Altered Notes

Something New.

寺島実郎氏の実像

2023-05-28 04:07:00 | 人物
少し前のサンデーモーニング(TBS)で寺島実郎氏がアメリカのシリコンバレーバンク破綻についてコメントしていたが、これについて数量政策学者の高橋洋一氏の解説を基調に記してゆく。

高橋氏から見る限り、「凄い解説(=とんでも解説)」だった、とのこと。

サンモニの番組を見る限り、目線を下に落とし、原稿(ノート)を読みながら喋っているのがありありと判った。

高橋氏は寺島氏のバックグラウンドも含めてある程度知っているとのことで、それによると、1982~3年頃、高橋氏が大蔵省の役人であった頃に「幅広い意見の聴取」というプロジェクトに駆り出されて、そこで最初に出会ったそうだ。

その当時の寺島氏は三井物産の所属でワシントンに行っており、アメリカ議会に対するロビー活動をやっている人だったそうだ。そのおかけか、アメリカの色々な情報を持っていたそうである。その時代から寺島氏のバックグラウンドについての印象を持っていた。

バックグラウンドとしては色々なロビー活動をする方だったので、当然ながらタイプとしては「分析系ではない」と見ていた。どちらかと言えば「思想系」を思わせる感じの方だったと思ったそうだ。

思想系の人となると、昔はなかなかの有識者としてマスメディア等では重宝されていた方であった。

だから、だ。

今回のような「金融危機の話」などを分析的に思考出来る人ではなかったのである、以前から。なので、高橋氏には彼が何を話すかおおよそ分かっていたのである。いわく、「資本主義はけしからん」「デリバティブがあってけしからん」など、そのような傾向の言い方をするのだ。

なぜか。

経済・金融を全然理解出来ていないからである。
大体において、金融系の話で「資本主義がけしからん」とか「儲け主義だー」とか「デリバティブがけしからん」と主張するのは、そもそも議論の中身が理解できない人が言う定番の台詞なのである。寺島実郎氏は典型的なそっち方向の方である、ということだ。


寺島氏が批判する「シリコンバレーバンク」の話というのは、非常に古典的な金利リスクの管理ミスというパターンなのである。
ポイントはSDGsとか環境などという変な名目を付けて長期債投資をしてしまった、というのが大間違いだった、ということなので、今のこういう時代だから預金流出なんかすごく速い。預金流出が速い時に長期債投資なんかしてしまって、それを売却せざるを得なくなったら売却損が沢山出てしまう、という典型的なパターンなのである。

そういう意味では高橋氏から見れば「デリバティブも何もない」訳で、「SDGsと環境か何かを口実として長期債投資をやってしまった…」というだけの話なのである。

・・・であるにも関わらず、寺島実郎氏は「資本主義がどうのこうの」「デリバティブがどうのこうの」と、そんな解説しているから、サンモニ(サンデーモーニング)は環境やSDGsの話は出来ないのかな、と思ったのである。元々そちら方面を推している番組であるにも関わらず、シリコンバレーバンクの話になったら「金利リスクを無視したSDGs環境投資」というのが典型的なのであり、それを言えばいいのにも関わらず、寺島氏はそれを言わないのだ。
繰り返すが「デリバティブ」も何もないのである。だいたいこの手の話は環境系の人々にとっては小難しい債権などは少ないので、デリバティブが絡んでいる事などほとんど無いのである。そもそも事実として左派系が扱うのに金融の小難しい話になったら「そりゃ無理」というものである。


金融の界隈で「プレーンバニラ」という言葉がある。プレーンなので何もついていないソフトクリームといった意味である。何も付加されていない単純な商品…といった意味である。SDGs界隈(左派界隈でもある)は正直なところ、そのようなものしか理解(把握)できないのが実情だ。

SVBの件、本当は「リスク管理を無視して突っ込んだ」だけ、の話である。そのようなカモフラージュしてやってしまった、というのが実態だ。・・・これがシリコンバレーバンクの話である。

寺島氏はそういう「本当の事」を言わないで、何を言っているのか本人もおそらく分かってないから下(原稿があるデスク)を見ながら(読みながら)喋っていたのであろう。高橋氏から見て、「あれは本当に情けない」ということである。恐らくだが、原稿も本人ではなくスタッフが準備したものであろう、と高橋氏は見ている。


高橋氏による「専門家の定義」とは「専門家たるもの、いつ何時聞かれても、何も原稿なしできちんと喋れること」である。3分くらいなら喋れる人もいるが、それはただ原稿を覚えただけのアナウンサーと同じである。何かの案件について、1時間でも3時間でも喋れるのが専門家、ということだ。自分の専門分野について何も資料も無しでそのままいくらでも喋れるのが専門家なのだ。

