とだ九条の会blog

「とだ九条の会」公式HPに併設=「とだ九条の会ブログ」でネットワークを広げます。

教育基本法改悪案を提出

2006年04月30日 | 国際・政治
政府は4月28日、教育基本法の改悪案を閣議決定し、今国会に提出しました。大型連休明けの5月9日にも審議入りを目指し、今国会で成立を狙っています。
この策動に対し、国民各界から批判の声があがっています。
第一に、そもそも教育基本法は戦後まもなく日本国憲法が確定された後の1947年、それまでの戦前の軍国主義・国家主義的教育が国民をあの悲惨な侵略戦争に駆り立てた反省に立って制定されたもので、制定以来たびたび改悪の策動にあいながらも、国会に提出されたのは今回が初めてだからです。
第二に、その中身です。改悪案は前文と18条から構成されていますが、前文では現行法の「(われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設しようとする決意を示した。この<憲法>の)理想の実現は、根本において教育の力にまつべきもの」とした部分を削り、「公共の精神」「伝統を継承し」などを新たに盛り込んで、「教育の目標」に「我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」など、多数の“徳目”を挙げ、あえて「国を愛する態度」を書き込んでいることです。これは自民党の改憲案の前文「国や社会を愛情と責任感と気概をもって支え守る責務」があるとして「愛国心」を強要していることに通じます。憲法九条を変えて、日本を「(海外で)戦争する国」づくりに進ませる、そしてそれを担う人間を育成する教育に変質させようという狙いがあります。
第三に、政治権力による「不当な支配」を禁じた現行法の第10条を、国の教育への介入を公然と進める内容に改変している点です。
第四に、今国会の会期末まで残り3分の2というこの時期に、短い期間で一気に押し通そうとしていることです。
教育基本法の改定は、憲法九条の改定と連動しています。主権者として一人ひとりの子どもの「人格の完成」を目的とする教育から、憲法を改悪して「(海外で)戦争する国」にふさわしい人間を育て上げる教育へ変質を図ろうとしているのです。憲法と一体に戦後日本の平和と民主主義の土台となってきた教育基本法の精神を変質させてはなりません。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする