一般的に広く見られる傾向として芸術・クリエイター方面の人間は左翼的な思想を持つ事が多く、これは洋の東西を問わない。アメリカでもハリウッド等の映画業界や音楽業界も多くは左翼的な思想を持つ人が多いことは周知の事実である。日本でも同様で、クリエイターを気取る人間は左翼的な価値観を持たないと生きていけない空気を感じるほど、である。
左翼的な思想や価値観は一種の理想論である場合が多い。ドリーマー(夢見る人)が抱く理想の世界をなんとなくイメージさせてくれるのが左翼的な思想かもしれない。筆者も昔は左翼的な考え方を持っていたのでその気持ちはよく判る。だが、国内政治や国際政治の真の実態、その知識・情報を知るようになってリアリストになると、左翼的な夢見る理想論ではどうにもならない事が自明の理として理解されるようになる。左翼的な価値観が実は本当の実態に際して全くそぐわない事が理解できてくるのだ。「そういうものではない」ということが判ってしまうのだ。逆に言えば、左翼的立場の人は実は”真に意味のある情報を持っていない人々”ということになる。無知であり、無知故の左翼思想への傾斜、ということなのである。
難しいのはこうした発見は人間一人一人が自らされるべきものであり、他人から押し付けられたり教えられたりするものではない、ということである。発見する為にはそのきっかけとなる情報や知識が必要である。それに触れる機会を持つか否かはもはや「縁」という言葉でしか表しようがないだろう。自ら真実を探求したい意志を持つ人ならいつか訪れるであろうし、そうでない人なら一生訪れる事は無いであろう。
さて、作家の筒井康隆氏である。
紹介するまでもない日本文学界の大巨匠であり、その存在はSFの世界だけにとどまらず、文学界の至宝と呼ぶに相応しい才能の持ち主であることは誰もが認めるところであろう。筆者もほぼリアルタイムで筒井氏の作品を追ってきた一人であり、大好きな作家の筆頭格である。
だが、その筒井氏もまたクリエイターにありがちな左翼的立場を当然のように取っている一人である。例えばそれを表す氏のツイッターを下記に引用する。
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筒井康隆@TsutsuiYasutaka·8月28日
しゅしょう【首相】
隠すことが多く、語彙が乏しくなり、同じことしか言えなくなる役職。
じにん【辞任】
あとは野となれ。
筒井康隆 「現代語裏辞典」より
午後2:50 · 2020年8月28日·Twitter Web App
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この日、2020年8月28日は安倍総理大臣の退陣表明があった日であり、このツイートは明らかに筒井氏の安倍政権に対する態度を内包するものであることは間違いないだろう。
このツイート内容は10年前に出版された単行本に収められた内容の一部ではあるが、筒井氏はわざわざこの8月28日の安倍総理退陣表明があったタイミングでこれを出してきているのだ。筒井氏の左翼的立場を表す発信として捉えても間違いないであろう。
筒井氏は過去にも「乱調文学大辞典」やアンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」を筒井流に紹介した「筒井版 悪魔の辞典」、また、今回の事例に関わる「現代語裏辞典」といった辞典形式の作品を出しており、これもまた彼の表現形式の一つとして知られるところである。
ごく一般的な意味でなら上記のツイート内容も判らないではない。しかし、この説明文章を受け取るにはいささか時代錯誤な印象もある。なぜなら、この文章によって筒井康隆氏は現代政治が置かれている状況や国際政治の中での日本といった今を生きる人間にとって必須の知識・情報を「ご存知ない」事が如実に判るからだ。
恐らく筒井康隆氏は政治も含めた世の中の動きを新聞とテレビでしか得ていないのだと思われる。新聞もテレビも全て左傾化しているのは周知の事実であり、日本のマスメディアにおいては記事の捏造・偏向・報道しない自由・左翼プロパガンダはもはや当たり前の慣習となっている。つまり新聞・テレビは事実上、左翼活動家用の機関紙と同じ実体を呈している。そこからしか情報を得ていないと筒井康隆氏のようなみっともない姿をさらしてしまうことになる。こういう人を「情報弱者」略して「情弱」と言う。
筒井氏がこの皮肉なツイートを8月28日の安倍退陣表明直後というタイミングに発信したということは、筒井氏が明らかに安倍政権への否定的感情を持っている事を表しているのは明らかである。
しかも、この文面ではパロディやブラックユーモアとしての価値すら既に失われている事に筒井康隆氏自身が気づいていない、という残念な実情が見える。本当に残念である。筒井康隆氏の時計は1970年代前半で止まってしまっているのかもしれない。当時の社会ならこの内容でも読者にアピールするものはあっただろうが、今もまだそれが通用すると思っている筒井氏は上述した現代の国内外の政治状況についての真の情報・知識を持っていないのであり、従って今の政治を評価する資格すら無い事に気づいていないのである。本来的な意味で遺憾に思う。
「政治は政策である」
突き詰めれば左翼か右翼かなどどうでもいいのだ。もっと言うなら「はじめに安倍ありき」でもないのだ。安倍総理だから全て善だと言うのは間違いであり、全て悪だというのもまた間違いである。政策を見て是々非々で評価するのが最も妥当な姿勢であることは間違いない。
安倍政権では様々な政策が施行されている。安倍政治では真っ先に名前が出てくるアベノミクスは実態を知らない人が知ったかぶりで批判・否定していたりするが、その前の民主党政権でボロボロになってしまった日本経済を立て直したのは厳然たる事実である。これはかなり思い切った政策群であり、安倍総理でないとできなかった事の一つでもあろう。(*1)
