tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカの利上げ方針は不変、この所何故か円高ですね?

2018年01月14日 12時54分31秒 | 経済
アメリカの利上げ方針は不変、この所何故か円高ですね?
 リーマンショックの元凶アメリカが、世界に先駆けて景気回復し、FRBは着実に金融の量的緩和、そして金利の引き上げという目標に向かって進んできています。

 為替、金融市場では、こうした動きは当然ドル高につながるはずと見て、例えば日本ですと、円レートは130円ぐらいになるだろうといった解説がされたりしています。

 アメリカは雇用も堅調、2%インフレ目標も視野に入り、残っている問題は経常収支の赤字がなかなか思うようには改善しないことでしょうか。
 それでも、ダウ平均は、連日のうに史上最高を更新しています。アメリカ経済の基調は強いという認識は広がりつつあるようです。

 さらにトランプさんは、アメリカの経常赤字は、アメリカ国民が悪いのではない、大統領がきちんとしなかったからだと言って、「アメリカは優れた武器を沢山持っていますからどうぞ買ってください」と武器セールスを積極的に展開しています。

 毎年の経常赤字が消えるほど武器が売れるかどうか解りませんが、それにしても良く解らないのは、こうした情勢を受けてドル高にならないという現実です。
 やはりアメリカの通貨当局は、ドル高にならないように細心の注意を払いつつ金融政策を展開しているのでしょうか。

 基軸通貨国、世界一の経済大国だからこそ可能という事もあるでしょう。一方、日本の実情を見ますと、2%インフレ目標を堅持する、その達成までは異次元金融緩和を変えるつもりはないと言いながら、量的緩和はかなり縮小しているようです、国際環境の中で、長期金利も上昇の気配があるようです。

 もともと異次元金融緩和は、アメリカの真似をして、円安目的で導入したものと思っていますが、マイナス金利導入あたりからその劇的効果は消えてきているようです。
 異次元緩和の副作用が指摘される中で、同じ発言の繰り返しではなく、国としての為替戦略にも新しい発想が要請されているのではないでしょうか。

 日本の経常黒字は増えていく様相です。それにつれて、対外債権も増えていくでしょう。その多くはドル建てでしょうから、円高・ドル安で目減りします。勿論円高の苦労は日本人は良く知っています。

 アメリカが金融正常化を進めても、ドル高がアメリカの基本方針だと言っても、現実にドルは上がっていません。
 早期に金融正常化に手を付け、副作用の深刻化を避けるためにも、日本は日本なりの、新しい戦略を考える必要があるのではないでしょうか。
 アメリカが利上げ継続を主張し、実行しているうちがチャンスなのでは・・・。