tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

領土を拡大すれば強い国になれるのか?

2018年04月15日 11時51分51秒 | 国際関係
領土を拡大すれば強い国になれるのか?
 今日は日曜日です。朝はかなり強い雨が降っていましたが、9時過ぎから上がってだんだん晴れて、良い日和になってきました。

9時からの日曜討論では「公文書問題」で与野党の言論戦をやっていましたが、折角の好天の日曜日です、もう少しいい事を想像(空想)してみたいような気がします。

 このブログでも、ときに関連して取り上げていますが、未だに版図の拡大に熱心な国があります。ロシアのクリミヤ併合などは、いわばその典型ですが、日本の北方領土でも、ロシアは徹底して領有権を主張しています。

 日本にもそんな考えを持つ人がいて、尖閣問題が表面化するきっかけになりました。相手の中国も領土の拡大には熱心な国で、南沙諸島の埋め立て、軍事施設まで作って、領有権を主張しています。

 資源確保と地政学的優位と国としてのメンツなどが混合して、領土拡大が有利との判断になっているのでしょうが、なが~い目で見て、本当にそうなのでしょうか。

 歴史を見ますとローマ帝国でも、ジンギスカンの元でも、領土を広げ過ぎてついには持たず、滅亡しています。
 日本の場合を見ると、石油資源や植民目的で、アジアに進出した結果は無残なものでした。トラブルの多発、そして戦争、結局「富国の夢」は叶いませんでした。

 日本にも先見性、洞察力に優れた人いて、石橋湛山は、戦前既に「 満州や、朝鮮半島、台湾などは手放した方が日本は発展できる」と明言しています。
 そしてその通り、日本は北海道、本州、四国、九州4島になって、世界も驚く経済発展をしたのです。

 考えてみれば、ロシアは北方領土では日本の経済協力が無ければ、コストばかりかかって持ちきれないでしょう。中国も南沙諸島に掛ける膨大なコストは、まだ貧しい13億の国民の負担で、全くの持ち出しです。

 「有事の際に役に立つ」と考えているのでしょうが、有事が無ければ、全くの無駄です。
資源があるとしても、中東の石油資源国が今、資源があるだけでは先が無いと多様な産業の発展を目指していることを見れば、先行きは見えています。

 戦後の日本のように、しっかり働けば、資源は買えるのです。資源国は資源を売らなければなり立たないからです。
 農畜作物や魚介類でも、自国で確保するより、買った方が安いといったケースはいくらでもあります。自給率が問題になるのは有事が前提になるからです。

 世の中が平和になって、「争いから協力」に人々の心が変わっていけば( 「争いの文化と競いの文化」参照)、今は大事のように思われている領土の拡大といったことが、如何に不経済で、国民に余計な負担を強いるものか明らかになってきます。

 そんな時代が早く来ればいいなと思いながら、そして日本はそれで成功して来たんだと考えながら、将来のそんな世界を空想してみるのはどうでしょうか。

忖度と諫言その後:自分の意見が言えることが大事

2018年04月14日 12時25分26秒 | 政治
忖度と諫言その後:自分の意見が言えることが大事
 昨年5月に「忖度と諫言」を書きました。忖度というのは他人の心を思いやって、気を使ってあげるという事で、最近のニュースの問題は「忖度の行き過ぎ」じゃあないの?という趣旨で、したがって、その対語は「諫言」としたわけです。

 イメージとしては、お殿様の身勝手にも逆らってはいけないという家臣の対極に、お殿様の名誉のためにも、そんな身勝手は許されませんと、老いた忠臣が「この皺腹掻き切ってもお諫め申し上げます」といった構図でしょうか。

 安倍一強とは言われますが、そこまで行ってはどうも現代政治とかけ離れたイメージですよというご意見もあり、それでは「忖度と提言」ぐらいがいいのかなと思いました。

 忖度というのは相手への「おもいやり」の心でしょうから、全部相手の言うままに、というのは忖度の行き過ぎ、あるいは「自分の意思決定の放棄」でE.フロムの言う「自由からの逃走」でしょう。

 それでは民主主義は成り立ちません。みんなが自分の意見を持ち発言して、「面倒で、時間がかかっても」その多数を取って、妥協と納得で事を進めるのが民主主義でしょう。
 皆の意思が発言され、提言されて、初めて民主主義は健全になります。

 国会に登場するエリート官僚の方々が、我々庶民には理解できないようなアクロバティックな言葉を駆使し、なかなか本当の事が解らない(本当のことが解るまでに膨大な時間がかかる:時はカネでコストです)という事が起きる背景に何があったのか考えると、お役人が自分の意見を言いにくくなったのではなどと考えてしまいます。

 確かに、事務次官会議が、次官連絡会議になってその性格が変わったとか、内閣人事局の設置で省庁の幹部の人事は内閣に一元化されたことのなどの影響を言う見方もあるようです。
 これらは共に、政治を官僚の手から政治家に取り戻すという動きで、ある意味では当然と言えるものでしょう。

 確かにそうしたことも何らかの影響はあるのかもしれません、無いとは言えないでしょう。
 しかし、こうした制度や仕組みは「道具」のようなもので、その道具を使って、どんなものが出来上がるかは、使う人次第という事になるのでしょう。やっぱり、最後は「人」という事なのでしょうか。

今年のホタルは新規蒔き直しで

2018年04月13日 20時35分57秒 | 環境
今年のホタルは新規蒔き直しで


 これまでも例年ホタル飼育の報告を続けてきましたが、庭のÙ字溝の水漏れと上陸装置に酸性の土が混入して幼虫の羽化に失敗したことで、産卵→孵化→幼虫飼育→上陸して蛹→羽化→交尾→産卵というサイクルが途切れていましました。

