Altered Notes

Something New.

ブラタモリ

2016-07-17 20:21:09 | 人物
「ブラタモリ」が視聴率も好調で広く親しまれている。
内容的には地質・地形・歴史といったアカデミックな要素が多く、普通なら堅苦しく退屈な番組になりがちなところであるが、なぜ視聴者は好んでこの番組を視聴しているのだろうか。

それはタモリ自身が「楽しんでいる」こと。これがまず第一の理由である。

人は誰かが楽しんでいるとそれが気になるものであり、さらにそこにコミットしたくなるのだ。コミットすれば(内容が充実しているだけに)一層その楽しさが実感できて充実感や満足感を得られるのである。タモリはテーマに対して本気の好奇心を持って対応している。真に面白がってテーマを探求する積極的な姿勢は必ず視聴者に伝わるのだ。(*1)

もう一つは地質・地形・歴史といった学問的な情報をタモリ自身の中でストーリー化して把握している点である。さらに言うなら、そのストーリーは、例えば地質学・生物学・歴史学・社会学・民俗学/民族学・等々、様々な分野の学術情報がシームレスに散りばめられているので知的好奇心を楽しく満たすに足りるものとなっているのだ。これが第二の理由である。学術情報は分野毎に単純に箇条書き式で提示されても退屈だが、こうした形で表現されれば楽しんで受け止められるのであり、実際にタモリは楽しんでいる。

素晴らしい番組であり、タモリ自身が飽きるまで続けて欲しいものである。



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(*1)
逆に、その分野に無関心なタレントが出てきて、ただ台本(またはカンペ)を読んでいるだけの番組は演者が全然楽しんでいない事で内容も視聴者側に全く伝わらないし、何より退屈な番組となる。

未婚者・非婚者増加の内実

2016-07-03 19:21:08 | 社会・政治
少し前の統計で生涯未婚率(50歳時点で未婚)が男性は20%で女性は10%になった、という事が話題になった。
現在なら恐らく男性で3割は超えているのではないか、と思われる。
結婚や恋愛が人々にとって徐々に遠い存在になりつつあるのが現代である。

どうして遠くなりつつあるのか。
背景には経済問題・格差社会の問題等々、男女の機微を語る以前の前提たる諸問題があることはもちろんなのだが、そんな諸要因の中でも極めつけは男女双方の生来の波長の違いからくるすれ違い。そして互いに理解する事に疲れきってしまった結果としてそうなったようである。

男女のそうした微妙な側面を非常に上手く説明したコラム記事がある。
作家である雨宮まみ氏のブログ「ずっと独身でいるつもり?」の第66回
「異性はわかってくれない」
である。

この記事で男女の相互関係における本質的核心を平易な言葉で説明しているところが素晴らしい。
拙稿でも未婚・非婚・小子化について
「無意識を意識する[1]:非婚化・少子化の真実」
で書いているが、雨宮氏の記事はこうした実態のベーシックな部分へ目を向けさせ理解を促すものとなっているのである。



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2017/4/4 追記
雨宮まみ氏が2016年11月15日に逝去されたとのこと。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。