今年の夏は節電の為にエアコンの使用電力を控えめにすることが推奨されている。
充分な電力を故意に供給せず、節電に協力しないと罰金だ、とふんぞり返る東電の責任はともかくとして、現実に供給されないのなら節電に意識的にならざるを得ないのは仕方ないところである。
ただ、政府やマスコミが報じているエアコンの推奨設定温度には少々腑に落ちないところがある。
28度という目安は実はあまり実質的な説得力はない。なぜなら気温の体感は人の体質等によって差があるからであり、しかも空気を「快」と感じるか「不快」と感じるかの決め手は実は
「温度」ではなく「湿度」だからである。
自分が今感じている「暑さ」が「温度」によるものか「湿度」によるものかを見極めることは重要である。それによって対策法も異なってくるからだ。
そして東アジアに位置する日本においては「湿度由来の暑さ」(=蒸し暑さ)であることが多いのである。
同じ28度でも湿度が低ければそれなりに快適に過ごせるが、湿度が高ければ相当に不快な状況になる。時には健康状態を著しく害することにもなりかねない。
人の健康状態に大きく影響するのはむしろ湿度の方なのである。
例えば気温が30度を超えた場合でも湿度が充分に低ければ人は長袖のシャツでいられるのである。逆に気温が22度でも湿度が高ければ汗をかき相当不快な状況となる。
再度書くが、人間にとって「快」「不快」の決め手は”湿度”である。決して”温度”ではない。
もちろん気温も大きなファクターの一つであるが決定打ではないことは意識しておくべきであろう。
難しいのは湿度だけを下げるのは容易ではないということ。結局エアコンの機能を使わざるを得ない領域の問題ではある。
エアコンに「ドライ」と名付けられた機能がある。これはとどのつまり「弱い冷房」である。原理的に湿度だけ下げるのは不可能であり、冷房(温度を下げる)処理をする時に副次的に湿度も下がる、という現象を利用したものである。
節電に通じる対策は「時」「場所」「天候・風力」「人とその体質」等々の種々のファクターによって最適解が異なってくる。決して28度設定だけが正解という単純な話ではない。
くれぐれも気分・健康や命に影響がない範囲でバランスをとってやっていただきたいものである。
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前述の件に関連してひとつ心配事がある。
今年の夏は節電運動が一般大衆に変な強迫意識を与える事を恐れている。しばしば一般大衆は「目的」と「手段」を混同してしまうからである。しばしばマスコミの誤った扇動などでそのような困った事態になることがある。
すなわち人の健康に重大な影響が出ても節電を優先するような脅迫的な考え方である。
猛暑の時期が終わった時にこの心配が杞憂であったという事になってほしいと願っている。
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さらに心配なのは機械類である。
真夏の気温がもたらす生活におけるもうひとつの心配は電子機器への影響である。
ビデオレコーダー・デジタルテレビ・パソコン等々、一般家庭にある電子機器はそれ自体が発熱体であるが、内部に抱えた電子回路は往々にして熱に弱い。
必要十分な冷却が得られない場合、その機械は故障する可能性が高くなる。もし節電の名目で室内が充分に冷却されなければ、この夏は壊れる電子機器があちこちで増えることになるだろう。
これも杞憂であってほしいことだが…。
充分な電力を故意に供給せず、節電に協力しないと罰金だ、とふんぞり返る東電の責任はともかくとして、現実に供給されないのなら節電に意識的にならざるを得ないのは仕方ないところである。
ただ、政府やマスコミが報じているエアコンの推奨設定温度には少々腑に落ちないところがある。
28度という目安は実はあまり実質的な説得力はない。なぜなら気温の体感は人の体質等によって差があるからであり、しかも空気を「快」と感じるか「不快」と感じるかの決め手は実は
「温度」ではなく「湿度」だからである。
自分が今感じている「暑さ」が「温度」によるものか「湿度」によるものかを見極めることは重要である。それによって対策法も異なってくるからだ。
そして東アジアに位置する日本においては「湿度由来の暑さ」(=蒸し暑さ)であることが多いのである。
同じ28度でも湿度が低ければそれなりに快適に過ごせるが、湿度が高ければ相当に不快な状況になる。時には健康状態を著しく害することにもなりかねない。
人の健康状態に大きく影響するのはむしろ湿度の方なのである。
例えば気温が30度を超えた場合でも湿度が充分に低ければ人は長袖のシャツでいられるのである。逆に気温が22度でも湿度が高ければ汗をかき相当不快な状況となる。
再度書くが、人間にとって「快」「不快」の決め手は”湿度”である。決して”温度”ではない。
もちろん気温も大きなファクターの一つであるが決定打ではないことは意識しておくべきであろう。
難しいのは湿度だけを下げるのは容易ではないということ。結局エアコンの機能を使わざるを得ない領域の問題ではある。
エアコンに「ドライ」と名付けられた機能がある。これはとどのつまり「弱い冷房」である。原理的に湿度だけ下げるのは不可能であり、冷房(温度を下げる)処理をする時に副次的に湿度も下がる、という現象を利用したものである。
節電に通じる対策は「時」「場所」「天候・風力」「人とその体質」等々の種々のファクターによって最適解が異なってくる。決して28度設定だけが正解という単純な話ではない。
くれぐれも気分・健康や命に影響がない範囲でバランスをとってやっていただきたいものである。
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前述の件に関連してひとつ心配事がある。
今年の夏は節電運動が一般大衆に変な強迫意識を与える事を恐れている。しばしば一般大衆は「目的」と「手段」を混同してしまうからである。しばしばマスコミの誤った扇動などでそのような困った事態になることがある。
すなわち人の健康に重大な影響が出ても節電を優先するような脅迫的な考え方である。
猛暑の時期が終わった時にこの心配が杞憂であったという事になってほしいと願っている。
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さらに心配なのは機械類である。
真夏の気温がもたらす生活におけるもうひとつの心配は電子機器への影響である。
ビデオレコーダー・デジタルテレビ・パソコン等々、一般家庭にある電子機器はそれ自体が発熱体であるが、内部に抱えた電子回路は往々にして熱に弱い。
必要十分な冷却が得られない場合、その機械は故障する可能性が高くなる。もし節電の名目で室内が充分に冷却されなければ、この夏は壊れる電子機器があちこちで増えることになるだろう。
これも杞憂であってほしいことだが…。