 今年は新規蒔き直しです。種ボタルとしての幼虫を改めて購入、Ù字溝は水が漏らないように来週早々改修します。水源である雨水タンクは、晴天の続くこの頃ですが、水を流していないので満杯です。

 今年は桜も早かったですが、ホタルの幼虫の生育も随分早くなっているようです。すでにゲンジは終齢だというので、30ほど購入、例年の様に発泡スチロールの箱に入れて、庭の草むらに放置したところ、全て上陸して蛹作りに入ったようです。

 ヘイケの方が、通常ゲンジより1か月近く遅いので、未だ発泡スチロールの箱の中で、かわになを群がって食べたりしていますが、Ù字溝の修理が終わり次第、水質を確かめて、 放流して上陸、羽化を待とうと思っています。

 私の住む国分寺市は「ホタルのホッチ」というキャラクターを市のシンボルにしているのですが、残念ながら、昭和30年代末以降、自然発生はないようです。

 ホタルは水が無いとダメですから、雨水を利用して何とか ホタル飼育が出来ないかと数年前に始めて、種々工夫を凝らし頑張っているところです。

 写真は、庭の隅の雨水タンクと改修するÙ字溝です。幅15cmほど、長さ2.5mぐらいでしょうか。
 これで何とか、安定したホタル飼育のサイクルが改めて可能になったら、乏しいノーハウですが、多くの方々とシェアしたいと思っています。

 子供のころホタルに親しんだ郷愁から、何とか我が家で蛍が飛ばないかと考え、思い付いたのが「家庭用雨水タンク」の利用でした。すべてはこの雨水タンクからでした。まだ確りカーポートの屋根からの雨水250リッターを貯めてくれます。

李下に冠を正して恥じない人

2018年04月12日 11時22分41秒 | 政治
李下に冠を正して恥じない人
  この諺については既に書きましたが、「人から疑われるような事をしてはいけない」という事を説いた諺で、特に人の上に立つような立場の人は心しなければいけないという事を諭したものです。

 いわゆる「モリ・カケ」などの一連の問題の中で、安倍総理もこの諺を使われたこともありますが、ごく普通の国民の客観的な目から見ますと、安倍総理は明らかに「李下に冠を正した」という事になるでしょう。

 ご本人は「私の言動には一点の曇りもない」と言われましたが、真偽のほどはいずれ明らかになることでしょう。そうでなければ、日本の政治は国民に開かれたものと言えないでしょう。

そして、例え、安倍さんは行動には一点の曇りもなく、すべてが、偶然の一致や周辺が忖度してやったことだったとしても、一年以上の国会の混乱という無駄な時間は、「安倍総理が李下に冠を正し」周囲の人から「すもも(李)を取ったに違いない」と思われ、「取ったように見えたかもしれないが、私は絶対に取っていない」と言い訳をするための時間だったという事になります。

そういうことが無いために、人々は「李下に冠を正さず」という諺を語り継いで来たのでしょう。

安倍総理も勿論この諺はご存じだったのでしょう。しかし、その本当の意味を理解しておられなかったのが残念です。
その結果が、「私の行動を疑う人の方がいれば、疑う人の方が卑しい人々で、私は清廉潔白、一点の曇りもない」と言い張って憚らないという事になるのでしょう。

 国民のために政治を行う頂点に立つ人が、こうした程度の認識で、本当に国民の信任を得ることが出来るのでしょうか。

 個人にも社会的責任が言われ、企業でもCSR、コンプライアンス(注)はますます重視される世の中です。他者に迷惑をかけても法には違反しないといったレベルでは社会的責任を果たしていないと問題になるまでに、現在の社会のレベルは進んできています。

 世界的にも、日本人の道徳・倫理観は評価され、災害や事故の際の整然とした行動、さらにはイベント会場などの後始末について日本人行動は称賛されるようになっています。

 にも拘らず、国家の中枢機能である政治や行政の中で、社会的責任やコンプライアンスには程遠いことが日常的に起きているといった現状が国民の前に明らかになってしましいした。

 戦後、確かに各種のスキャンダルはありました。しかし、今回のような低次元の問題で、これほどの政治的混乱が起きたとは『私の記憶する限りにおいて』ないようです。

 日本にとって、今は、国際的にも経済的にも大変重要な時期でしょう。
国民は、早期に事の真偽が明らかになり、国民のための開かれた政治が戻ってくることを熱望していると思います。
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(注)コンプライアンスは「法令順守」と訳されますが、「法律にさえ違反しなければいい」というのではなく(広義の社会的責任も含む)と理解されています。

中国は本当に変わるのか

2018年04月11日 11時00分37秒 | 国際関係
中国は本当に変わるのか
 トランプ大統領のアメリカが「アメリカ・ファースト」で自国の都合最優先、覇権国のメンツを捨てて、内向きの利害を強調して世界中を困惑させています。

 その中で、世界中が当面の問題はアメリカが中国に仕掛けた貿易戦争に対して中国が如何なる態度をとるかでしたが、当初、対米強硬路線で張り合うかと見えた中国が、突如柔軟な対応を打ち出し、嘗てのアメリカのように国際的に自由で開放された経済が望ましく、孤立主義は行き詰まるとの考え方を表明しました。

 海南島で行われているボアオ・アジアフォーラムで、昨日行われた習近平国家主席の演説ですが、アメリカの仕掛ける貿易戦争に対して、「自動車の関税を大幅に引き下げ、他の輸入関税も引き下げる」と述べ、そのほか自動車や航空機などの主要産業での外資の出資比率も引き上げ、金融セクターの開放措置も一層進め、知的財産権についても、保護を徹底していくといった内容とのことです。

