成年後見関係事件の概況
http://www.courts.go.jp/about/siryo/kouken/index.html
平成29年度(1月~12月)の概況が公表されている。
1 申立件数について
○ 成年後見関係事件(後見開始,保佐開始,補助開始及び任意後見監督人 選任事件)の申立件数は合計で35,737件(前年は34,249件)であり,対前年比約4.3%の増加となっている。
○ 後見開始の審判の申立件数は27,798件(前年は26,836件)であり,対前年比約3.6%の増加となっている。
○ 保佐開始の審判の申立件数は 5,758件(前年は5,325件)であり,対前年比約8.1%の増加となっている。
○ 補助開始の審判の申立件数は 1,377件(前年は1,297件)であり,対前年比約6.2%の増加となっている。
○ 任意後見監督人選任の審判の申立件数は804件(前年は791件)であり,対前年比約1.6%の増加となっている。
3 審理期間について
成年後見関係事件の終局事件合計35,417件のうち,2か月以内に終局したものが全体の約78.9%(前年は約77.4%),4か月以内に終局したものが全体の約95.2%(前年は約94.7%)である。
4 申立人と本人との関係について
○ 申立人については,本人の子が最も多く全体の約27.2%を占め,次いで市区町村長(約19.8%),本人(約14.2%)の順となっている。
○ 市区町村長が申し立てたものは7,037件で,前年の6,469件(前年全体の約18.8%)に比べ,対前年比約8.8%の増加となっている。
5 本人の男女別・年齢別割合について
○ 本人の男女別割合は,男性が約41.4%,女性が約58.6%である。
○ 男性では,80歳以上が最も多く全体の約34.6%を占め,次いで70歳代の約24.4%となっている。
○ 女性では,80歳以上が最も多く全体の約63.9%を占め,次いで70歳代の約17.5%となっている。
○ 本人が65歳以上の者は,男性では男性全体の約70.0%を,女性では女性全体の約86.3%を占めている。
6 申立ての動機について
主な申立ての動機としては,預貯金等の管理・解約が最も多く,次いで,身上監護となっている。
8 成年後見人等と本人との関係について
○ 成年後見人等(成年後見人,保佐人及び補助人)と本人との関係をみると,配偶者,親,子,兄弟姉妹及びその他親族が成年後見人等に選任されたものが全体の約26.2%(前年は約28.1%)となっている。
○ 親族以外の第三者が成年後見人等に選任されたものは,全体の約73.8%(前年は約71.9%)であり,親族が成年後見人等に選任されたものを上回っている。その内訳は,弁護士が7,967件(前年は8,050件)で対前年比約1.0%の減少,司法書士が9,982件(前年は9,415件)で対前年比約6.0%の増加,社会福祉士が4,412件(前年は3,995件)で対前年比約10.4%の増加,市民後見人が289件(前年は264件)で対前年比約9.5%の増加となっている。
9 成年後見制度の利用者数について
○ 平成29年12月末日時点における,成年後見制度(成年後見・保佐・補助・任意後見)の利用者数は合計で210,290人(前年は203,551人)であり,対前年比約3.3%の増加となっている。
○ 成年後見の利用者数は165,211人(前年は161,307人)であり,対前年比約2.4%の増加となっている。
○ 保佐の利用者数は32,970人(前年は30,549人)であり,対前年比約7.9%の増加となっている。
○ 補助の利用者数は9,593人(前年は9,234人)であり,対前年比約3.9%の増加となっている。
○ 任意後見の利用者数は2,516人(前年は2,461人)であり,対前年比約2.2%の増加となっている。
cf.
平成26年11月3日付け「平成25年度成年後見関係事件の概況」