勿論、経済面では二度の消費税増税は日本経済にとって明らかにマイナスだった。あれで日本経済は冷え込む結果となり、二度目の増税時にはその直後に来た武漢コロナウィルス感染拡大に依る緊急事態宣言が重なって余計に酷い状況になった。だが、ここで重要なのは「消費税増税を安倍総理がやりたくて独断で遂行したのではない」という事実だ。
単純に考えて増税で誰が得するかと言えば財務省である。財務省官僚というのは自分達が好き勝手に使える金を増やすためにスキあらば課税・増税してやろうと虎視眈々と狙っている屑な連中である。この財務省からの増税圧力は本当に凄まじいのである。首相官邸内にも財務省プロパーな役人は少なくない。こうした連中が束になってかかってくるのだ。しかも二階幹事長のような財務省べったりな政治家も居る。
ちなみに、増税の言い訳として財務省が必ず出してくるのが「財政危機」である。「日本の借金が大変」だから「増税やむなし」という空気を作ることに一生懸命な財務省だ。マスメディアも巻き込んで(抱き込んで)そういう空気の醸成に余念がないのは周知の事実である。筒井氏のような情弱老人ならこの説にコロッと騙されるのだろう。しかしこれは完全に嘘であり、実態は全く逆である。日本の借金が大きなスケールになっているのは事実だが、その一方で日本が持っている資産もほぼ同額あるのだ。だから差し引きゼロ。問題無いのである。その証拠にIMF(国際通貨基金)も「日本の財政は大丈夫」と太鼓判を押している。
よくある誤解の一つに「日本の総理大臣はともすれば独裁国家の権力者のように自分勝手ができる」という思い込みがある。これも実情・実態を知らない左翼的立場の人が言いそうな”あるある”である。
実際には全く違う。
霞が関の官僚達からの圧力、官邸内の各勢力からの圧力、与党政治家からの圧力、それだけでなく野党政治家からもギャーギャー言われて攻撃される中で政策を遂行するのは思いのほか大変なことである。
日本の総理大臣というのは世界各国のトップの中でも最も力が弱いトップだと言われている。その通りであろう。総理大臣が何かを推し進めようと思っても関係各方面に説明し納得させなくては何もできないのである。しかも首相官邸内にすら敵はいっぱい居るのだ。左翼的立場の人がよく言う「安倍は独裁者」という印象操作は完全に間違っており、それは無知故の思い込みか、またはそういう印象操作を目論む確信犯なのである。
財務省は官僚達が自分達の欲望を推進しやすい仕組みを既に官界・政界・財界等にくまなく広げている。安倍政治に常に批判的で否定しかしないマスメディアも昨年の消費税増税には反対しなかった。それは財務省から新聞メディアに対しては軽減税率の対象とする、という甘い蜜を約束されていたからである。(*2) 財務省にかかればメディアも容易に抱き込めるのだし、そこを隠して政権を攻撃するマスメディアのなんと卑しいことか。
ついでに言うと、2020年7月から始まったレジ袋有料化も財務省にとっては一種の増税のようなものだ。無料だったものを有料化すればそれだけ財務省の歳入は増える。それだけが財務省の狙いだ。巷間言われているような環境への影響云々という理由付けは全く嘘である。レジ袋が環境に被害をもたらすパーセンテージはほとんど無視できるほど小さい。海洋での被害で言えば中国や朝鮮半島から流れてくるゴミの方がはるかに大きなウェイトを占めているのだ。
毀誉褒貶入り乱れて評価が難しいようにも思える安倍政権だが、実は相当日本の為に尽くした、と言えるであろう。それは確かなことだ。前述のように民主党政権でズタズタになった日本経済を成長軌道に戻したのは事実だ。また、雇用に於いては就職氷河期から脱却することができた。民主党政権が無神経に破壊した日米同盟を再興してアメリカ大統領からの厚い信頼を得るばかりか世界各国の首脳からの深い信頼も得ている。(*3) 日本の歴史上、これだけ国際社会の中心にいて世界各国どの方面からも頼られた首相はかつていなかった。これは厳然たる事実である。
日本がしっかりした独立国である為に最低限必要な安保法制や特定秘密保護法など国家安全の基礎の構築もされた。辞任会見が終わって、手話通訳担当者にも丁寧に頭を下げ退出するその姿勢には内側からにじみ出る品格が漂っていた。こうしたやさしさと誠実な姿勢(*4)が評価されているからこそ世界各国からの厚い信頼も勝ち得ているのである。しかし日本の左傾化したマスメディアはこうした事は絶対に書かない。
日米同盟の根幹は首脳同士の信頼関係である。トランプ大統領とゴルフ会談ができるのは安倍総理のみであり、何度も行われている。特定秘密保護法で北朝鮮情報は多数入るようになり、集団的自衛権で日米が切れ目なく守り合う体制ができた。日米同盟をここまで高めた総理大臣はいないのである。
モリカケ問題はかなり騒ぎになっていたが。これはそもそもメディアと野党によるフェイクニュースである。真相は既に明らかになっており、安倍総理には何の問題もない。森友問題では亡くなった人も居たが安倍総理とは無関係である。朝日新聞がでっち上げたフェイクニュースであり、行政関係者ならばすぐに理解できるデマである。この事案では、むしろ現場担当者を厳しく攻め立てた野党政治家に問題があったのではないか、とも言われているほどであり、最大の問題は何でもないことをさも大問題であるかのように騒ぎ立てた野党政治家と左翼マスメディアにある。これは厳然たる事実であり、この件で安倍が許せないなどと憤慨している人は左翼メディアにまんまと騙されているのだ。そもそもこうしたフェイクニュースで騒ぎ立てるのは野党とメディアがグルになって仕組んだ倒閣運動にほかならないのである。
その意味では「桜を見る会」問題も同様だ。その内容には何も問題は無いが、しかし野党とマスメディアはさも問題があるかのように騒ぎ立てて国会の貴重な時間と資源を無駄に費やした。しかもこれが論議されていた時期は武漢コロナウィルス問題で対応が迫られていた時である。野党が無駄な論議を仕掛けていたおかげで武漢コロナウィルスへの早い段階での対応がし切れなかったという側面もあるのだ。野党議員の領収書の文言がどうだ、だのといった些末などうでもいい話を針小棒大に喚きまくる姿はひたすら醜かった。これも倒閣運動であり、もう少し突っ込んで言えば、武漢コロナウィルスの感染が拡大する中で、ウィルス発生国である中国に責任問題などの関心が行かないようにするために、野党は目くらましをしたかったのではないか、という深読みをしたくなるほどであった。それほど無内容な話で騒いでいたのだ、野党とメディアは。
