Altered Notes

Something New.

永久に変われないテレビ局

2014-03-22 02:03:18 | 放送
インターネットの発達、スマートフォン等のモバイル機器の急速な普及で一般大衆のテレビ番組視聴がだんだん減ってきている現状をテレビ局自身が憂う実状があり、テレビはどうしたらいいのか、どう変わったらいいのか、をテーマに議論する番組が放送された。

「テレビはネットでどこまで変わる?
 ~放送と通信 世界最前線~」
2014年3月21日(金) 22:00~22:50
NHK総合

内容についての具体的詳細は別の方々にまかせるとして、ここでは本質的な部分のみにフォーカスして書いていく。

番組ではインターネットの発達とそれに関連するデバイスの発展と普及に伴って従来型の放送があまり視られなくなってきている現状に対してどうしたらいいのか、を議論していた。しかしインターネットとの融合やその方法についてのいくつかの議論はあったものの、結局「これだ」という結論は出ず、最後には「テレビは相変わらず信頼できる」「テレビ番組は価値がある」「それでもやっぱりテレビが中心」と言う趣旨でかつ苦し紛れの主張しか聞こえてこなかった。パネラー諸氏も”大NHK”に配慮した発言をしていることは充分に伺えた。実のある議論とは到底言えず非常に虚しく説得力は皆無。予想通りだが、これがテレビ屋の限界である。

なぜ限界か?
ここからが本質である。

番組ではテレビが変わる為の小手先のアイディアしか紹介されていない。
テレビを語る上で中心・核となる重要な部分に蓋をしてそこを見ないようにして議論しているから解決案や進むべき方向が皆目見えてこないのである。

テレビ屋の最も本質的で病理的な問題は視聴者を見下したその根本姿勢にある。
彼らは視聴者を「下に」見ることをベースにして全てを発想する。実際、番組内の議論でも一般人を「素人」と呼んで蔑視するパネラーが居た。
一般人を見下しているからこそ良質の番組など生まれるはずもない。良くないから視聴されない。当たり前なのだ。

もう一つはテレビ局が世論操作を目的に番組を作り放送している(特に報道)ことを既に多くの人々が「知っている」ことである。テレビ屋の放送(報道)姿勢がどこかおかしい、どこか変だ、ということは既に多くの人々が知るところとなっている。
社会・世界では様々な事象が発生しているが、どれを報道し、どれを報道しないかはテレビ局の恣意性に委ねられる。この恣意的な選択に放送局のフィルターがかかり、テレビ屋が意図した方向に世の中を誘導しようとしている。これは厳然たる事実である。また、報道される事象についてもテレビ局にとって都合の良い切り口で伝えられることがほとんどであり、これもまた多くの人にとって既知の問題である。(*1)
こうしたテレビ屋の悪意と作意を知っているから多くの人がテレビに見切りをつけて去っていったのだ。

テレビにまつわる色々な事例や事象の根源には全て上記の2つの問題が存在している。だから本気でテレビを変革して視聴者に戻ってきてほしいならこの本質のテーマを避けて議論しても何の意味もないのだ。
ところがテレビ屋が主催する討論番組はすべからくこの根本問題を避けて小手先の変化だけで乗り切ろうとする小賢しく小狡い姿勢ばかり見せられるのだ。

なぜ避けるのか?

テレビ局にとって最も都合が悪い部分であり「説明できない問題」だからである。だからこれを避けて、どうでもいい部分(非本質的要素)をテーマにした議論でお茶を濁す。それで視聴者を騙せると思っているのだ。正に視聴者を見下しているからこそである。

真に良質なコンテンツなら視聴者は黙っていてもついてくる。メディア(媒体)がテレビだからネットだからモバイルだから、という問題ではないのだ。それはここ数年の傾向を見ても明白である。

