Altered Notes

Something New.

ベルベットサウンド

2014-09-01 17:44:38 | 音楽
トロンボーンのカーティス・フラーの名盤と言えば1959年の「ブルース・エット」(Blues ette)であり、中でも
'Five Spot After Dark'(ファイブスポット・アフター・ダーク)
(12小節のマイナー・ブルース形式の曲)
が有名であるが、このセッションの最大の魅力は2ホーンが醸し出す柔らかいベルベットの感触を思わせるようなサウンドである。

その2管とはカーティス・フラーのトロンボーンとベニー・ゴルソンのテナーサックスである。
そもそも金管と木管であり全く異なる楽器なのだが、この二人のサウンド・テイストは驚くほど近似しており、その近似点を表すキーワードがベルベットサウンドだ。

サクソフォンという楽器はその音色にとりわけ演奏者の個性が出やすい楽器であり、名プレイヤーの演奏なら最初の1音だけで判別できる可能性が非常に高い。
ベニー・ゴルソンのテナーもまたしかりで、彼にしか出せないベルベットサウンドのテイストは驚くほどトロンボーンのそれに近いものがあり、フラーのトロンボーンサウンドと驚くほどの親和性が見受けられる。そしてこれがブルース・エット セッションの最大の味であり魅力となっている。

当該セッションのメンバーはフロントの二人の他にピアノのトミー・フラナガン(コルトレーンのジャイアント・ステップスセッションでも演奏、またエラ・フィッツジェラルドの伴奏者としても有名だった)、ベースのジミー・ギャリソン(後のコルトレーンバンドを支える名ベーシスト)、それにドラムのアル・ヘアウッドとなっている。

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