また、安倍総理は病気の悪化があって国民への責任を考えた上で辞任するのである。(*5) なので、一部の心無い政治家等が言うような「政権投げ出し」ではありえない。まして即日辞任ではなく、次の総理が固まるまではきちんと責任もって職をまっとうすると言っているのである。まして筒井康隆氏が記したような「あとは野となれ。」ではないことは明白である。筒井氏の文章はそもそも面白くないし皮肉にもなっていない。無価値である。それは先述のように筒井康隆氏が政治についてあまりにも無知・無教養だからであり、無知であるからこその基本的な事実誤認を元にして書かれているからである。ベースの部分で間違っているのなら、その上に構築されるブラックユーモアもまた無意味でしかない。つまり笑いはそこに生まれない。僅かでも知識があるならばブラックユーモアであろうとこのような書き方にはならないからだ。
筒井康隆氏は「首相」について「隠すことが多く、語彙が乏しくなり、同じことしか言えなくなる役職。」と記したが、どこがどのようにそうなのか、説明してほしいものである。上述のように日本の総理大臣は決して権力者とは言えない存在であり、あちこちと調整した上でなければ何もできないと言っても過言ではない。非常に難しい立場に立たされた役職である。また、首相官邸内の補佐官や秘書官の能力の問題もある。確かに情報の発信という面では不足していた部分は少なくないだろう。一つの政策を施行するにも誤解を生まない情報発信が必要だが、そこが必ずしもうまくいってなかった側面は否定できない。しかし、だから首相一人が「駄目」の烙印を押されるような問題でもない。筒井康隆氏はここが理解できていない。政治が首相一人で推し進めるものだとでも考えているのだろうか? 首相側近たちや官邸及び霞が関との関係についての知識・実態を知らない筒井康隆氏の政治に関する情報のストックはほとんど子供レベルなのか、と呆れるほど稚拙である。繰り返すが、筒井氏の文章はきちんとした知識をベースにするならば絶対にそんな書き方はできないような文言になっているのである。そして、ブラックユーモアにすらなりえていない幼稚なもので呆れるほかない。
7年8ヶ月に渡って安倍政権が運営されたが、この間、左翼野党と左翼メディアがスクラム組んで安倍政権を倒そうとしたが、結果として倒される事は無かった。その間の選挙でも成果をあげており、最後の辞任表明後の世論調査で支持率が上昇するという今までにはなかった奇跡的な展開も起きている。それは辞任をきっかけに日本国民がこの政権の価値に気がついたからであろう。
どうだろう、これらの事実は左翼野党や左翼メディアが一生懸命に仕掛け続けた倒閣運動に対する日本国民の意志の表明にほかならないのではないか。筒井康隆氏にはこうした日本の(実際の)現状が見えていないのだろう。「筒井康隆氏は盲人か」これはブラックユーモアである。(虚笑)
このように見てくると文学界の巨匠である筒井康隆氏もここが限界であった、ということだろう。
もちろんこの一事を持って筒井氏の全てが否定される訳ではなく、日本文学界の至宝たる存在(*6)であることには変わりはない。しかしスーパーマンが全ての領域においてスーパーな存在ではないのだ、という事実を我々は改めて知るところとなったのである…しかも筒井康隆氏自身の発信(ツイート)に依って…。
ツイッターがしばしば「馬鹿発見器」と呼称されるのは、例えばこのような事例が頻繁に起きているからであろう。勿論筒井氏が馬鹿だと言うつもりはない。ただ、左翼的な人々にありがちな事実に基づかない思い込みと決めつけが激しすぎることと、政治の世界に於ける真実の探求をされなかった事、さらに(恐らく、だが)新聞やテレビでしか情報を得ていないと推察される事は大変遺憾に思うところである。無知は罪である。
老境に入ってから自分を変えるのは大変なことである。まして、自分が変われるのは冒頭に書いたように「自分自身で何かを発見した時」に限られる。他人から押し付けることはできない。筒井康隆氏ご自身が何かを発見された時に彼はより良き方向に変わっていけるのであろう。僭越ながらそれを期待している。
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<2020年10月15日:追記>
2019年に「あいちトリエンナーレ2019」が開催されたが、その中の「表現の不自由展・その後」の展示内容が酷すぎたことで話題になった。マスコミは慰安婦像の件ばかり取り上げたが、実は本当に酷かったのは「昭和天皇の御真影(写真等)を燃やして、燃え殻を足で踏みつける」という醜悪な映像作品と、「大東亜戦争で戦った戦士達を愚弄して笑いものにする作品」である。これなどはどう見ても芸術作品ではなく(普通に鑑賞しても芸術的な美しさは皆無)、左翼のプロパガンダでしかないオブジェだったのである。それはこのイベントの運営にあたった人々が尽く左翼、それも極左の活動家として名の知られた人達であった事実からも容易に推定できる。彼らは芸術展の形を借りて左翼のプロパガンダを行ったのである。しかし左翼マスコミは敢えてこれら2つの展示については一切報道しなかった。なので、この事実を知らない人は非常に多い。この醜悪な展示について、筒井康隆氏はあくまでこれらを芸術作品として捉えて論評していた。ここからも筒井康隆氏が極左活動家の機関紙たる朝日新聞に深く洗脳されている事が伺えるのである。
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(*1)