 アメリカの暴投気味の剛速球を柔軟にしっかり受け止めたという感じですが、これではどちらが超大国の度量を持った態度なのかとビックリです。

 アメリカという世界トップの先進国に対し、中国は人口こそ多いですが、まだまだ一人当たり国民所得などではずっと遅れた発展途上国というのが客観的な現状ですが、これではどう見ても中国の方が「大人の風格」です。

 プーチンのロシアが、何とかしてアメリカ、ヨーロッパと対等にと焦る中で、中国は悠然として、大国の趣を持ち始め、自国だけではなく世界のために良い方向を追求しよう事なのでしょうか。

 中国は何時からそんな立派な国になったのでしょうかという疑問も、何となく禁じ得ませんが、国家的品位のレベルを下げたアメリカに対して、それを意識した行動なのか、それとも、習近平国家主席の権限確立による余裕なのか、解らない事ばかりです。

 こうした疑問は今後の中国の行動において次第に解って来るのでしょうが、日本の外交力でその辺りの疑問が解けるようであれば、素晴らしいことだと思います。

 一方で南沙諸島に見るように、領土的野心では、今回の政策とは駆け離れた行動をしている中国です。
 隣の超大国中国、有史以来長きにわたって文化的には日本の師でもあった中国、いろいろな意味で、日本としては最も関心を払わなければならない問題のようです。

円レートと日本経済の行方

2018年04月10日 13時03分10秒 | 経済
円レートと日本経済の行方
 国会の様相のひどいものです。こんな混乱がなぜ起きたのか、殆どの国民はマスコミを通じてしか判断できませんが、証拠がないと開き直る政府に対して、政府内部から、無いはずのいろいろな資料がぽろぽろと出てきます。

 国民は、そうしたものを「状況証拠」として判断することになるのですが、その結果が安倍内閣支持率という事でしょうか。
 安倍さんが頼るトランプさんも、「アメリカのお蔭で笑っていられるのはもう終りだ」などと発言し、どこまで頼りになるか解らない状態で、国民の不安は高まっています。

 中間選挙を控えて、トランプさんは、どこの国より「アメリカ・ファースト」になるのは当然でしょう。貿易政策と為替政策で、アメリカの経済を好調に維持し、株価が高水準を続けることは必要条件でしょうか。

 「ドルは強すぎる」という発言を、「中長期的には強いドルが望ましい」と言い換えたアメリカですが、円レートの動きで見れば、ドル安円高に(それとなく)固執しているように見えます。

 為替レートを完璧に操作するとはアメリカでも不可能でしょうが、「ドルは高すぎる」発言のあった2月以降、円は105~106円台で、107円にはなかなか到達しませんでした。

 ところが、今日もそうですが、このところ107円台にちょっと入ってみるような動きが時にあります。円安になると、日経平均は、ここぞとばかり上げて見せています。

 こうした動きがいかなる理由によるものか、国際投機資本に聞いてみなと解りませんが、端から見れば、新年度の日本経済が、昨年の好調を維持できるかどうかは、当面の動きで見れば、円レートが107円を超えていけるかどうかにかなり関わるような印象ではないでしょうか。
 
 日銀が異次元金融緩和を続けるというのも、当然為替レートを(重要な要素として)意識しているような気もしますが、時々107円を抜けてみる程度が続くのか、米中をはじめとした、国際経済関係の中で、より大きな変化があるのか。為替に敏感な日本経済です。

 かつての$1=¥80といった水準になることはさしあたってないでしょうが、賃金や物価では1%、2%の動きを真剣に論じる経済専門家やマスコミです。よく考えれば、為替レートの1%、2%の変化は、それと同レベルの日本経済の状態の変化に相当するものでしょう。

 為替レートは刻々変化するものですが、それをトレースしながら、中長期のトレンドを見るという意味で、この所の円レートの動きにはやはり注目の必要があるようです。

残業はダメ、副業は奨励、世の中いろいろ

2018年04月09日 09時36分15秒 | 労働
残業はダメ、副業は奨励、世の中いろいろ
 安倍内閣は、自由な働き方の一環として、副業を奨励しようとしているようです。
 自由な働き方もそうですが、副業も同様で、それが成果をもたらすようにするのは、「法律や制度ではなく」、働く本人の意識や心構えによるところが大なのです。

 おカネのためというのであれば、副業より残業の方がずっと優れています。副業なら、余程特殊技能のある人でない限り、非正規で低い賃金になりますが、残業の場合は最低でも現在の賃金の25%以上の時給になります。

 「長時間労働」といえば、残業でも副業でも同じです。残業は過労死につながるような見方になっている昨今ですが、現実には、殆どのサラリーマンは、馴れた職場で、親しい仲間と協力し合って残業をして、増えた収入で家族を喜ばせて来ているのです。

 原則残業がないヨーロッパ諸国では、副業が流行っているようです。イタリアの公務員などは、二重就業で有名でしたが、かつてドイツのコール首相が来日した時、労働時間問題で、日本のある記者が、「ドイツは労働時間が短いと言いますが、セカンド・ジョブを持つ人が多いようですが?」と質問したところ、渋い表情で「ドイツ人は勤勉だからそういう事もあるでしょう」と答えたという話を聞いたこともあります。

 副業を認める理由として、多様な経験や交流が出来る、知識も広がる、起業に繋がって可能性が広がるなど、良いことばかりが並べられているようですが、そんなことは副業をしなくても、本人が希望し、企業が、外部の研修会(Off-JT)に出せば、その同窓会なども含めて活発に出来ます。

 自分の趣味や、退職後の生活に生かすといった視点も紹介されていますが、それこそ政府に言われなくても、誰でも自分で考えていることではないでしょうか。

 残業時間短縮で、収入を補うためにといった場合は、副業に付いた先がブラック企業という事もあるでしょう。
 働き方改革推進の説明でも、マスコミの報道でも、何か日本の企業はブラック企業ばかりといった感じを受けますが、副業先は皆良い企業なのでしょうか。