テレビ局は「変わりたくない」のである。それが本音。

どこまでいってもテレビ屋・放送屋は”自らが変わる(善なる進化)ことで問題を打開する”ことができない。電波という権力を握る旨味、既得権益の上にあぐらをかくことに慣れきってしまっている上に、どうしたら視聴者を騙してテレビに戻ってこさせるか、といった発想しかできないからである。
根性が腐っているのはもちろん、骨の髄まで鬼畜外道な連中・・・それがテレビ屋なのである。

これでは本質的には永久に何も変わらない。
それは間違いない。



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(*1)
こうした実態はあたかも太平洋戦争中のマスコミ(大本営発表報道に代表される嘘と世論操作・洗脳)のあり方との近似を思わせるものがあり、大変不気味な印象がある。
また、テレビ局に依る誘導と書いたが、当然テレビ局の背後に居る大きな存在を我々は考えざるをえない。




雪害に対する政府・行政の不作為

2014-03-01 00:46:45 | 社会・政治
2月中旬、関東地方で大雪が降って大混乱が起きたのだが、政府や地方行政の不作為によって被害がより拡大した、ということがあった。

その日その時、2月14日(金)・15日(土)・16日(日)に安部首相は何をしていたのだろうか。



<3日間の安部総理の動向>

2月14日
「関係省庁災害警戒会議」には出席せず

2月15日 
官邸で羽生選手に電話・午後は自宅へ
(政府では災害警戒・対策会議は開かれず)

2月16日
「関係省庁対策会議」には出席せず
   午前中は自宅で過ごす
   午後は高級天ぷら屋で支援者らと会食
   官邸に寄らずに帰宅



雪は2月14日から降り始めた。そしてこの週末(14~16日)が大変だったのである。
このバレンタインの週末に安部首相はいったい何をしていたのか。

14日には関係省庁災害警戒会議が開かれたのだが、これはただ単に気象予報のデータを皆で確認し合うような会議だ。古屋防災大臣は出席したが安部総理は出ていない。

15日には官邸で五輪のメダリスト羽生選手と電話をしたのだが、その後官邸に詰めることもなく帰宅している。

16日には関係省庁対策会議が開かれているが、これもそれほど緊急のものではなく、従ってここにも出席していない。ずっと私邸で過ごして官邸に詰めることも無く、夕方は高級天ぷら屋で支援者と会食したのだが、これが批判の対象となった。



次にインターネット上の情報発信について。

安倍総理はSNSも利用している。



[安部首相のFacebook・Twitter動向]
官邸のホームページ、Facebook、Twitter(災害アカウント)のいずれも14日~16日の間に一切の情報発信は無かった。


[NHKも沈黙]
最も被害甚大だった15日だが、NHKはオリンピック番組を変更しなかった。
放送時間はオリンピックが11時間54分で、それに対して豪雪緊急ニュースはたったの47分であった。



官邸のFacebook、Twitterは90万人もフォロワーがある。それだけ非常時の情報提供に期待感があったのだが、肝心な14~16日の間にいずれも一切の情報発信が無かった。完全にお休み状態である。この三日間、長時間を大雪の中、車の中で過ごさざるを得なくて凍死した人だっているのに、である。

信じがたい話だが、NHKもこの間はずっと沈黙を続けた。
NHKはオリンピックの放送に11時間45分も割いているのだが、豪雪ニュースは47分しか無かった。事態は放送法で定められている「災害報道」をしなければならない状況であったにも関わらず、である。
結局「報道しなかった」事の背景にはNHK経営委員などの問題もあると思われる。責任は重い。



[政府・自治体の長の不作為]

災害の前例との違いに山梨の人は非常に憤りを感じていた。
前例とは昨年7月の山口・島根における豪雨災害である。



[7/28 山口・島根両県で豪雨災害]

この時、官邸Teitter・Facebookは当日に「最大級の警戒」と情報発信している。
さらに被害から1週間後の8/4には安部首相自ら被災地を視察しているのである。