筆者は安倍政権の全部を肯定する気は全く無い。例えば少子化対策は全く成果を上げていない(これは世界的に困難なテーマだが)し、武漢コロナウィルス感染拡大防止措置では初期段階で中国全土からの入国制限を実施すれば日本国内での感染拡大ももう少し押さえられたのではないか、と思われるが、その他の措置も含めてコロナ対策に於ける後手に回った対応は批判されるべきであろう。
(*2)
軽減税率を適用されている朝日新聞は「朝日新聞は消費税増税でも値上げせずに頑張ります」という趣旨の広告を打っている。ここで朝日は嘘をついている。そもそも新聞は軽減税率適用なのだから税率8%のままであり増税対象ではない。値上げする理由は何処にもないのである。にも関わらず、あたかも「税率が10%に上がったけど朝日は頑張るから値上げしない」ように見せかけているのだ。卑怯である。こんなあからさまな嘘をついて国民を騙そうとする卑しい新聞、それが朝日新聞だ。ちなみに筒井康隆氏は朝日新聞に小説を連載するなど、朝日新聞とは比較的近い位置にある人物である。仮に筒井氏が反日姿勢の朝日新聞を購読しているのなら、安倍政権について完全に完璧に間違ったイメージを刷り込まされているのは間違いないところである。
(*3)
トランプ大統領からの信頼は特に厚いものがある。そもそも国際政治について多くの情報をトランプ氏は安倍首相から学んでいる。また、欧州の首脳たちとは決してうまくいってないトランプ氏にとってアメリカとヨーロッパをつなぐ事ができるのは世界でも安倍首相だけだった。その意味ではG7先進主要七カ国にとっては安倍首相辞任はG7にとって大きな損失と言えよう。安倍首相が国際政治の中でも際立って存在感のある首脳であったのは事実である。トランプ氏だけでなく多くの国の首脳が安倍首相の見解を求めていたのは紛れもない事実である。
<以下:2020年9月4日追記>
辞任表明した安倍首相に対して世界各国の首脳から電話会談の申し込みが殺到している。まず、つい先日イギリスのジョンソン首相と電話会談をして、EU離脱が確定しているイギリスと日英新貿易協定早期妥結の方向で意見の一致をみた。イギリスにとっては通商問題等で切迫しており、ツーカーの間柄である安倍首相と今のうちに取り決めておきたいのだ。安倍首相は世界各国の首脳とツーカーの間柄なので、どの首脳ともフランクに対話ができる。安倍首相は辞任表明後もこうして精力的に仕事をしているのだが反日姿勢のマスメディアはこうした事実を全く報道しない。現在国際社会で起きているのは「安倍ロス」である。本当だ。実はこれに関して憂慮すべき問題がある。中国とアメリカの対立において両国の緩衝役となり両国にある程度以上の説得力を持つ人間は世界でも安倍首相しかいないのだ。また、かつてイランがアメリカと危機一髪の状況に陥った時にイランの最高指導者ハメネイ師が安倍氏を招いた事も思い出される。日本人にとっては安倍首相は我々の国の首相という認識だが、国際社会から見れば、いざ何かが起きた時に「安倍無しで大丈夫なのか?」という憂慮がある。だからこれに気づいた各国首脳が安倍首相との電話会談を希望しているのであり、現在その申し込みが殺到しているのだ。一説には「安倍首相は猛獣使いだ」と言われる。一筋縄では行かない個性的な各国の首脳たちは意外に安倍氏の手のひらで転がされているフシはあるのだ。だから各国首脳にとって今後の自分の仕事に支障をきたす心配があるから、だから「安倍ロス」にならざるを得ないのである。
筒井康隆氏はこうした真の実態・事実を全く知らない。全然無知無知カタツムリなのである。
(*4)
現在の中国ではウィグルやチベットを侵略した挙げ句にその地域の民族を弾圧・虐待しており、特にウィグルではウィグル人から生きたまま「臓器移植用の臓器」を取り出す、という極めて残虐な行為(殺人)を行っている。日本に滞在中のウィグル人もウィグルに残った家族が中国共産党の人質に取られて「(本人が)帰ってこなければ家族がどうなっても知らないぞ」と脅されているのが実情だ。
そんな中、今年の1月に安倍総理夫人である昭恵さんの強い希望で在日ウィグル人との会食が行われたそうである。セッティング担当はジャーナリストの有本香氏。総理は会食の現場に電話をかけてきてその場に居たウィグル人おひとりおひとりと電話で話し、直接励ましの言葉をかけられたそうだ。集まったウィグル人の皆さんは総理に励ましてもらったことで「落ち込むことも多かったが、これでまた頑張れる」と大層喜んでいたそうである。総理は幹事役の有本氏にもやさしく労いの言葉をあけた。有本氏は決して安倍総理の幇間ではない。個々の政策に応じて容赦ない批判も発信している。それでも総理は「それは構わない。今夜は雪になるみたいだから皆さん、ほどほどにね」と気遣う言葉をかけられたそうである。有本氏もこの夜のことは生涯忘れないと思ったそうだ。こうしたことはメディアでは一切書かれないし安倍総理夫妻もこうした事実を見せびらかすようなことを一切望んでいない。それほど誠実な二人である、ということだ。これが本当の姿なのである。
また、辞任にあたって世界各国の首脳からメッセージが発信されているが、いずれも温かい内容のもので、単なる外交辞令ではない心からのメッセージであることが容易に読み取れる内容になっている。それこそが安倍総理の人柄を表していると言えよう。しかし左傾化した日本のマスメディアはこうした事は一切報じないのである。
(*5)
逆にこのタイミングで辞意表明をしておかないと内閣改造の時期になってしまい、その後の秋の臨時国会をも見据えた場合、乗り切れるかどうかの判断が難しい。だったら、今辞任して後継の首相が臨時国会に臨む事が良いだろう、と安倍総理は考えたのではないだろうか。これは責任ある人間として妥当な判断と言えよう。
(*6)
筒井康隆氏の文学的な才能とパワーは言うまでもなく本当に凄い。筒井氏は文学に於ける「ジャズな人」である。これはタモリ氏の言い方だが、ジャズは「あらゆる規則をいったん外して自分で再構築して音を紡ぎなさい」という音楽である。筒井氏は文学でこれをやった(やることができた)偉大な作家だと断言できる。SF文学はそうした自由闊達な発想・思考を可能にする新たな地平を開拓した文学なのである。