そう考えると、寺島実郎氏がやっていたのは原稿を読むアナウンサーと同じレベルである。本人は何も理解していないのだ。

テレビ番組で色々なコメンテーターが喋るのを見て、下を見ながら(原稿を読みながら)喋っている人は信用してはいけない。何も分かっていない人が文章読んでるだけだからである。


上述のように、寺島実郎氏は左派系(*1)で思想系の人物であり、そもそも金融のようなテクニカルな話は苦手である場合が多い。従って、最終的に(論旨を逸して)話を思想系の方へ持っていって結論付けるのが常套手段なのである。本当のテクニカルで且つ知識が必要なものは思想系の人間には出来ない・・・今回はそんな姿を寺島氏は見せてしまった、ということであろう。






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(*1)
左派系だから「サンデーモーニング」に出演しているのである。あの番組は極左姿勢を持つコメンテーターしか出演できない番組であり、放送に政治的公平を求める放送法第4条に真っ向から違反(現行犯)している番組だ。TBS(東京放送)がまともな報道機関ではなく左翼の情報工作機関であることがよく分かる番組である。











TikTokユーザーの個人情報は中国共産党に筒抜け

2023-05-21 18:30:00 | 社会・政治
中国製アプリケーションソフトである「TikTok」がセキュリティ的に危険なものであることは当ブログでも何度も書いているのだが、日本の多くの若年層ユーザーにはそのリスク情報が届いていない。

なぜか。

マスコミがTikTokの危険性を報道しないからである。むしろ使うことを奨励さえしている始末だ。

どうしてそうなるのか?

日本のマスコミは親中であり、日本よりも中国をリスペクトする左翼の情報工作機関だからだ。これは本当だ。例えば、昨年秋に日本のマスコミ各社を中国大使館に呼びつけて報道の仕方についてあれこれ指示する、という事があったが、日本のマスコミ各社はその指示通りに動いていて、中国に都合の悪い報道はしないのである。下記記事を参照されたい。

『日本マスコミに”命令”する中国大使』

そんな中、新しい情報が入ってきた。

『中国共産党、TikTok全データに「至高のアクセス権」保持か 元従業員が告発』

そもそも中国に純粋な民間企業など存在しないのは常識であり、また、全ての情報は中国共産党の都合で吸い上げる事ができるのだ。
中国には「国家情報法」という法律があり、その第7条には

「いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない。国は、そのような国民、組織を保護する。」

…と明確に記されている。

中国国民や企業は、いつでも共産党の命令に応じて求められた情報を知恵供する義務が課せられているのだ。それはTikTokユーザーの情報も同様である。中国共産党に全部筒抜け、ということなのである。その事実を改めて従業員が暴露した、ということである。


そうでなくても「中国が世界の中心であり、世界は中国のものだ」と謳う「中華思想」を本気で信じている狂気の独裁国家である。また、中国では憲法よりも上位に共産党が存在しているのだ。つまり法律の建て付けがどうであろうと、最終的には中国共産党が「こうしろ」「ああしろ」と言えば全てその通りになってしまう。そういう極めて異常な国なのである、中国は。



TikTokが本当にヤバいものである認識はアメリカなどでは既に広く知られており、アメリカのモンタナ州ではTikTok禁止法が成立しているのだし、アメリカ下院に於いても禁止が決定している。

『米モンタナ州、TikTok禁止法成立 全米初』

『米下院端末でもTikTok利用を禁止』




最後に、TikTokの危険性について書いた過去記事を参考資料としてリンクを貼っておくので是非参照されたい。

『TikTokに興じる若者は日本を傷つける』

『危険なTikTokを激推しするフジテレビ その訳とは』

『TikTokなどの中国製品が本当に危険である理由』








中高年男性否定を躊躇しない現代女性社会

2023-05-20 03:27:00 | 社会・政治
「散歩するアンドロイド」という若年層女性が運営している旅系YouTubeチャンネルの近作を視聴したところ、「おじさん」に否定的感情を平然と投げつけるナレーションが入って(*1)おり、若年層女性の中高年男性に対する生理的嫌悪感の(想像以上の)強さを知って喫驚している。この事例を挙げたのは、これが珍しいことではなく、社会のあちこちで普通に見られる現象になりつつあるからである。しかも、「おじさん」属性を持つ人々に嫌悪感をぶつける事に何の躊躇もなく、おじさんは否定されて当たり前、おじさんは嫌い、おじさんは悲しい存在…といった中高年男性に対する見下し、蔑視感情や差別意識が明白に見られる点で異常であり看過できない状況であると認識している。

