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古い曲が気になる

We'll Meet Again

2010-07-07 | 日記・エッセイ・コラム

                 

スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情 Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb 』は、核爆弾がつぎつぎと爆発する、カタルシスのエンディングだ。そこに流れる曲が、We'll Meet  Again だ。

 映画『博士の異常な愛情』 エンディング http://www.youtube.com/watch?v=wxrWz9XVvls

Very Best of Vera Lynn Very Best of Vera Lynn

We'll Meet  Again  は、1939年、イギリスのシンガー、ヴェラ・リンが歌って、第二次世界大戦中のイギリスで大ヒットした。「いつか晴れた日に また会いましょう」と、楽観的に歌うのが、逆に切実で、せつない。戦場にいく若者の何人が生きて帰って、ふたたび、恋人や家族に会えるのだろうか。そんな、現実に死と向かいあった若者たちにヒットした、別れの曲なのだ。

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ヴェラ・リンは、1940年からはじめた、じぶんのラジオ番組で、戦場の兵士からのリクエスト曲をかけた。そして、イギリスに残した恋人や家族への、戦地の夫や息子や恋人のメッセージを伝えた。子供が生まれると、病院まで出かけて、母親になった女性に戦場の夫からのメッセージを直接伝えた。エジプトやインドやビルマの前線にでかけて、野外の慰問コンサートで歌った。(ビルマでは、イギリス兵は、日本兵と戦っていたのだが……)。

     ヴェラ・リン We'll Meet Again http://www.youtube.com/watch?v=cHcunREYzNY

イギリス人には、第二次世界大戦の英雄のひとりなのだ。大英帝国勲章(OBE)のほかにかずかずの叙勲をうけている。1917年生まれのヴェラ・リンは、現在も元気だ。

去年、2009年に発売になったアルバム THE VERY BEST OF VERA LYNN : We'll Meet Again は、イギリスのヒットチャートの第1位になった。ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドのアルバム・チャートでも上位だ。60年もまえの曲のベスト盤が、いま現在、売れているわけだ。それも、戦時中の兵士や家族の心境を歌った歌だ。厭戦歌、反戦歌でもあるが、戦場の兵士を励まし、なぐさめ、そして、ある意味、戦意高揚、国威発揚の歌でもある。日本でいうと、軍歌のアルバムが、現在ヒットしたようなものだろうか。

           

We'll Meet Again は、戦場へ行く兵士の心情なのか、詩句も、曲調も明るいだけに、このカラ元気が、せつない。国で待つ人、殺し合い死にいく人。嫌でも戦争に耐えなきゃならない若者を励まし、なぐさめる、戦時の歌であるのは確かだ。だが、第二次世界大戦のあとも、この曲は愛されて、ロックやカントリーなどさまざまなカバー・ヴァージョンがある。

                    

また会いましょう
どこかも知らず
いつかも分からないけれど

きっと また 会えるでしょう
いつか晴れた日に
だから 笑いを忘れずに

いつも絶えない その ほほ笑みを
青い空の輝きが
黒い雲を払うまで

そして お願い
私の友や隣人に あなたが もしも会ったら
じきに行くわと 皆に伝えて

別れの際に私が 
力の限り この歌を歌っていたと 
どうか伝えて

また会いましょう
どこかも知らず
いつかも分からないけれど

きっと また 会えるでしょう
いつか ある晴れた日に

                                              

女王陛下を迎えて、ヴェラ・リンを讃えて、ヘイリー・ウェステンラが We'll Meet Again  を歌う映像がある。

   ヘイリー・ウェステンラ We'll Meet Again   http://www.youtube.com/watch?v=tBX16iBQ0rI


今夜は、ドイツ・スペイン戦

2010-07-07 | 日記・エッセイ・コラム

                              

ワールドカップ・サッカー準決勝、オランダ・ウルグアイ戦は、じつに見ごたえがある試合でおもしろかった。しかし、NHKの実況解説者が、あまりに露骨なウルグアイ寄りでじつに不快だった。解説者があまりにウルグアイをもちあげるので、オランダが圧勝してほしいものだ、と強く思いだしてしまう。

とうとう後半は、解説者の話の内容にも、その声にも我慢できず、ボリームをかんぜんにしぼって、音を消してみていた。

サッカーは、シンプルなゲームだ。みてるとわかる。日本じゅう、テレビのまえの人たちは、真夜中に起きだしてまで、寝不足覚悟で、準決勝をみているのだ。サッカーのことも知ってる。両チームの知識もある。

知ったかぶり、私的贔屓感情むきだしの、陳腐な解説など無用だ。解説者なしで、アナウンサーだけの実況放送にしてもらいたいものだ。

今夜(あす早朝)は、ドイツ vs スペイン戦だ。楽しみだ。