☆
左翼的な思想や価値観は一種の理想論である場合が多い。ドリーマー(夢見る人)が抱く理想の世界をなんとなくイメージさせてくれるのが左翼的な思想かもしれない。筆者も昔は左翼的な考え方を持っていたのでその気持ちはよく判る。だが、国内政治や国際政治の真の実態、その知識・情報を知るようになってリアリストになると、左翼的な夢見る理想論ではどうにもならない事が自明の理として理解されるようになる。左翼的な価値観が実は本当の実態に際して全くそぐわない事が理解できてくるのだ。「そういうものではない」ということが判ってしまうのだ。逆に言えば、左翼的立場の人は実は”真に意味のある情報を持っていない人々”ということになる。無知であり、無知故の左翼思想への傾斜、ということなのである。
難しいのはこうした発見は人間一人一人が自らされるべきものであり、他人から押し付けられたり教えられたりするものではない、ということである。発見する為にはそのきっかけとなる情報や知識が必要である。それに触れる機会を持つか否かはもはや「縁」という言葉でしか表しようがないだろう。自ら真実を探求したい意志を持つ人ならいつか訪れるであろうし、そうでない人なら一生訪れる事は無いであろう。
さて、作家の筒井康隆氏である。
紹介するまでもない日本文学界の大巨匠であり、その存在はSFの世界だけにとどまらず、文学界の至宝と呼ぶに相応しい才能の持ち主であることは誰もが認めるところであろう。筆者もほぼリアルタイムで筒井氏の作品を追ってきた一人であり、大好きな作家の筆頭格である。
だが、その筒井氏もまたクリエイターにありがちな左翼的立場を当然のように取っている一人である。例えばそれを表す氏のツイッターを下記に引用する。
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筒井康隆@TsutsuiYasutaka·8月28日
しゅしょう【首相】
隠すことが多く、語彙が乏しくなり、同じことしか言えなくなる役職。
じにん【辞任】
あとは野となれ。
筒井康隆 「現代語裏辞典」より
午後2:50 · 2020年8月28日·Twitter Web App
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この日、2020年8月28日は安倍総理大臣の退陣表明があった日であり、このツイートは明らかに筒井氏の安倍政権に対する態度を内包するものであることは間違いないだろう。
このツイート内容は10年前に出版された単行本に収められた内容の一部ではあるが、筒井氏はわざわざこの8月28日の安倍総理退陣表明があったタイミングでこれを出してきているのだ。筒井氏の左翼的立場を表す発信として捉えても間違いないであろう。
筒井氏は過去にも「乱調文学大辞典」やアンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」を筒井流に紹介した「筒井版 悪魔の辞典」、また、今回の事例に関わる「現代語裏辞典」といった辞典形式の作品を出しており、これもまた彼の表現形式の一つとして知られるところである。
ごく一般的な意味でなら上記のツイート内容も判らないではない。しかし、この説明文章を受け取るにはいささか時代錯誤な印象もある。なぜなら、この文章によって筒井康隆氏は現代政治が置かれている状況や国際政治の中での日本といった今を生きる人間にとって必須の知識・情報を「ご存知ない」事が如実に判るからだ。
恐らく筒井康隆氏は政治も含めた世の中の動きを新聞とテレビでしか得ていないのだと思われる。新聞もテレビも全て左傾化しているのは周知の事実であり、日本のマスメディアにおいては記事の捏造・偏向・報道しない自由・左翼プロパガンダはもはや当たり前の慣習となっている。つまり新聞・テレビは事実上、左翼活動家用の機関紙と同じ実体を呈している。そこからしか情報を得ていないと筒井康隆氏のようなみっともない姿をさらしてしまうことになる。こういう人を「情報弱者」略して「情弱」と言う。
筒井氏がこの皮肉なツイートを8月28日の安倍退陣表明直後というタイミングに発信したということは、筒井氏が明らかに安倍政権への否定的感情を持っている事を表しているのは明らかである。
しかも、この文面ではパロディやブラックユーモアとしての価値すら既に失われている事に筒井康隆氏自身が気づいていない、という残念な実情が見える。本当に残念である。筒井康隆氏の時計は1970年代前半で止まってしまっているのかもしれない。当時の社会ならこの内容でも読者にアピールするものはあっただろうが、今もまだそれが通用すると思っている筒井氏は上述した現代の国内外の政治状況についての真の情報・知識を持っていないのであり、従って今の政治を評価する資格すら無い事に気づいていないのである。本来的な意味で遺憾に思う。
「政治は政策である」
突き詰めれば左翼か右翼かなどどうでもいいのだ。もっと言うなら「はじめに安倍ありき」でもないのだ。安倍総理だから全て善だと言うのは間違いであり、全て悪だというのもまた間違いである。政策を見て是々非々で評価するのが最も妥当な姿勢であることは間違いない。
安倍政権では様々な政策が施行されている。安倍政治では真っ先に名前が出てくるアベノミクスは実態を知らない人が知ったかぶりで批判・否定していたりするが、その前の民主党政権でボロボロになってしまった日本経済を立て直したのは厳然たる事実である。これはかなり思い切った政策群であり、安倍総理でないとできなかった事の一つでもあろう。(*1)
勿論、経済面では二度の消費税増税は日本経済にとって明らかにマイナスだった。あれで日本経済は冷え込む結果となり、二度目の増税時にはその直後に来た武漢コロナウィルス感染拡大に依る緊急事態宣言が重なって余計に酷い状況になった。だが、ここで重要なのは「消費税増税を安倍総理がやりたくて独断で遂行したのではない」という事実だ。