 いわゆる「高度プロフェッショナル」のような優れた人たちには多分良い副業先があるでしょう。しかし「高プロ」の方々には残業時間は適用されませんし、もし副業を得れば、高度技術の漏洩などの問題が発生する可能性が気になります。

 私自身も現役の時は、結構副業をやっていました。翻訳から始まって、依頼原稿、本も書きました。講師料も入りました。
 今もこうやって、ブログを書いていますが、基本的には趣味です。労働とは思っていません。法律や制度とは無縁の世界です。

 何か今の政府のやっていることは、説明は巧いようですが、一貫性が無く、時に頓珍漢で、思い付きや外国の真似といったものの羅列のような気がしてなりません。
 いったい誰が発想しているのか、発想している本人に理由を聞いてみたい気がします。

チューリップにもいろいろ:流石バブルの元祖

2018年04月08日 10時37分44秒 | 環境



 
「この花なんでしょう」と聞くと、「クレマチス」と答えてくれる方もいます。
 クレマチスは春から秋まで咲きますからもう咲いているのもあるのでしょう。
 でもこれはレッキとしたチューリップです。 

 昨年の12月ですか、COOPのチラシに「チューリップ球根取り混ぜ100球」というのがあって、金額は忘れましたが「安いな」とおもって、少し時期が遅れましたが注文して、部屋の前の小さな花壇を全部掘り返して、3列にびっしり100球植えました。

 それが今、満開になって、ステキな目の保養です。
 上の写真は、その中で「こんなチューリップもあるのか」と思うような花です。まさにクレマチスですね。下は全景(ではないですね、トリミングしてしまいました)。

 各種「取り混ぜ」とあったように、本当にいろいろな花が咲いています。

 ところで、チューリップといえば、経済史に残る最初のバブル経済の主役だとご存知の方も多いでしょう。
 今でもチューリップといえばオランダですが、17世紀、オランダの絶頂期、チューリップの人気は絶大になり、珍しい品種では、球根一個が家が建つほどの値段になったなどといわれます。
 一時はオランダ経済を賑をわしたのかもしれませんが、矢張りバブル経済の結末は悲惨だったようです。

 その後もいろいろな国でバブルは繰り返されています、日本でも土地バブルがあり、アメリカのサブプライムローンも住宅バブルでしょう。今はビットコインなどの仮想通貨が主役でしょうか。

 連想ゲームではありませんが、そんなことを思いながら綺麗に咲いたチューリップを眺めて、今日は良い日曜日です。

経済の足を政治が引っ張る?

2018年04月07日 09時32分23秒 | 経済
経済の足を政治が引っ張る?
 昨年末辺りまでは、経済は安定成長路線に乗りそうだから、新年になれば、国民も少しは安心し、何となく気持ちにも余裕が出来て家計の財布の紐も少しは緩むのではないかなどと希望的観測をしていましたが、全く外れてしまったようです。

 1月の勤労者所帯の平均消費性向は前年比で高まりましたが、昨日発表になった2月の数字は悲惨ともいえる程の落ち込みです。
 具体的な数字を見ますと、去年1月の平均消費性向は85.2%でしたが、今年の1月は88.2%に上昇したので、これはサラリーマン家庭の財布の紐も緩むかと思われましたが、昨日発表になった2月の数字は昨年2月の74.1%から、68.8%へと異常といえるほどの下げです。

 1月の可処分所得(手取り収入)は、360,360円で、昨年1月の360,475円よりいくらか減りましたが、財布の紐は緩みました。しかし2月な可処分所得は420,059円と昨年2月の402,541円より4.3%増えましたが、消費はがっちり抑えられたようです。

 統計ですから理由の説明はありませんが、異常な消費性向の低下です。1月使い過ぎたから締めたとか2月は28日だから少ないといった事もあるかもしれません、しかし過去3年を見ても、2月で60%台はありません。家計はまた防衛的になったのでしょうか。

 毎月勤労統計も昨日発表になりました。2月分の速報ですが、規模5人以上の事業所の労働者の現金給与総額は266,468円で昨年2月比1.3%の上昇、一般労働者(正規)342,495円で昨年比1.2%増、パートは、94,380円で、0.2%増で、上昇率はなかなか改善されていません。これだけの人手不足でも、賃金にはなかなか反映してこないようです。

 この数字は勿論名目賃金ですから、去る3月23日に発表された消費者物価指数との関係を見てみましょう。
 今年2月の消費者物価指数が、昨年2月に比べて何%上がったかですが、総合物価指数で見ますと上昇率は1.5%です。

 という事は、今年2月については、実質賃金はマイナスという事になります。実は2月だけではありません、昨年10月以降では実質賃金がプラスになったのは11月だけです。
 政府・日銀は、物価上昇を早く2%にしようというのですから、実質賃金は何時になったらきちんと上がるようになるのでしょうか。

 勤労者所帯の手取り収入は2月には昨年の2月より、4.3%増えていましたが、家計調査は、所帯の収入ですから、専業主婦がパートに出たり、子供がアルバイトをしたりすれば増えます。4.3%増は、人手不足のお蔭という事のようです。

 こんな状態では、矢張り国民は、今は我慢して、老後など将来に備えることになるのでしょうか。国会では、日本経済を安定成長路線に乗せるためになどといった議論は殆ど聞かれません。
安倍さんは予算さえ通せば、それが最大の景気対策だなどと言って憚りません。

政府が国民の将来不安を募らせ、家計はますます防衛的になり、消費支出は増えず、それが日本経済の活性化を妨げる、日本経済の足を引っ張っているのは、日本経済を成長させたいはずの政治という事になりそうです。

日銀はなぜ2%インフレターゲットに固執するのか

2018年04月06日 10時12分53秒 | 経済
日銀はなぜ2%インフレターゲットに固執するのか
 日銀も新体制になって2週間ほどたちましたが、この所あちこちで値上げの動きが目立ちます。今日のニュースでも、チーズの値上げです。日銀は歓迎でしょうか?

