tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

拉致問題はアメリカ・マターではないでしょう

2018年04月18日 11時01分32秒 | 国際関係
拉致問題はアメリカ・マターではないでしょう
 日米首脳会談が行われました。最重要の議題は北朝鮮問題、北朝鮮の核とミサイルの問題でしょう。これがアメリカとして、また世界にとっても、5月か6月に行われる米朝会談で望ましい方向に進むことが期待されるところです。

 報道によれば、安倍総理はこの史上初の米朝会談で、核、ミサイル問題、それに日本にとって重要な問題である拉致問題解決への歴史的なものになることを期待していると述べ、トランプ大統領からは、北朝鮮の問題は何十年の前に解決されているべき問題だった。(解決へ向かって)巧く行くことを願っている。拉致問題も提起すると述べたそうです。

 日米通商問題についても話し合われ、この問題ではトランプさんはかなり強硬のようで、「日本はアメリカから軍の装備品と沢山買っている、日本はアメリカに沢山の自動車を売っている、しかし貿易については話し合わなければならないことは沢山ある」と発言したとのことで、安倍総理も「それは理解している」と応じたようです。

 今回の米朝会談は、ある意味では歴史を動かすような重要な会談です。核拡散に歯止めをかけるための試金石となる会談でしょうから、世界がその行方を見守っているというのが現実ではないでしょうか。

 トランプさんは「成功しなければ更に強力な態度をとる」とのことですが、北朝鮮次第とはいえ、トランプさんの剛腕を期待する人は多でしょう。

 その意味で今回の会合について、当初から一点違和感を持っていた人は少なくないようです。それは安倍総理がこの歴史的な米朝会談に拉致問題を持ち込んだことです。

 安倍総理にしてみれば、かつて「私の在任中に拉致問題を解決する」といった経緯もありますから、この際何とかトランプさんに頼みたいと思うのは解らないでもないですが、これは、どう考えても少し筋が違うようです。

 報道ではトランプさんは、快く引き受けてくれたとのことですが、次元の違う問題をどう持ち出してくれるのでしょうか。
 トランプさんも、頼まれれば嫌とは言わないという一種義理堅いところもあるのかもしれませんが、もしかしたら、対日通商問題で貸しを作るという計算かもしれません。

 いずれにしても、拉致問題は日朝問題ですから、本来はかつての様に日本政府が行動すべきで、この歴史的に重要な米朝会談を利用してアメリカに頼むというのは、日本という国のあるべき姿、とるべき行動として、本当に適切だったのか、(拉致被害者のご家族の方々には申し訳ありません)よく考えてみなければならない様な気がします。