単純に考えて増税で誰が得するかと言えば財務省である。財務省官僚というのは自分達が好き勝手に使える金を増やすためにスキあらば課税・増税してやろうと虎視眈々と狙っている屑な連中である。この財務省からの増税圧力は本当に凄まじいのである。首相官邸内にも財務省プロパーな役人は少なくない。こうした連中が束になってかかってくるのだ。しかも二階幹事長のような財務省べったりな政治家も居る。
ちなみに、増税の言い訳として財務省が必ず出してくるのが「財政危機」である。「日本の借金が大変」だから「増税やむなし」という空気を作ることに一生懸命な財務省だ。マスメディアも巻き込んで(抱き込んで)そういう空気の醸成に余念がないのは周知の事実である。筒井氏のような情弱老人ならこの説にコロッと騙されるのだろう。しかしこれは完全に嘘であり、実態は全く逆である。日本の借金が大きなスケールになっているのは事実だが、その一方で日本が持っている資産もほぼ同額あるのだ。だから差し引きゼロ。問題無いのである。その証拠にIMF(国際通貨基金)も「日本の財政は大丈夫」と太鼓判を押している。
よくある誤解の一つに「日本の総理大臣はともすれば独裁国家の権力者のように自分勝手ができる」という思い込みがある。これも実情・実態を知らない左翼的立場の人が言いそうな”あるある”である。
実際には全く違う。
霞が関の官僚達からの圧力、官邸内の各勢力からの圧力、与党政治家からの圧力、それだけでなく野党政治家からもギャーギャー言われて攻撃される中で政策を遂行するのは思いのほか大変なことである。
日本の総理大臣というのは世界各国のトップの中でも最も力が弱いトップだと言われている。その通りであろう。総理大臣が何かを推し進めようと思っても関係各方面に説明し納得させなくては何もできないのである。しかも首相官邸内にすら敵はいっぱい居るのだ。左翼的立場の人がよく言う「安倍は独裁者」という印象操作は完全に間違っており、それは無知故の思い込みか、またはそういう印象操作を目論む確信犯なのである。
財務省は官僚達が自分達の欲望を推進しやすい仕組みを既に官界・政界・財界等にくまなく広げている。安倍政治に常に批判的で否定しかしないマスメディアも昨年の消費税増税には反対しなかった。それは財務省から新聞メディアに対しては軽減税率の対象とする、という甘い蜜を約束されていたからである。(*2) 財務省にかかればメディアも容易に抱き込めるのだし、そこを隠して政権を攻撃するマスメディアのなんと卑しいことか。
ついでに言うと、2020年7月から始まったレジ袋有料化も財務省にとっては一種の増税のようなものだ。無料だったものを有料化すればそれだけ財務省の歳入は増える。それだけが財務省の狙いだ。巷間言われているような環境への影響云々という理由付けは全く嘘である。レジ袋が環境に被害をもたらすパーセンテージはほとんど無視できるほど小さい。海洋での被害で言えば中国や朝鮮半島から流れてくるゴミの方がはるかに大きなウェイトを占めているのだ。
毀誉褒貶入り乱れて評価が難しいようにも思える安倍政権だが、実は相当日本の為に尽くした、と言えるであろう。それは確かなことだ。前述のように民主党政権でズタズタになった日本経済を成長軌道に戻したのは事実だ。また、雇用に於いては就職氷河期から脱却することができた。民主党政権が無神経に破壊した日米同盟を再興してアメリカ大統領からの厚い信頼を得るばかりか世界各国の首脳からの深い信頼も得ている。(*3) 日本の歴史上、これだけ国際社会の中心にいて世界各国どの方面からも頼られた首相はかつていなかった。これは厳然たる事実である。
日本がしっかりした独立国である為に最低限必要な安保法制や特定秘密保護法など国家安全の基礎の構築もされた。辞任会見が終わって、手話通訳担当者にも丁寧に頭を下げ退出するその姿勢には内側からにじみ出る品格が漂っていた。こうしたやさしさと誠実な姿勢(*4)が評価されているからこそ世界各国からの厚い信頼も勝ち得ているのである。しかし日本の左傾化したマスメディアはこうした事は絶対に書かない。
日米同盟の根幹は首脳同士の信頼関係である。トランプ大統領とゴルフ会談ができるのは安倍総理のみであり、何度も行われている。特定秘密保護法で北朝鮮情報は多数入るようになり、集団的自衛権で日米が切れ目なく守り合う体制ができた。日米同盟をここまで高めた総理大臣はいないのである。
モリカケ問題はかなり騒ぎになっていたが。これはそもそもメディアと野党によるフェイクニュースである。真相は既に明らかになっており、安倍総理には何の問題もない。森友問題では亡くなった人も居たが安倍総理とは無関係である。朝日新聞がでっち上げたフェイクニュースであり、行政関係者ならばすぐに理解できるデマである。この事案では、むしろ現場担当者を厳しく攻め立てた野党政治家に問題があったのではないか、とも言われているほどであり、最大の問題は何でもないことをさも大問題であるかのように騒ぎ立てた野党政治家と左翼マスメディアにある。これは厳然たる事実であり、この件で安倍が許せないなどと憤慨している人は左翼メディアにまんまと騙されているのだ。そもそもこうしたフェイクニュースで騒ぎ立てるのは野党とメディアがグルになって仕組んだ倒閣運動にほかならないのである。
その意味では「桜を見る会」問題も同様だ。その内容には何も問題は無いが、しかし野党とマスメディアはさも問題があるかのように騒ぎ立てて国会の貴重な時間と資源を無駄に費やした。しかもこれが論議されていた時期は武漢コロナウィルス問題で対応が迫られていた時である。野党が無駄な論議を仕掛けていたおかげで武漢コロナウィルスへの早い段階での対応がし切れなかったという側面もあるのだ。野党議員の領収書の文言がどうだ、だのといった些末などうでもいい話を針小棒大に喚きまくる姿はひたすら醜かった。これも倒閣運動であり、もう少し突っ込んで言えば、武漢コロナウィルスの感染が拡大する中で、ウィルス発生国である中国に責任問題などの関心が行かないようにするために、野党は目くらましをしたかったのではないか、という深読みをしたくなるほどであった。それほど無内容な話で騒いでいたのだ、野党とメディアは。