 人手不足の影響も大きいようですが、宅配便や引っ越し業界は大変のようです。日曜日の新聞の折り込み広告でパート中心に非正規従業員の時給の動きが見えてきますが、多摩地区では時給1000円以下というのは殆どなくなって来ています、一部の単純業務のようなところで960円が残っている程度です。
  
 非正規の時給が上がるのは大いに結構ですが、そのせいで物価が上がったのでは上がった当人もあまり喜べないでしょう。

 今日はチーズですが、加工食品などでも、値上げの動きが多いようです。ご自分で買い物をされる主婦・主夫の方々は実感しておられるでしょう。
値上げはしないが、量目を少なくして、実質値上げなどという事も結構あるようです。

 春闘賃上げ率も昨年より高くなりそうで、それも結構ですが、賃上げを物価上昇が追いかけてくるようでは実質の生活は良くなりません。
 にも拘らず、日銀は、5年たってもできない2%インフレターゲットを、何としてでもやろうという事でしょうか、ウルトラ金融緩論者を副総裁に就けました。

 もともと日銀は「物価の番人」と言われ、インフレは大嫌いでした。それが円高のせいでデフレの苦しみを味わったためか、今度はインフレ容認になりました。
 デフレは困りますが、(「デフレ3悪」参照)、インフレ率も、出来れば低い方がいいに決まっています。
 アメリカが2%目標なら、日本は1%目標でいいでしょう。

 アメリカはドル安になればすぐ物価が上がる体質です。黒田日銀は日本もそうだと思ったのでしょう。円レートが80円から120円になったのだから、2%インフレなどは忽ち達成の予定だったのでしょう。

 しかし日本国民の生活態度はアメリカと違います。20年余のデフレの苦しさに耐えてきた苦労の経験もあり、カネが入っても無駄遣いせず、堅実な生活を続けます。
 いかにお金をジャブジャブにしても、借金で良い生活をしようなどとは基本的に考えないのです。

 こうした状況の中で人手不足が深刻になり賃金が上がってくると、企業はコストプッシュ状態になりますが、値上がなかなか出来ないので、 スタグフレーションになる可能性が出てきます。

 それだけではありません。アメリカは「強いドル」と言いながら、その実ドル安に固執しているようです。FFレートを引き上げても、円安にならないのが現実です。

 黒田総裁は$1=¥120で2%インフレを目指したのもしれませんが、今は105円~106円で、一時より15円幅の円高です(注)。これはデフレ要因です。生産性の向上は円高に食われてしまう(外国がその分得する)のです。
 このところ日経平均は円レートに極めて敏感で、円高になるとたちまち下げるという動きが目立ちます。 

 思惑が外れても、異次元金融緩和は意地でも続けるとなりますと、その副作用(特に 金融の機能不全:デフレ3悪の1つ)ばかりが目立つことになります。
 それでもまだ意地を張り続けるのでしょうか。これも安倍政権への忖度でしょうか。
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(注)昨日午後、円レートが107円を付けました。今日は107.1円の攻防です。
アメリカの真意(ドル安・円高)が見えるような動きですが、マーケットがアメリカの意向にどこまで忠実か、注目しています。

2018年3月期「日銀短観」:トランプ・ショックはあるか

2018年04月05日 09時42分22秒 | 経済
2018年3月期「日銀短観」:トランプ・ショックはあるか

 4月2日にこの3月時点調査の「日本銀行短期経済観測」通称「短観」が発表されました。
 このブログでも、景況感の先行きについてはずっと楽観的でしたが、3月時点の「短観」では8四半期ぶり、つまり2年ぶりの悪化という事になりました。

 悪化といっても、好況の中で多少水準の低下があった、という程度のものですが、原因は経済の自律反転などといったものではなく、好況の故の資源価格上昇によるコスト高とアメリカ発の貿易戦争の気配といった所でしょうか。

 製造業大企業の景況認識は、この3月時点のDI(良いと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を引いたもの)は24で、前回2017年12月の26から2ポイント低下しました。 非製造業大企業も25から23に低下です。
 
 製造業で大幅に下がった業種には、鉄鋼(19→10)、化学(35→26)などがあり、一方、高水準を維持しているのは機械関係です。総じて素材関連が落ち込みがひどく、加工業種は横ばいか上向きといった状態です。

そうした面から、2017年から上昇に転じた資源価格のコスト圧迫をなかなか価格に転嫁できないといった事情が言われています。

非製造業大企業でも落ち込みは25→23で、大きくはありません。
 人手不足の建設も46→43で落ち込みは軽微、不動産業は35→37と好調です。対事業所サービスも対個人サービスも数字は改善です。卸売りは多少の落ち込み、小売りは横ばいで、総じて、好況の中の足踏みといった所のようです。 

 中堅企業、中小企業の状況は、DIの数字そのものは、大企業より平均的には低いですが、製造業、非製造業ともに、殆ど落ち込みは見られず、平均数字はほぼ横ばいで推移しています。

 企業の将来活動に向けての本音とも見られます設備投資の動きについて見ますと、総じて堅調で、特にソフトウエア投資は2018年度に向けて、企業規模の大小を問わず極めて意欲的であるようです。

 現状としては、日本企業は、最近の海外環境に注意を払いつつも、日本経済の先行きには期待を持っているという所ではないでしょうか。
 世界経済は政治(国際関係)や地域紛争といった問題は孕みつつも、全般的には上向基調を保ってきており、日本経済もその中で、安定成長に乗る途上にあります。

