ポールマッカートニーやビートルズ周辺の事情に詳しい方なら「何を今さら」、な内容ではあるが、敢えて記しておきたい。
1997年9月15日、イギリス・ロンドンにあるロイヤル・アルバート・ホールで、とある慈善コンサートが開催された。それは
である。その詳細は上記リンク先の記事を参照されたい。
エリザベス女王陛下もご臨席されたこのコンサートには、ポップス・ロックの世界から超が付く有名なミュージシャンが参加して行われた。ただ、この夜のコンサートが特別に豪華だったのは、ジョージ・マーティン(ビートルズの音楽プロデューサーでもあった)による音楽面のプロデュース・セッティングが非常に良く、各ミュージシャンだけでなく、弦楽隊(ストリングス)・管楽器(ホーンセクション)とコーラス隊を多数入れることで全体としてリッチな音楽、リッチなサウンドを作り上げたのである。
コンサートのメインキャストはポール・マッカートニーをはじめ、エリック・クラプトン、フィル・コリンズ、エルトン・ジョン、スティング、マーク・ノップラー、カール・パーキンスやその他の有能なミュージシャンが多数参加している。各々のミュージシャンの持ち曲が次々と披露されてゆく中、コンサートの締めくくりとしてThe Beatles の往年の名盤にして実質的に最後のアルバムとなった「 Abbey Road 」、しかもそのB面(アナログレコードのB面)に登場する短い曲がメドレーで演奏される部分から「Golden Slumbers/ Carry that Weight/ The End」が演奏されたのである。この部分はポール・マッカートニーも色々な場面で好んで演奏しているが、この夜が凄かったのは、上述のようにジョージ・マーティンによるディレクションによってオーケストラが加わることで、ほぼ「Abbey Road」で聴かれたサウンドの完全再現が成された事だろう。何しろ「Abbey Road」の音楽プロデュースをした本人(ジョージ・マーティン)が自らプロデュースにあたっているのだ。
当日のコンサートから、上記の部分の映像があるのでご覧頂きたい。
Paul McCartney Golden Slumbers , Carry That Weight , The End
ポール自身の歌唱力に若干「あれ?」というフシもあるが、それはさておき、鳴らされている音楽全体のクォリティは非常に高く感動的なものとなった、と言えよう。非常に大編成のバンド+オーケストラではあるが、その全体を引き締めるドラムはフィル・コリンズである。「The End」で出てくるリンゴ・スターのシンプルなドラムソロ・パートも迫力のある音楽的な演奏に昇華させて緊張と弛緩が同時に成立するグルーヴ感を生み出す事に成功している。実に音楽的なドラム演奏である。
同じく「The End」の中で3人のギタリストが2小節ずつソロを取る(回す)パートがある。ここは元のレコード(Abbey Road)ではポール、ジョン、ジョージの3人がソロを回していったのだが、このコンサートではポール、マーク・ノップラー、エリック・クラプトンの3人が各々2小節ずつソロを回している。
そして「The End」の大団円ではオーケストラが盛り上げるサウンドも素晴らしく、ジョージ・マーティンの素晴らしい指揮もあって感動的なエンディングを迎えるのである。舞台上のミュージシャンたちは実に気持ち良かったであろう。まさに「Abbey Road」のあのサウンドが再現されたのであり、全体のお膳立てをしたジョージ・マーティンには最高の賛辞が贈られて然るべきである。
参考までに、コンサートで演奏された部分の元のレコード(Abbey Road)の演奏は下記のリンク先を参照されたい。
Beatles Remastered 2009 HIGH QUALITY SOUND - (Golden Slumbers/ Carry that Weight/ The End)
.