こうした社会の実態に呼応するかのように、独身研究家の荒川和久氏執筆の下記の記事がリリースされた。

『40代独身男性の婚活→「身の程知らずだ」「キモい」と非難殺到…。なぜ〈独身中年男性〉ばかりやたらと叩かれるのか?【独身研究家が解説】』

記事中に出てくる「生贄」というワードは象徴的である。人間の原初的な特質として、都合が悪い事を「誰かのせいにしたがる」性質があるのは確かである。

スイスの深層心理学者であるカール・G・ユングはそうした人間の性質(心の中に潜む要素)を「影(シャドウ)」と呼んだ。深層心理学における「影」とは「自分が生きられなかった半面」である。それは「意識(自我)が否定した要素」でもある。極めて平易に説明すれば、殺人を犯す人間が居たとしたら、そいつは「多くの人が全否定するような人物」であろうし、「自分が生きてない半面」としての「影」としての存在なのである。このように、一般的な現象として、人間は嫌いな奴に(無意識的に)「影」の役割を投影したがるのである。

厄介なのは、「影」を投影されてしまうと、たとえその人に何の落ち度がなくても社会から排除しようとする傾向が出てくることである。人間の無意識は「影」を排除し殲滅しようとする、そのような機能を持っており、それは自分の意思(意識)とは関係なく動いてしまうのだ。世の中にはびこるイジメの問題もここに関係していることは言うまでもない。

荒川氏の記事中では「敵」をグループの外に作って攻撃することでグループ内の結束を高めるという特質が記されていたが、これは中国や北朝鮮、ロシアといった好戦的で常に他国の領土を武力で奪い取ろうとしている専制国家の発想と同じであることに注目して頂きたい。そこの心理的な動きは全く同じである。

ともあれ、現代一般社会の人々、特に女性一般の皆さんは男性一般に対して、この「影」を投影しており、その事に全く無意識である。当然の事として「女尊男卑」の価値観で見下しているのだし、中でも「おじさん」と呼ばれる中高年男性には無意識に「影」の投影が為されているのである。だからあれだけ「おじさん」が嫌いなのだ、彼女たちは。嫌いどころか、中高年男性の存在を全否定する勢いで嫌悪感をぶつけてくる事に躊躇が無い。

人間、影を投影した存在には日々憎しみが深まっていくことで、特別に容赦のない蔑視感情を持ち、社会から排除・抹殺しようと試みるのである。女性一般の多くにそうした傾向が大なり小なり認められる昨今である。

このように書いてくると、現代社会の精神のあり方は相当なまでに狂気の方向に捻じ曲がっているかのように感じられるが、実際その通りなのである。

全く無実の男性が普通に街を歩いているだけで「不審者扱い」されるのは今や当たり前のことになってしまっている。(*2) そうした事象の背景・源流がここにあるのだ。

確かに歴史を振り返れば、社会の色々な場面で男女不平等であった時代は長かった。その反動で仕返しするかの如く、現代の女性一般は男性に対して執拗で容赦ない攻撃をし続けており、それで誰が傷つき潰れようが死に追い詰められようが知ったことではないかのようにやり続けているのである。(*3)

「男女平等」は大切な概念だが、現代女性は「女尊男卑」=「男女平等」と勘違いしているようにも思える。しかもそのことに無意識なので始末が悪い。

現代は男性不遇の時代であり、男性が憲法で保証された人権を享受できない(憲法違反の常態化)事が当たり前の酷い時代となってしまっているのである。




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(*1)
ほとんどヘイトスピーチ並の酷さであった。しかもナレーション以外にコメント欄でこのチャンネル主は「(おじさんという属性について)普通に考えて悲しいじゃないですか」と中高年男性を根本的に哀れな存在として認識している事実を自ら暴露しているのである。しかも驚いたことにその「普通」とは何なのか、「なぜ悲しいのか」の説明ができないのだ。それはつまり価値判断が無意識内で行われている事を意味しており、そのことについて意識化できていないからである。或いはマスメディアが恒常的に行っている「おじさん」を貶めるような番組を見聞している内に無意識内にそうした価値観が植えつけられてしまったか・・・。
もとより、彼女自身よりも人生経験が豊富な先輩に対してリスペクトの欠片も無い点で、今の若年層が常識も礼儀も持っていない事が判る。
こうした諸々の事実から今の若年層は(かつて流行した言葉である)「新人類」どころではない「正体不明な新種の生き物」のように感じられるのである。

