Altered Notes

Something New.

ドラマ映像の不自然と製作者の自己満足

2015-03-09 20:43:23 | 放送
近年のドラマ映像を見ていて、何か不自然な印象や違和感を持たれることはないだろうか。
筆者は「色合い」に違和感を持っている。それが極めて不自然であり、それ故、映像の世界に没入できないのである。言い換えれば、没入することを拒否されているかのような印象すら受けるのだ。

民放のドラマでも映像全体がイエローに偏ったホワイトバランスになっているものがあり、なんとも不自然で強い違和感がある。
NHKの大河ドラマも全体が青みがかった映像に仕立てており、見る者に強烈な不自然感・違和感を与えている。そう、わざわざ不自然なホワイトバランスに仕上げているのである。

そもそも人間の目は不自然な色バランスの映像を見続けて快感を得るようにはできていない。なぜか。不自然であるが故に人間の神経にストレスを与えるからである。
映像表現として場面によって色バランスに変化を与えることは考えられる。それはあくまで表現の中に明確な目的があるから成立するものである。
しかしNHK大河ドラマの場合は全編すべてが青みがかっており、視聴者はその不自然な世界に強制的に付き合わされる事になる。するとどうなるか。
視聴者は微妙に青みがかった不自然な色バランスを見続ける中で映像に対して無意識的に嫌悪感を持つこととなる。
なぜ嫌悪感か?
それはわざわざ不自然な色バランスにする意図が伝わってこないからである。この意図とは理屈でもあり、感覚的で無意識的でもある類のものだ。
意図が不明な映像操作は見る者に無意識的な嫌悪感を与えてしまう。
結果として意味不明で不自然な色バランスの変更は製作者のマスターベーションでしかない、ということだ。

視聴者はその嫌悪感故にドラマに愛着を持つことが出来ず、従って無意識的に次回の視聴を辞める方向に動くこととなる。
NHK大河ドラマの視聴率が冴えないという現実の裏側にはこのような実態があるのも確かなのである。
もちろん視聴率が冴えないのは映像の仕立てだけでなく、脚本や演出の不味さも一因となっているのは言うまでもない。
脚本も演出も「表現」の域に達せず、「説明」のレベルを脱しない低次元な作りである。そこに加えて前述の映像の色合いの不自然さである。これでは多くの視聴者の支持は得られないのが当然なである。