こうした動きに水を差すのは、アメリカの仕掛ける対中、対日をはじめとした「貿易戦争」が具体的にどんなものになるかでしょう。
 トランプさんの中間選挙にかけての焦りが、世界経済を混乱に落とすかどうかです。 アメリカの良識がどこかでブレーキを掛けるだろう、という意見も強いようですが、予断を許しません。

 特に対日ではある意味で、アメリカは日本に甘えていて、何を言っても日本は黙って聞いてくれるし、国民はおとなしく我慢強いと読んでいるようです。
 という事で、また(プラザ合意、リーマンショックなどで円高がありましたが)日本に円高を強いる可能性が危惧されます。

 すでに、アメリカの金利引き上げにもかかわらず、円レートは105円~106円台で膠着状態になっています。
 今回の「短観」で製造業大企業は、円レート109円台を想定しています。今後どうなるかはアメリカの為替政策次第でしょう。この点が最大の要注意点かもしれません。

「日本らしさ」で世界に役立つことを考えましょう

2018年04月04日 10時22分29秒 | 国際関係
「日本らしさ」で世界に役立つことを考えましょう
 最近の極東情勢を見ていても、日本の影は薄いですね。経済的には恐らくいろいろと期待されているのでしょうが、それは、未だ後のことで、今は表面には出ません。
 政治的には脇役にもなれず、端役程度か、役に付けないのかといった状況です。

 理由は単純で、自主的な意見も行動もないからです。殆どトランプさん依存で、日本自体の考えはどこにも見えません。
 まさに日朝間の問題である拉致問題にしても、トランプさんに頼もうという事のようです。「私の在任中に解決します」との約束の中身は何だったのでしょう

 経済は、何かあると円が買われるほどに評価される日本が、政治的には鳴かず飛ばずの状況はあまりにも情けない感じです。
 安倍政権はトランプさん一辺倒の割には、トランプさんの方はずっとドライで、通商問題では「日本はアメリカを利用して笑っていたが、そういう日々はもう終わる」と言っています。

 安倍さんが訪米し、どんな結果になるかわかりませんが、トランプさんの発言は、アメリカ中心の天動説で、「世界の平和と安定」などという概念はトランプさんの頭にはあまりないのでしょう。覇権国、基軸通貨国の大統領にしてどうなのでしょうか。

 一方、安倍さんの頭の中には、「日本らしさを生かして、今日の極東問題に貢献するといった意識」は絶無のようです。
 今でも日本には「興亜」という名前の付いた会社は結構ありますが、かつて「亜細亜を興す」という美名のもとにアジアを戦渦に巻き込んだ日本です。

 戦時中「興亜の使命担いて起てる」という歌がありましたが、アジアが目覚め、21世紀はアジアの世紀とまで言われるようになったのは、日本が戦争をやめて、経済・社会の建設に邁進するようになってからの事です。

 日本は、戦争を放棄し、経済・社会の建設という分野で貢献して、初めてアジアのお役に立てたのです。
これを忘れて、トランプさんの驥尾に付いてみても、日本の出番はありません。

 安倍政権の方々はご存じないかもしれませんが、日本は本来「多様性(多様なDNA)の共存」、「混血の純血化」を成し遂げたて来たという過去を持ちます。
 弥生以降は武器と共に戦争という文化も輸入し、1945年まで戦争に明け暮れましたが、戦争を放棄して、本来の日本に還り、アジアや世界のお役に立てる国になれたのです。

 一方、文化面では、戦争に明け暮れた時代の中でも、神道、仏教、さらにはキリスト教も習合の対象とし、多様な宗教が平和に習合・共存する文化を創り出してきています。

 さらに付け加えれば、自然との共存でも、国土の7割の森林を残し、 里山という文化を創り、山(森林)を育てれば海も育つという知恵を生み出してきているのです。

 「多様性の共存」、「自然の保護」、これらは今、世界が最も必要としているものではないでしょうか。
 トランプのアメリカにくっつくのではなく、「日本らしさ」で世界に貢献するような考え方を今の政権に持ってほしいと、つくづく思う所です。

定年再雇用の賃金の考え方(続き)

2018年04月03日 10時05分40秒 | 労働
定年再雇用の賃金の考え方(続き)
  前回、日本の正規雇用従業員に対する賃金は定年時で清算がされているという制度になっているという歴史的経緯について見ました。

 もともと、定年年齢は55歳でしたから、それが60歳に伸びたときから、賃金制度の改定は忙しくなりました。

 当時の賃金制度のもとでは55歳時点の賃金が生涯賃金の中で最も高いわけで、前回述べましたように、その水準は、その時点での会社への貢献に比し割高になっています。定年が60歳に伸び、伸びた5年間、その割高の賃金を払えば、生涯貢献と生涯賃金のバランスが崩れますので、60歳でバランスが取れるように賃金の上昇カーブを寝かせる必要があります。
 
 賃金構造基本調査の標準者(新卒採用で定年まで勤務)の賃金カーブの傾斜の経年変化を示したグラフなどはよく当時見られましたが、年功色は随分薄められ、賃金カーブは寝てくることになりました。

 退職金の勤続年数による伸び方も、昔の幾何級数的なものから職能資格に応じたポイント制などで、60歳定年に見合ったものになりました。
 定年55歳の時期にも、定年再雇用の制度はあって、55歳以降、①賃金を年々下げる、②一律に下げ、後はフラット、③一率下げ、後は多少の定昇、などの選択肢を示して労使交渉などというのもありました。

