tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

領土を拡大すれば強い国になれるのか?

2018年04月15日 11時51分51秒 | 国際関係
領土を拡大すれば強い国になれるのか?
 今日は日曜日です。朝はかなり強い雨が降っていましたが、9時過ぎから上がってだんだん晴れて、良い日和になってきました。

9時からの日曜討論では「公文書問題」で与野党の言論戦をやっていましたが、折角の好天の日曜日です、もう少しいい事を想像(空想)してみたいような気がします。

 このブログでも、ときに関連して取り上げていますが、未だに版図の拡大に熱心な国があります。ロシアのクリミヤ併合などは、いわばその典型ですが、日本の北方領土でも、ロシアは徹底して領有権を主張しています。

 日本にもそんな考えを持つ人がいて、尖閣問題が表面化するきっかけになりました。相手の中国も領土の拡大には熱心な国で、南沙諸島の埋め立て、軍事施設まで作って、領有権を主張しています。

 資源確保と地政学的優位と国としてのメンツなどが混合して、領土拡大が有利との判断になっているのでしょうが、なが~い目で見て、本当にそうなのでしょうか。

 歴史を見ますとローマ帝国でも、ジンギスカンの元でも、領土を広げ過ぎてついには持たず、滅亡しています。
 日本の場合を見ると、石油資源や植民目的で、アジアに進出した結果は無残なものでした。トラブルの多発、そして戦争、結局「富国の夢」は叶いませんでした。

 日本にも先見性、洞察力に優れた人いて、石橋湛山は、戦前既に「 満州や、朝鮮半島、台湾などは手放した方が日本は発展できる」と明言しています。
 そしてその通り、日本は北海道、本州、四国、九州4島になって、世界も驚く経済発展をしたのです。

 考えてみれば、ロシアは北方領土では日本の経済協力が無ければ、コストばかりかかって持ちきれないでしょう。中国も南沙諸島に掛ける膨大なコストは、まだ貧しい13億の国民の負担で、全くの持ち出しです。

 「有事の際に役に立つ」と考えているのでしょうが、有事が無ければ、全くの無駄です。
資源があるとしても、中東の石油資源国が今、資源があるだけでは先が無いと多様な産業の発展を目指していることを見れば、先行きは見えています。

 戦後の日本のように、しっかり働けば、資源は買えるのです。資源国は資源を売らなければなり立たないからです。
 農畜作物や魚介類でも、自国で確保するより、買った方が安いといったケースはいくらでもあります。自給率が問題になるのは有事が前提になるからです。

 世の中が平和になって、「争いから協力」に人々の心が変わっていけば( 「争いの文化と競いの文化」参照)、今は大事のように思われている領土の拡大といったことが、如何に不経済で、国民に余計な負担を強いるものか明らかになってきます。

 そんな時代が早く来ればいいなと思いながら、そして日本はそれで成功して来たんだと考えながら、将来のそんな世界を空想してみるのはどうでしょうか。