この時の政府対応との差を見れば、山梨県の人々の怒りも充分に理解できるし当然だと思える。



この大雪で、東京では奥多摩町と檜原村で600世帯 1,200人が孤立した。
これは23日にようやく孤立が解消されたのだが、解消までに10日近くかかっているのだ。

舛添都知事は先般の選挙戦では「東京を世界一の防災都市に」と言いながら現地視察をしないままであった。舛添氏は「多摩地域を重要視する」を掲げて当選しているにも関わらず、である。

実際のところはどうだったのだろうか…。

15日・16日は舛添氏は登庁しなかったと一部新聞では報道されている。
奥多摩町長と檜原村長との面談は20日のたった1回のみで、しかも立川で面談しているのである。つまり結局現地の視察はしないままソチへ行ってしまったのだ。


酷いものだが、しかしもっと酷い人物がいる。
それは埼玉県の上田知事だ。


埼玉県秩父市は大変な豪雪となって、かなりのピンチという状況になっていた、
そこで秩父市は埼玉県に対して自衛隊派遣を15日から17日にかけて再三要請したのだが、驚くことに県はその要請を全て断っていたのである。

それで秩父市長は自分のブログで
「断られています。今、大変な窮地です!」
という悲鳴のメッセージをアップした。それで広く事態が知られることとなった。


では上田知事は16日にいったい何をしていたのであろうか。

上田知事は16日あろうことか「第2回さいたまクイズ王決定戦」の決勝戦に出席していたのである。ここでは県職員らで構成する「SKT48」チームが優勝しており、上田知事は表彰式でこのチームを祝福している。
だが、このチームが優勝できたのは、前回大会優勝チームが大雪の影響で会場に来ることができず棄権した結果なのである。だから全ての関係者が大雪による切迫した事態は知っていた筈なのだ。にも関わらず、上田知事はクイズ大会に出席しており、しかも自衛隊派遣を断っていたのである。

本当に酷い話である。



しかし中には迅速に動いた知事も居た。
新潟県の泉田知事である。


[新潟県・泉田知事の動き]
16日には除雪車と作業員の覇権を決定している。
18日には埼玉県の要請を受けてすぐに派遣した。

山梨県民はこのヘルプを歓迎した。
新潟と山梨と言えば上杉謙信と武田信玄の故事である。
ライバル・武田信玄に塩を送った越後の上杉謙信のイメージが重ねられて、泉田知事は各方面から多大なリスペクトを受けている。


泉田知事としては、自分のエリア、つまり新潟県はさしたる雪害も無かった。雪には慣れている上に除雪車も所有しているし作業員・職員もいる。そのようなベースがあって、16日には派遣を決定し、18日には山梨・埼玉に除雪車を持って行って除雪を開始したのだ。「自衛隊以上の活躍ではないか!」と称賛されたのも頷ける話である。山梨の人はとても感激したのだ。当然である。

実はこのようなドラマがあったのだ。


しかし・・・これらの事実をNHKは全然取り上げなかった。これは非常に奇妙である。
なぜマスコミは雪害を報じなかったのか。
これはソチ・オリンピックが重なった事が大きかったことと、政府が全く対応しなかった事に依る。
それで大した事態ではない、と思い込んだ部分もあったようである。

それでも奇妙な点が残る。
山梨の人たちはとにかく大変な状況下にあったので、NHKの山梨支局に実際の状況をちゃんと報道するよう要請した。しかしNHK山梨支局が言うには「中央(NHK本局)に要請しているのだが、中央は全然聞き入れてくれない」、と。本放送で全然流してくれない、と言うのだ。自分たち(山梨支局)ではどうすることもできない、という苦しい状態だったのである。


由々しき問題だが、これは様々な角度からきちんと検証すべきであろう。


現在のNHKは経営委員以下、少しおかしくなっているように見受けられる。
襟を正して任務の遂行にあたるべきである。公共放送なのであり、その自覚が強く求められるのだ。
放送法で「災害報道をやらなくてはならない」と定められているのだからそこはきちんと対応すべきである。これは現場というよりはトップの判断の問題であろう。特に今回の雪害では20人近くの人が亡くなられているにも関わらずあの体たらくである。こんなことが繰り返されてはならない。