 結局は「②下げてフラット」が一般的のようでしたが、それが今60~65歳の定年再雇用で踏襲されているのです。
 勿論高齢者には個人差もありますが、そこで個人別に減額幅を査定するとなると、これは企業内の人間関係に影響しますから、「一律何%カット」という方式が一般的になります。減額すること自体は日本の正社員の労使関係の中では納得されています。

 そこで、何%カットが合理的かという問題です。(通常勤務を前提にします)
 問題になっている「賃金は減額すべきでない」も「4分の1に下げる」も、以上のような経緯から見れば妥当性を欠くでしょう。何時も指摘しますように「真理は中間にあり」なのです。

 下限を考えれば、定年退職者は経験豊富ですから初任給より高いのは当然でしょう。長期不況のさなか、新卒採用をストップし、定年者を「初任給+α」で再雇用して、その方がずっと効率的と言っていた経営者もいました。

 理論的に言えば、職務遂行能力が維持されている限り、生涯賃金の平均値、あるいは現行の初任給と60歳時点賃金の中間値あたりが最低限度で、それに習熟度を勘案するのが適切という指摘もあります。

  正式な統計調査はないようですが、こうした観点から、常識的な減額幅は3割から5割といった数字が多いようです。(管理職を降りれば手当分は減るでしょう)
 通常、定年後は、1年ごとの契約更新です、勤務態様が変われば、当然差は出ます。

 結局は60歳までは清算されているという前提で、「定年退職者の職務遂行能力と勤務体制を勘案」、あるいは、「この能力の人を中途採用したら」といった視点も参考に、労使でよく話し合い、双方が納得するところで労使協定にするというのが合理的な決め方の基本でしょう。

定年再雇用の賃金の考え方

2018年04月02日 11時04分42秒 | 労働
定年再雇用の賃金の考え方
 北九州のある企業で、定年再雇用の際に賃金が75%減額され定年時の25%になったので減額が大きすぎるのではないかという事でしょうか、定年再雇用で賃金4分の1が妥当かどうかが最高裁まで争われ、会社に慰謝料の支払いを命じた判決が確定したとの事です。

 さきに、広島の企業でも定年再雇用で賃金が下がるのは同一労働同一賃金の原則に違反するという訴訟が起き、一審では勝ち、二審では負けましたが、控訴しているという事です。

 定年を境に同じ仕事をしていても、賃金が下がるというのは、確かに同一労働同一賃金の原則から言えば、おかしいでしょう。しかし、日本のほとんど会社では、定年再雇用で賃金は下がるという形になっていて(就業規則、賃金協定など)、それが常識として通用しています。

 物事は全体を見ないと判断を間違えます。一部分だけを見ておかしくても、全体を見れば適切という事はどこにでもあります。
 という事で、この問題は、なぜ定年再雇用といった問題が起きて来たかという歴史的な経緯から賃金システムの全体を見、その上で判断しないと見当違いになるのでしょう。

 日本の定年制は、かつては一般的に55歳でした。かつては平均寿命も短く、老化も早く、隠居などという慣習もありました。
 しかし平均寿命が延び、老後が長くなり、もともと働き好きの日本人です、もっと長く働きたいと思う人も増えました。

 そして、決定的なのは年金支給年齢が60歳、更に65歳になったこと、そして企業には65歳までの雇用が義務付けられるという、社会の変化に適応した制度改正が行われたことでしょう。

 もともと日本の賃金制度は年功的ですから、若い時は働きより低い賃金、定年間近では働きより高い賃金というシステムになっていて、定年時の55歳で丁度バランスが取れるという形でした。つまり生涯賃金が生涯の働きに見合うという形です。

 ですから、定年が伸び、再雇用期間が加わると、賃金体系をどう再設計するかは極めて大きな問題になりました。
 特に大手企業や金融機関などの、年功色が強かったところでは、旧定年時の賃金を払い続けたら大変ですから、賃金体系の変更には、労使ともに苦労してきています。

 その結果、先ずは年功色をいかに弱めるかが課題になり、そして、定年後再雇用の賃金をどうするかがもう一つの問題で、今それが一部でトラブルになっているという事です。
 
 これがこれまでの経緯ですが、つまり、基本的には、(勿論それぞれの企業の賃金制度が適用になる正社員の場合ですが)定年までの期間で、会社への貢献と賃金総額とは見合ったものになっていて、退職金も含めて清算されている。というのが各企業の賃金制度の前提です。

 さて、清算が終わった後の賃金水準はどうしたらいいか、というのが、定年後再雇用の賃金水準を決めるときの問題です。次回その点を中心に見ていってみましょう。

2017年度下半期のテーマ

2018年04月01日 21時57分35秒 | お知らせ
2017年度下半期のテーマ
2018年3月
現実知らずの思い込み、働き方改革   絶対多数の怖さ、国家予算も、働き方改革も   北朝鮮問題、解決本格化か   公示地価上昇、一部にバブルも?   アメリカの本音は? ダウ平均急騰   国会の議論の矮小化の責任は誰に?   「信」の大切さ:憲法第9条   諺から現実を見れば   歴史が変わるか、決着はいずれに?   まさに「早春賦」を思い出させる空模様   政治家と官僚:望ましい関係とは?   不安定化する国際政治・経済情勢の行方は?   多様な技術革新の時代、広がる日本人の得意技   春たけなわ、リュウキンカ1週間後   強いられる円高に要注意   春闘結果と消費者物価の関係   2018春闘集中回答を見て   権力集中の行方は多様   民主主義の根本が揺らいでいます   2%インフレ目標と円レートの関係   リュウキンカ(立金花)咲く   2018年1月の平均消費性向上昇   経済の推移はやはり投資中心の動き   経営者がやらなければならない事では?   南北会談の進展に期待する   トランプ政権に出来る事・出来ない事   高プロ問題:なぜ政府は固執するのか?   アメリカにトランプ抑止力はないのか   アメリカは狂ってしまったのか?   裁量労働:「無理」が通らなくてよかったですね

