tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2023年3月日銀短観:製造業慎重、非製造業順調

2023年04月03日 13時53分21秒 | 経営
日本銀行は今日、3か月ごとの「全国企業短期経済観測」、いわゆる「日銀短観」を発表しました。マスコミの報道は、製造業は5四半期連続悪化などという見しもありますが、感じとしては内外情勢を見つつ慎重な判断を、といった状況でしょうか。

先ず、大企業の状況を見ますと、製造業はDI(良い-悪い)が1で、前回12月の7から6ポイントの悪化、非製造業は前回の19から1ポイント改善20で、製造業慎重、非製造業順調といった状況です。

中堅企業、中小企業はともに前期よりして悪化でマイナスになっています(「悪い」方が多い)製造業は大企業の状況が多少増幅されて中堅・中小に影響という状況は変わっていない様です。

一方非製造業は上に見ましたように大企業は順調、中堅企業は11から14に改善中小企業も6から9に改善という事で好況感が継続ようです。

長い間不振をかこっていた非製造業がコロナの鎮静化、平均消費性向の上昇などの結果、この所、漸く浮上してきたという所でしょうか。

日本経済としては、製造業が特に国際情勢の影響を受けて見通しの難しい一方で、非製造業の活況、これは内需の拡大が救いというところではないでしょうか。

問題は先行きですが、3か月ほどの先の見通しで、製造業大企業は多少の好転、中堅、中小は、マイナスは変わりませんが、マイナスが減るという形ですが、多少の好転です。

逆に非製造業の方は各規模ともに、プラスの幅が少し縮まるという形の多少慎重な見通しとなっています

ウクライナの問題に加えて、米中関係が、アメリカの中国敵視政策が多少露骨になって、日本にも半導体製造装置の輸出の制限などを言ってくることもあり、心配の種は尽きませんが、製造業にとっては、円安が130円台で当面定着しそうなことはプラスでしょう。

コロナの鎮静化がさらに進み、円安が続けば、インバウンドの需要も大きくなることが見通されますので、製造業、非製造業ともに、今後についての明るい面はあるのですが、そを帳消しにするような面倒な国際情勢、国際紛争、突然の金融危機など懸念されます。

状況が読みにくい中で、企業な慎重にならざるを得えないのでしょう。少し先の将来まで見通さなければならない設備投資、研究開発などについても、大企業の態度にも、調査していますが、何か慎重さが目立つような気がする「日銀短観」です。

平穏を望みながら国際関係に振り回されるのが各国経済ですが、なるべく平穏の中で、経済の安定発展を考えられるよう国際政治情勢を期待したいところです。