また、安倍総理は病気の悪化があって国民への責任を考えた上で辞任するのである。(*5) なので、一部の心無い政治家等が言うような「政権投げ出し」ではありえない。まして即日辞任ではなく、次の総理が固まるまではきちんと責任もって職をまっとうすると言っているのである。まして筒井康隆氏が記したような「あとは野となれ。」ではないことは明白である。筒井氏の文章はそもそも面白くないし皮肉にもなっていない。無価値である。それは先述のように筒井康隆氏が政治についてあまりにも無知・無教養だからであり、無知であるからこその基本的な事実誤認を元にして書かれているからである。ベースの部分で間違っているのなら、その上に構築されるブラックユーモアもまた無意味でしかない。つまり笑いはそこに生まれない。僅かでも知識があるならばブラックユーモアであろうとこのような書き方にはならないからだ。
筒井康隆氏は「首相」について「隠すことが多く、語彙が乏しくなり、同じことしか言えなくなる役職。」と記したが、どこがどのようにそうなのか、説明してほしいものである。上述のように日本の総理大臣は決して権力者とは言えない存在であり、あちこちと調整した上でなければ何もできないと言っても過言ではない。非常に難しい立場に立たされた役職である。また、首相官邸内の補佐官や秘書官の能力の問題もある。確かに情報の発信という面では不足していた部分は少なくないだろう。一つの政策を施行するにも誤解を生まない情報発信が必要だが、そこが必ずしもうまくいってなかった側面は否定できない。しかし、だから首相一人が「駄目」の烙印を押されるような問題でもない。筒井康隆氏はここが理解できていない。政治が首相一人で推し進めるものだとでも考えているのだろうか? 首相側近たちや官邸及び霞が関との関係についての知識・実態を知らない筒井康隆氏の政治に関する情報のストックはほとんど子供レベルなのか、と呆れるほど稚拙である。繰り返すが、筒井氏の文章はきちんとした知識をベースにするならば絶対にそんな書き方はできないような文言になっているのである。そして、ブラックユーモアにすらなりえていない幼稚なもので呆れるほかない。
7年8ヶ月に渡って安倍政権が運営されたが、この間、左翼野党と左翼メディアがスクラム組んで安倍政権を倒そうとしたが、結果として倒される事は無かった。その間の選挙でも成果をあげており、最後の辞任表明後の世論調査で支持率が上昇するという今までにはなかった奇跡的な展開も起きている。それは辞任をきっかけに日本国民がこの政権の価値に気がついたからであろう。
どうだろう、これらの事実は左翼野党や左翼メディアが一生懸命に仕掛け続けた倒閣運動に対する日本国民の意志の表明にほかならないのではないか。筒井康隆氏にはこうした日本の(実際の)現状が見えていないのだろう。「筒井康隆氏は盲人か」これはブラックユーモアである。(虚笑)
このように見てくると文学界の巨匠である筒井康隆氏もここが限界であった、ということだろう。
もちろんこの一事を持って筒井氏の全てが否定される訳ではなく、日本文学界の至宝たる存在(*6)であることには変わりはない。しかしスーパーマンが全ての領域においてスーパーな存在ではないのだ、という事実を我々は改めて知るところとなったのである…しかも筒井康隆氏自身の発信(ツイート)に依って…。
ツイッターがしばしば「馬鹿発見器」と呼称されるのは、例えばこのような事例が頻繁に起きているからであろう。勿論筒井氏が馬鹿だと言うつもりはない。ただ、左翼的な人々にありがちな事実に基づかない思い込みと決めつけが激しすぎることと、政治の世界に於ける真実の探求をされなかった事、さらに(恐らく、だが)新聞やテレビでしか情報を得ていないと推察される事は大変遺憾に思うところである。無知は罪である。
老境に入ってから自分を変えるのは大変なことである。まして、自分が変われるのは冒頭に書いたように「自分自身で何かを発見した時」に限られる。他人から押し付けることはできない。筒井康隆氏ご自身が何かを発見された時に彼はより良き方向に変わっていけるのであろう。僭越ながらそれを期待している。
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<2020年10月15日:追記>
2019年に「あいちトリエンナーレ2019」が開催されたが、その中の「表現の不自由展・その後」の展示内容が酷すぎたことで話題になった。マスコミは慰安婦像の件ばかり取り上げたが、実は本当に酷かったのは「昭和天皇の御真影(写真等)を燃やして、燃え殻を足で踏みつける」という醜悪な映像作品と、「大東亜戦争で戦った戦士達を愚弄して笑いものにする作品」である。これなどはどう見ても芸術作品ではなく(普通に鑑賞しても芸術的な美しさは皆無)、左翼のプロパガンダでしかないオブジェだったのである。それはこのイベントの運営にあたった人々が尽く左翼、それも極左の活動家として名の知られた人達であった事実からも容易に推定できる。彼らは芸術展の形を借りて左翼のプロパガンダを行ったのである。しかし左翼マスコミは敢えてこれら2つの展示については一切報道しなかった。なので、この事実を知らない人は非常に多い。この醜悪な展示について、筒井康隆氏はあくまでこれらを芸術作品として捉えて論評していた。ここからも筒井康隆氏が極左活動家の機関紙たる朝日新聞に深く洗脳されている事が伺えるのである。
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(*1)
筆者は安倍政権の全部を肯定する気は全く無い。例えば少子化対策は全く成果を上げていない(これは世界的に困難なテーマだが)し、武漢コロナウィルス感染拡大防止措置では初期段階で中国全土からの入国制限を実施すれば日本国内での感染拡大ももう少し押さえられたのではないか、と思われるが、その他の措置も含めてコロナ対策に於ける後手に回った対応は批判されるべきであろう。