2018年2月
メガバンク2社、ベア要求見送り   統計調査の重要性の再認識を   OJTのすすめ:育て合う人間関係   消費活性化のカギは何でしょう   働き方改革で抜け落ちているもの   政府はこれからの円レートをどう見ているのか   「争いの文化」と「競いの文化」その後   銀行預金に金利が付いたら(日曜日のオアソビ)   2017/10-12月期GDP速報   非正規労働はなくせるか   仮想通貨のつかいみち   経常黒字拡大を喜ぶべきか?   2017年、毎月勤労統計と消費者物価指数から見えること   株価までアメリカに全面追随とは   企業の人材育成観は変わったのか?   ダウ平均急落666ドルは前車の轍?   平成という時代:$1=¥75と日本経済   平成という時代:「いざなぎ越え」と「グリーンスパン・マジック」

2018年1月
田中角栄語録から:戦争体験の無い政治家たちの危うさ   年末商戦、消費への影響は?   不思議な国の同一労働同一賃金   財政のプライマリーバランス達成と2%インフレ目標   2018春闘:冷静な労使の対応   微妙に変化する?アメリカのドル政策   度が過ぎる総理の春闘介入   2018年度政府経済見通し(閣議決定版)を見る   人間と資本:資本蓄積の行き先   人間と資本:おカネに振り回されない人・社会   人間と資本:資本蓄積の光と影   人間と資本の関係:人間と資本蓄積の効用   人間と資本の関係:人間の分け前、資本の分け前   人間と資本の関係:中心はどちら    活発化する武器輸出:その背景と帰結?   アメリカの利上げ方針は不変、この所何故か円高ですね?   元総理2人の「脱原発法案」提起に思う   先端技術と人間   IMFも強気、世界経済の動き   世紀の天才か!トランプ大統領   TPP・11:日本の取るべきスタンス   平成という時代:アメリカとの関係で見れば 3   平成という時代:アメリカとの関係で見れば2   平成という時代:アメリカ経済との関係で見れば 1   先走る?株式市況   変わらない?トランプ大統領   経団連会長3%賃上げを呼びかけ   明けましてお芽出とう御座います

2017年12月
2017年、「少し良い年だった」でしょうか   今年から変わったGDPの計算基準   人口論議と合計特殊出生率   経済は少し暖かく、政治は寒々の年の暮れ   輸入物価、企業物価、消費者物価の関係   消費支出に動意?これからに注目を!   平成30年度の政府経済見通しを見る   2018年度予算案:国債依存度は微減   国民の冷静な行動に支えられて   2018春闘、奇妙な展開になりそうですが?   なぜ物価は上がらないのか:4 特に日本ではあまり上がらないのでは   なぜ物価は上がらないのか:3 ゼロ金利でも物価安定   なぜ物価は上がらないのか:2 機能しない貨幣数量説   なぜ物価は上がらないのか:1   今、好況の中で企業にしてほしいこと   イエレンFRB議長、大任を果たして交代   2017年12月の日銀短観:現状好調、先行きも基本は強気   社長アンケート(日経産業新聞)結果から   「付加価値と利益」再論   イージス・アショア1基1000億円   問われるアメリカの良識、そして日本も   11月(南関東)の街角景気からの希望的な予感   活発な意見開陳を期待:経済界、労働界   金属労協議長、脱官製春闘を主張   世界を困らせる(?)トランプさん   国連事務次長北朝鮮へ   労使関係の現場力の強化が必要では   平成という時代、再論の初めに   忍び寄るバブルの影?

2017年11月
政権と中央銀行:日本、アメリカ   デフレの亡霊にサヨナラをしたいのですが!   マネー経済と勤労感謝:マネーにならない勤労にも感謝を   動くか金融政策   技能実習制度を生かすには    勤労感謝の日、今日は何をする日?   消費税の利点・欠点   直接税と間接税(前回の続き)   付加価値と税金   減税で賃上げや設備投資ご褒美?   現在と将来の両立   格差社会化を防ぐ所得税改革を   決算好調、株価下落、アベノミクス   金融機関の整理統合と人員削減   2017上期決算好調、企業は?   今年もメジロの巣を発見   ソフトパワーでの解決に期待   拡大する経常収支黒字の活用を!   政権の成長率論争の不毛   トランプ大統領は「日米貿易不均衡」を言いますが   トランプ大統領アジア歴訪の意味   文化の日に:「争いの文化」と「競いの文化」   労働時間短縮、浮いた残業代の行く方は?   消費性向は回復するか

2017年10月
地球柑(しまだいだい)   企業に3000億円要請:子育て、教育無償化で   消費者物価は安定状態、家計には朗報   2018春闘も政府主導?   一国のリーダーの選び方   これからの経済政策、本当に必要なことは   国民の選択は当面現状維持に?   長時間労働是正に必要なこと2つ   18年春闘、連合はベア2%要求へ   「子育て・教育」は異口同音の選挙戦   日本の財政立て直しは誰がやるのか   アメリカと中国、世紀のすれ違いと今後   アメリカの良識に期待する   9月の企業物価指数(速報)昨年9月比3.0%上昇   日経平均20年10か月ぶりの高値、好況持続に期待   いよいよ体制整う「みちびき」4機体制   日産自動車の完成車検査問題は悲劇か喜劇か   刀狩り、銃規制、核兵器管理   戦争と「リベラル」の関係は?   「リベラルでない」という事は   「リベラル」の意味を考えてみましょう   2017年度上半期のテーマ(逆順)   政治は混迷、経済は堅調   益々解りにくくなる選挙戦ですが