(*2)
極めて異常な事態だが、しかしその原因となる「女性や子供に犯罪行為を仕出かす馬鹿野郎な男たち」が存在しているのも事実であり、女性や子供側の警戒心には一定の理解は持てる。こうした大馬鹿な男たちの存在には非常に強い憤りを持っている。彼らのおかげで全く無実である男性たちまでもがとばっちりを受けて不審者や犯罪者扱いされているのである。
また、保護猫や保護犬の譲渡会では中高年男性への譲渡に限って極度に条件が厳しくなっており、事実上、おじさん(中高年層)には犬猫は譲渡されないのである。これもまた、現代社会の歪の一つと言えよう。

(*3)
仕返しという観念に囚われて攻撃することばかり考えているなら、そのバトルは永久に終わらないであろう。そうした低次元な争いから脱却した新しい次元で考え行動しなければ未来は開かれない。だが、女性一般の中にそこまで考えられる聡明な人物はなかなかいない。








Jリーグが誕生した時

2023-05-18 03:27:31 | 社会・政治
1993年(平成5年)5月15日に、日本のプロサッカーリーグ「Jリーグ」がスタートした。それまでもサッカーは存在したしファンも居たのだが、野球に比較すると圧倒的に数が少なく、地味でよく見えない存在であった。それまでは社会のあちこちでサッカーが話題になることはほぼ無かったのである。当時、有名だった釜本選手の名前くらいは一般人でも知っていたが、サッカー全体を熱狂的に応援する人々というものを見た事がなかったのだ。

ところが、この1993年5月5日を境に突然急に「昔から熱血応援してました」「もう20年来のサッカーファンです」という体の熱い人々があちこちから湧いて出てきて驚いたし気持ち悪いと思ったものである。繰り返すが、それまでそんな人々はほぼ見かけなかったから、である。

当時、マスメディアは総出で派手にJリーグの始まりを宣伝しまくった。そのおかげか、日本全土にサッカー熱が普及したのだが、一般人というのはこんなに簡単にメディアに乗せられて(煽られて)しまうのか、と喫驚し恐怖に感じた記憶がある。

「Jリーグの始まり」と言えば、この事象を思い出す。








悪質闇金業者より凶悪な中国

2023-05-17 17:33:00 | 国際
2023年5月13日の産経新聞報道によれば、13日に閉幕したG7財務省会議では、債務問題を抱える途上国の債務の透明性を高めることで合意したと言う。G7、パリクラブ、主要債権国会議で貸付データを世界銀行と共有し、世界銀行が持つ債務国のデータと定期的に照らし合わせる取り組みを拡大させていくことで合意した、とのことである。
今後、主要債権国の中国を巻き込んだ取り組みにしていけるかが焦点となる。世界銀行は13日、これまで債権国が提供したデータを初めて突き合わせた結果、合計65億ドル(8800億円)のズレがあったと発表した。予備的な調査との位置付けではあるが、こうした取り組みを進めるとともに債務データの修正も行う方針、ということだ。

これはつまりどういうことだろうか?

この記事が言わんとしている内容をざっくりと翻訳すると下記のようになる。

「中国が発展途上国に(不当な貸付と言えるような)資金供与をやっているのだが、その金の流れを全部把握していこうという取り組みが始まった」

…ということである。

今回はこの件について評論家で情報史学者でもある江崎道朗氏と経済評論家の須田慎一郎氏の解説を基調にして記してゆく。


発展途上国に対する中国の資金供与(不当な貸付)で有名な事例と言えば、「スリランカに金を貸して返せないものだから、スリランカの港の使用権を強制的に奪う」、というものがあった。この事例は当ブログでも以前取り上げたことがある。下記記事を参照されたい。

『極めて危険な中華思想の野望は現在進行中』


冒頭の記事の件は、中国が悪徳事業者のようなことをやっている実態を徹底的に炙り出して、中国がいかに酷い高利貸しで凶悪な国であるかという実態を途上国に宣伝・告知することが大きな目的の一つである。

それと共に金の流れの実態をクリアに見せていく事も目的である。例えばある国に対して中国から1000億の供与があったとしても、実際はその国の権力者に500億抜かれていた、という事例が実はいっぱいあるのだ。要は中国の資金供与は汚職・腐敗を生み出し、庶民を弾圧する権力者を肥え太らせるだけであり、結果として全体主義を拡大しているだけ、であること・・・そのような実態を調査しよう、というのが今回の意図なのである。

