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コミュニケーション手段と思考回路:ツイッター文化の落とし穴

2019年08月29日 01時38分35秒 | 文化社会
コミュニケーション手段と思考回路:ツイッター文化の落とし穴
 トランプさんはもっぱらツイッターでコミュニケーションですが、立場上、世界を動かすような大変なことを発言するのに、140字という制限の中でというのはほとんど無理でしょう。(英語は280字にするそうですが、まさに、50歩100歩でしょう)

 最近も「中国が買わないので余っている玉蜀黍を日本がみんな買ってくれる」といったそうで、アメリカの農家は大変喜んでいるそうですが、日本では菅官房長官が、早速補足説明をしなければならなかったようです。

 実は、これはツイッターではなく記者会見での発言ですが、世界中の人がトランプさんはツイッターで結論だけ言うのを見て来ていますから、トランプさんは結論しか言わない人で、詳しくは、後から関係者の説明を聞いて理解しようという思考回路が出来上がっているのではないでしょうか。
 人間は言葉がなければ論理的思考ができないのだそうですから、言葉の使い方は当然思考回路に影響するでしょう。

 ところで最近の世の中を見ていますと、コミュニケーション手段がだんだん短くなって、簡略化しているようです。
本が読まれなくなくなり、漫画もコマ数が多いとコマを追うのが面倒で、まずは結論を急ぐのだそうです。

 そういう意味ではツイッターは最適かもしれませんが、覇権国の大統領までツイッターで便利に事を済まそうというのですから、ますます世界中の人の思考回路が短くなってくるのではないかと心配されます。

 碁や将棋では長い思考回路がきちんと出来ないと勝てないという事のようですが、これは素晴らしいことで、こういうことが特定の人の離れ業のようになって、一般の人にはなじまないということになったらどうもいろいろ大変のように思います。

 トヨタ式経営でも、「なぜ」を5回繰り返すと本当の原因がわかるといいますが、こうしたことを地道にやるのが面倒になって、結論だけ先に出されたと思われる短い言葉ばかりがすっと頭に入るような事になると、早とちりの間違いが起きる可能性はどんどん大きくなりそうです。

 人間は短い表現ですまそうとするとき、どうしても強い言葉を使うようです。婉曲とは正反対ですから、婉曲な表現を理解する能力もなくなり、強烈は、刺激的な言葉にだけ反応するようになります。
 日常生活でも、ビジネスでも、選挙などでも、地道に理を説くより、一言で相手を喜ばせたり、気に入らないとバッサリ切ったりすようなるような言葉が受けることになります。

 これはおそらく動物の中でも人間しかできない「思考」という素晴らしい能力を劣化させることにつながるのでしょう。
 強い言葉に反応し、短絡的に判断するというのが一般化するのは、人間の退化でしょう。
 
ツイッターの言葉と、ブログの言葉を比較してみるとそんな感じを強くするのではないでしょうか。

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