tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

IMFも強気、世界経済の動き

2018年01月10日 23時40分35秒 | 国際経済
IMFも強気、世界経済の動き
 政治の混乱、絶えない紛争などを抱えながら、世界経済は何とか前進を続けているようです。
 世界経済の見通しについては、IMF(国際通貨基金)、OECD(経済協力開発機構)などが発表していますが、総じて、今年、来年はと順調な成長を続けると予想しているようです。

 具体的に見てみますとIMFの世界経済の成長見通しは、2017年が3.5%、2018年が3.6%、2019年が3.7%となっています。
 OECDのエコノミック・アウトルックでは、2017年が3.6%、2018年が3.7%、2019年が3.6%と、いずれも、いわば高原状態です。数字は全て、実質成長率です。

 勿論手放しで好調を予測しているわけではなく、米国経済の先行きが必ずしも安定的でないとか、中国経済は金融面の脆弱性を持っているといった超大国の主要な問題点から、例えば、日本については国債残高の累増など、種々の面は指摘しつつも、相対的には順調な成長ペースを維持可能と見ているようです。

 矢張り、基本的には、リーマンショックで世界経済が金融恐慌に直面してからほぼ10年を経過し、ショックにより歪みのもたらす諸問題を、それぞれに苦労して解決しながら、一応の整理と復興を目指し、漸く安定的な経済路線に到達できたという所がベースにはあるのではないでしょうか。

 主要なところを国別に見ますと、IMFでは米国、2017-19の3年間が2.2%、2.3%、1.9%、ユーロ圏は、2.1%、1.9%、1.7%、とやや低め、中国は、6.8%、6.5%、6.3%、インド、は、6.7%、7.4%、7.8%、などで、新興大国の中国とインドが逆方向というのも興味あるところです。

 因みに、日本は、1.5%、0.7%、0.8%、となっており、2018年度の政府見通し1.8%よりだいぶ低く(0.7%ただし暦年))なっていますが、これは、日本が人口減少などで元気が出ないと読んでいるとのことです(それでも日本について2018年度0.1%の上方修正をしています)。
 OECDの日本についての見通しは少し高く上記の3年間については、1.5%、1.2%、1.0%、となっています。先進国についてはOECDの見通しの方が多少高目に出ています。

  IMFについては、日本の実体についての理解が多少足りないような気が時々していますが、いずれにしても、主要な国際機関が、世界経済について、こうした比較的楽観的な見方をしているという事は、日本にとっても環境条件は良くなる可能性が高いという事です。日本経済にとっても追い風でしょう。

 新しい年、新しい年度には一つ、国際機関の鼻を明かすような実績を上げていきたいという所ではないでしょうか。