ地下から買ってくる出来合い物が、気に入らないからです。
　　　　　　　　　　　　　　
そもそも、田園の店では、既製品を使わない主義を売りにしていました。
だから、そんな誰が作ったか分からない様な物は毛嫌いの対象。
しかし、そんな頑固な頭でいると、カァちゃんの仕事は増える一方です。
で、ヒゲは頭を切り替えた。
なるべく！、既製品と外食を増やして、カァちゃんを楽にしようと。

その方針転換どおり始めたのですが、直ぐに料理に飽きてくる。
惣菜・弁当ものも、ワンパターンの食材が多く、しかも選択の余地がない。
何より辛いのが、料理の味付けが甘いことです。
砂糖・甘味料が多過ぎるから、くどい味わいになっている。
　　　　　　　　　　
もう一方の外食も、そんなに美味いのに巡り合えない。
外飲みから帰宅すると、カァちゃんは直ぐに飲みなおし（！？）の支度に掛かります。
わざわざ、外に出た挙げ句ですよ。
カァちゃんの言い分に寄ると、
　「　ずいぶんな御代を払っているのに、ちっとも満足させてくれる店がないね。　」　と。
更に、グチは続きます。
「　こんな事なら、我が家で飲み喰いした方がよっぽどマシだね。　」
分からんでもありません。
最近の店は、何処に行っても、同じ献立がほとんどです。
チェーン店か？、と見まがうばかりのメニューの統一感には、驚くばかりです。
ヒゲ夫婦も、決して贅沢な望みをもって行く訳ではありません。
せめて一品だけでも、珍しい料理があれば嬉しいのです。

まあ、それでも、カァちゃんの仕事を楽にさせる為には、外食は欠かせません。
何よりも、後片付けの手間が要りませんもの。
特に、カァちゃんを“溺愛”するヒゲとしては、“出来合い”を上手に使って、
家事を楽にこなして貰うことが望みなのですから。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ヘイ！　お後がよろしいようで　・・・　（笑）　　　　
　　　　　　　　　　　　　
　　　
　　　　　　
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