アジア・アフリカ諸国の庶民の人々に「あんたの国の指導者が中国と組んでいる事がどれだけ酷い(ヤバい)ことなのか」を知らせる必要がある、ということだ。それぞれの国の政治的腐敗を止めると共に、「中国と組んだら自分たち(庶民)は弾圧されていくのだ」という実態(*1)を知らせ、自由と民主主義を守る、というのが今回の試みなのであり、なかなか良い取り組みと評価できよう。

ただし・・・これをやられると中国や中国とズブズブな利権政治家たちには脅威であろう。

だから、この取り組みは日本に対してもやった方が良いと思われる。中国利権に群がる腐敗した政治家の実態を知らせる事になるからだ。また、日本の特定事業や企業のメンバーはどのように中国と金の流れがあるのかを明らかにする事にもなる。永田町には中国から不当な利益を貰っている政治家たちが多くいる事が明らかになるのであり、それは良いことである。その意味で、データ共有や透明化は高く評価できよう。




こんな話もある。

突然だが、「たこ焼き」の話をする。

実はたこ焼きに使うタコに日本産は適さないのである。理由は「水分量が少ない」からだ。ならば、何処のタコが適しているのか?

水分量が多いのは、かつてはモロッコのタコであった。現在はモーリタニアのタコが使われているそうだ。

有名なたこ焼きチェーンに「銀だこ」がある。銀だこで仕入れ担当のバイヤーはシンガポールの市場でタコを買ってくるのだが、そこで売られているタコがモーリタニア産のタコなのである。

なぜモーリタニアからわざわざシンガポールを経由するのだろうか?

そこに中国企業が関わっているからである。つまり銀だこのバイヤーがタコを買う相手はモーリタニアではなく中国企業、しかも中国の中でもブラックな会社(バックが中国マフィア)なのである。

そもそも、な話をする。

そもそもモーリタニアのタコ漁は日本が教えてあげて普及させたものである。日本のJICA (国際協力機構)がそれをやったのだ。それまで主要産業もなかったモーリタニアに、色々な試行錯誤の上に「タコ漁が最適」であることを見出して現地人に教えたのはJICA職員であり日本だったのである。

元々、タコ壺漁は日本独特のものであった。それをモーリタニアの稼ぎ頭として輸出商品のトップにまで発展させたのは日本であった。その一方でモーリタニアは中国の「一帯一路」メンバーの国としても知られている。しかも中国からどんどんお金を貸し付けられていて返済できなくなっているのだ。それで「タコ漁の事業」が抵当として中国人企業の手に渡ってしまったのである。

ここからさらに酷くなる。

タコ漁の事業を手に入れた中国企業は「金は払わない」「過酷な労働を強いる」酷い企業であった。当然ながらそれでは労働者も集まらないのである。そこで、刑務所で服役中の受刑者に対して「タコ壺漁に従事するなら刑期を短縮してやる」、として働かせているのである。

そういう訳で、モーリタニアの受刑者が漁をして取ったタコを食べているのが日本人、という構図になっているのだ、現在。(*2) モーリタニアの主要産業であるタコ漁も中国に取られてしまう、という構図…。こうして中国が資金供与、つまり金を貸し付けた国は結果としてどんどん貧しくなっていくのである。なんとも酷い話であるが、このような実例が世界各国で起きているのである。(*3)

こうした実態を看過できない、ということでようやくその実態を調査する機会が来た、というのが冒頭の記事なのである。



なにしろ、資金の流れを徹底的に炙り出して悪徳闇金業者である中国の実態を調査しないと報道もされないのである。その調査の為に財務大臣と中央銀行がタッグを組んでやっていくのは良いことである。
世界中を牛耳って狂気の中華思想の実現にひた走る中国は、「人民元の世界基軸通貨化」を画策しているが、冒頭の取り組みはこれを阻止することにもなるので、中国に依る金融覇権というものに立ち向かうという意味でも有意義な試みと言えよう。


外交とインテリジェンスと経済と軍事を連動させながらどうやって中国を追い詰めていくか…中国の非道ぶりからアジア・アフリカ著国をどう守るか、という話なのである。




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(*1)
中国におけるウイグルや北朝鮮の実態がその実例である。


(*2)
日本はおめでたいので、日本が育てた産業を中国に分捕られた上に、そこからタコを買ってあげて相手の中国マフィアを肥え太らせる、ということを実際に今やっているのである。その意味で日本の政治家も官僚も阿呆ばかりであることがよく分かる。ワケワカメな滅茶苦茶な状況なのである。

(*3)
中国はこうして自分たちの版図を広げて、やがて世界中を中国にしてしまうゴールに向けて、今は途上国を狙い撃ちにしているのだ。中華思想を抱く中国の、これが実態なのである。