(*2)
軽減税率を適用されている朝日新聞は「朝日新聞は消費税増税でも値上げせずに頑張ります」という趣旨の広告を打っている。ここで朝日は嘘をついている。そもそも新聞は軽減税率適用なのだから税率8%のままであり増税対象ではない。値上げする理由は何処にもないのである。にも関わらず、あたかも「税率が10%に上がったけど朝日は頑張るから値上げしない」ように見せかけているのだ。卑怯である。こんなあからさまな嘘をついて国民を騙そうとする卑しい新聞、それが朝日新聞だ。ちなみに筒井康隆氏は朝日新聞に小説を連載するなど、朝日新聞とは比較的近い位置にある人物である。仮に筒井氏が反日姿勢の朝日新聞を購読しているのなら、安倍政権について完全に完璧に間違ったイメージを刷り込まされているのは間違いないところである。
(*3)
トランプ大統領からの信頼は特に厚いものがある。そもそも国際政治について多くの情報をトランプ氏は安倍首相から学んでいる。また、欧州の首脳たちとは決してうまくいってないトランプ氏にとってアメリカとヨーロッパをつなぐ事ができるのは世界でも安倍首相だけだった。その意味ではG7先進主要七カ国にとっては安倍首相辞任はG7にとって大きな損失と言えよう。安倍首相が国際政治の中でも際立って存在感のある首脳であったのは事実である。トランプ氏だけでなく多くの国の首脳が安倍首相の見解を求めていたのは紛れもない事実である。
<以下:2020年9月4日追記>
辞任表明した安倍首相に対して世界各国の首脳から電話会談の申し込みが殺到している。まず、つい先日イギリスのジョンソン首相と電話会談をして、EU離脱が確定しているイギリスと日英新貿易協定早期妥結の方向で意見の一致をみた。イギリスにとっては通商問題等で切迫しており、ツーカーの間柄である安倍首相と今のうちに取り決めておきたいのだ。安倍首相は世界各国の首脳とツーカーの間柄なので、どの首脳ともフランクに対話ができる。安倍首相は辞任表明後もこうして精力的に仕事をしているのだが反日姿勢のマスメディアはこうした事実を全く報道しない。現在国際社会で起きているのは「安倍ロス」である。本当だ。実はこれに関して憂慮すべき問題がある。中国とアメリカの対立において両国の緩衝役となり両国にある程度以上の説得力を持つ人間は世界でも安倍首相しかいないのだ。また、かつてイランがアメリカと危機一髪の状況に陥った時にイランの最高指導者ハメネイ師が安倍氏を招いた事も思い出される。日本人にとっては安倍首相は我々の国の首相という認識だが、国際社会から見れば、いざ何かが起きた時に「安倍無しで大丈夫なのか?」という憂慮がある。だからこれに気づいた各国首脳が安倍首相との電話会談を希望しているのであり、現在その申し込みが殺到しているのだ。一説には「安倍首相は猛獣使いだ」と言われる。一筋縄では行かない個性的な各国の首脳たちは意外に安倍氏の手のひらで転がされているフシはあるのだ。だから各国首脳にとって今後の自分の仕事に支障をきたす心配があるから、だから「安倍ロス」にならざるを得ないのである。
筒井康隆氏はこうした真の実態・事実を全く知らない。全然無知無知カタツムリなのである。
(*4)
現在の中国ではウィグルやチベットを侵略した挙げ句にその地域の民族を弾圧・虐待しており、特にウィグルではウィグル人から生きたまま「臓器移植用の臓器」を取り出す、という極めて残虐な行為(殺人)を行っている。日本に滞在中のウィグル人もウィグルに残った家族が中国共産党の人質に取られて「(本人が)帰ってこなければ家族がどうなっても知らないぞ」と脅されているのが実情だ。
そんな中、今年の1月に安倍総理夫人である昭恵さんの強い希望で在日ウィグル人との会食が行われたそうである。セッティング担当はジャーナリストの有本香氏。総理は会食の現場に電話をかけてきてその場に居たウィグル人おひとりおひとりと電話で話し、直接励ましの言葉をかけられたそうだ。集まったウィグル人の皆さんは総理に励ましてもらったことで「落ち込むことも多かったが、これでまた頑張れる」と大層喜んでいたそうである。総理は幹事役の有本氏にもやさしく労いの言葉をあけた。有本氏は決して安倍総理の幇間ではない。個々の政策に応じて容赦ない批判も発信している。それでも総理は「それは構わない。今夜は雪になるみたいだから皆さん、ほどほどにね」と気遣う言葉をかけられたそうである。有本氏もこの夜のことは生涯忘れないと思ったそうだ。こうしたことはメディアでは一切書かれないし安倍総理夫妻もこうした事実を見せびらかすようなことを一切望んでいない。それほど誠実な二人である、ということだ。これが本当の姿なのである。
また、辞任にあたって世界各国の首脳からメッセージが発信されているが、いずれも温かい内容のもので、単なる外交辞令ではない心からのメッセージであることが容易に読み取れる内容になっている。それこそが安倍総理の人柄を表していると言えよう。しかし左傾化した日本のマスメディアはこうした事は一切報じないのである。
(*5)
逆にこのタイミングで辞意表明をしておかないと内閣改造の時期になってしまい、その後の秋の臨時国会をも見据えた場合、乗り切れるかどうかの判断が難しい。だったら、今辞任して後継の首相が臨時国会に臨む事が良いだろう、と安倍総理は考えたのではないだろうか。これは責任ある人間として妥当な判断と言えよう。
(*6)
筒井康隆氏の文学的な才能とパワーは言うまでもなく本当に凄い。筒井氏は文学に於ける「ジャズな人」である。これはタモリ氏の言い方だが、ジャズは「あらゆる規則をいったん外して自分で再構築して音を紡ぎなさい」という音楽である。筒井氏は文学でこれをやった(やることができた)偉大な作家だと断言できる。SF文学はそうした自由闊達な発想・思考を可能にする新たな地平を開拓した文学なのである。
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