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菅総理:所信表明演説について

2020-10-29 22:58:22 | 社会・政治
菅総理の所信表明演説について経済学者で大学教授の高橋洋一氏が解説しているので、その内容を中心に紹介する。

今回の所信表明演説は非常に菅氏らしい内容になっていた。この演説に対して、野党と一部マスコミはどのようにコメントして良いのか判らないのではないだろうか。
…というのは、中味が超具体的過ぎて対立軸が示しにくいからである。

「携帯電話料金の値下げ」・・・これの対立軸は「携帯電話料金の値上げ」になるが、これは言いにくい。

「不妊治療の助成」・・・これも対立軸は言いにくい。「助成なんかせずに勝手にやれ」とは言いにくい。

このようなパターンばかりである。一つ一つの項目を見ていくと反論がしにくい、ということがある。野党や一部マスコミは攻めにくいであろう。

では、マスコミはどのように攻めているかと言うと、「読み違いがあった」…こんなレベルである。(蔑笑)
読み違いくらいあるだろうに…人間だもの。(©みつを)

東京新聞の場合は菅総理の演説が全部終わる前に報道してしまった。もちろん新聞社には事前に原稿を渡してあるのが普通だ。東京新聞は演説終了する前に出してしまったのである。批判することもできず、やることがないのでフライングで報道するくらいしかなかったのであろうか。

野党も同様だ。
立憲民主党の福山哲郎幹事長などは「中身がない」と言うのだが、中身のない人に「中身がない」と言われましても…なところだ。そんなことより「質問しろ」ってことである。要するに質問できないから「中身がない」といった意味のない批判の文言しか言えないのである。なぜなら、前述のように「対立軸が示しにくい」からである。「逆のこと」が言えないのだ。「デジタル庁を作ります」に対して「作るな」とは言えないからである。

こうした具体的な話ばかりなのは菅氏らしい、と言える。具体的な話であっても、すぐにできない案件に対しては「遅い」と文句も付けられるが、もうほとんど出来ているような話ばかりなので文句も付けられないのだ。

環境問題(温室効果ガス等々)に関しては、唯一具体性が無かったと言える。それは将来の話だからである。温室効果ガスの件についてはパリ協定があって、2030年までは世界各国約束して終わっていることだ。もちろんアメリカは抜けてしまったのだが…。それで、そこから以降の話が何の取り決めもない状態にあるのだ。なので世界各国それぞれが勝手に発言しているのが現状である。ヨーロッパの方は「2050年までになくしましょう」とか、そういう話をしているところである。これも「欧州側の勝手な話としてはそうなっている」というエクスキューズ付きの話だ。この件では中国も(勝手な国なので)同じようなことを言い出している。2050年というのは随分先の話であり、そういう意味では具体性と言うよりは「気合い」の話でもある。中国は「2060年までにゼロにしましょう」と国連で発言した。それに対してトランプ大統領は(既に枠組みからは抜けているので)何も言わない。一方、日本は何も(新しい事は)言わないまま残っているのである。現状では日本は「2050年までになくしましょう」とヨーロッパと同じようなことを言っている。なので、それぞれパリ協定以降の話は色々なことを適当に言っているので、そこに合わせただけ、ということである。「具体性がない」とか言われるかもしれないが、それは世界どこでも皆同じで「具体性はない」のである。2050年の話だからだ。要は「合わせて言っている」ということだ。逆に合わせて言わないと国際会議で叩かれるかもしれないのである。それを踏まえると賢明な言い方であると言えるだろう。

上述のように、実際の所信表明演説をする前に新聞社等に先に原稿を渡しているのは、新聞社が後で記事原稿の作成をしやすいように、という配慮である。今回のような原稿の場合は「演説後解禁」と書かれていて、演説が終了した後から記事にして報道できる事になる。そうしないと新聞社の人が原稿を作れないからであり、このような慣行は多い。今の時代なら、はっきり言えば「演説後にインターネットに流せばそれで終わり」にできる筈である。デジタル化が進めばそういう形も実現できるだろうが、現状のこれは「紙の時代の名残り」と言えよう。

ついでに言うと、内閣の組閣時にも早く報道が出てしまうことがあるが、これは多くの場合、大臣に指名してもらった人物がつい嬉しくて自分でリークしてしまうケースがほとんどである。マスコミは組閣時の内閣の布陣をできるだけ早く発表したがるが、その早さにほぼ意味はない。どのみち判ることであり、少しばかり早く判ったところで何の意味もないし、正直言って「誰得?」なことである。要はマスコミの自己満足、ということだ。
これからの時代は、デジタル化が進むことで「リークからの速報/特ダネ」というマスコミ伝統の手法もなくなるのではないだろうか。

このような所信表明演説を受けて今後の国会論戦になるのだが、国会は実際にどのような情勢・状況になるのだろうか。野党にしてみれば「日本学術会議」しかやることがないので大変かもしれない。(蔑笑)
「学問の自由」で走り出してしまったので余計に大変かもしれないのだ。ちなみに学術会議のメンバーであってもなくても日本の学者にはいつでもどこでも「学問の自由」はある。厳然として「ある」。これはほとんどの人の共通する見解であろう事は間違いない。

野党は「学問の自由ガー」と喚くのだが、日本学術会議は左翼系の学者が居て、その人たちが今回「任命されなかった」事で大騒ぎしているのである。選ばれなかった彼らは共産党など左翼系の政党にとってはお抱え学者なので「任命されないと大変だ」と騒いでいるだけである。

だが、しかし。

そう騒ぐ人たちには「公務員(*1)になれないと学問の自由はないのですか?」と逆質問したら文句を言っている学者の皆さんは困ってしまうだろう。本来ならば欧米並みに「国家機関ではなく民間組織にして、公務員ではなくしておいて補助金を与えれば良い」で終わってしまう問題でもあるのだ。その程度の話を、野党とマスコミはさも大問題ででもあるかのようにギャースカピースカ騒いでいるのだが、もはや滑稽としか言いようがない。


話は戻るが、所信表明演説に際してマスコミは「字を読み間違った」とか「菅氏が6ヶ所間違った」とか色々言っているのだが、もはやこんなレベルのことしか言うことが無くなってしまったのである。(蔑笑)・・・だからそのために「先に原稿を配布してるだろ?」ということである。日本のマスコミは結局この程度・・・ということなのであった。




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(*1)
日本学術会議会員は国からのお金が出てるので公務員という立場になる。





「千人計画」の概要 そして中国に依る隠蔽

2020-10-28 23:03:03 | 国際
最近では日本学術会議との関係も取り沙汰されている中国の「千人計画」であるが、そもそも「千人計画」とはどのようなものなのだろうか。この件に関して作家で中国ウォッチャーとして活躍する石平氏が解説しているので、その内容を紹介する。


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[中国「千人計画」とは]

(1)2008年、中国共産党中央弁公庁が「海外高レベル人財導入計画」を発表、
「国家的発展目標」に基づいて「高レベル人材千人の導入」に号令をかけた。

(2)中国共産党中央組織部において専門機構が設置され、「千人計画」の実施を担当
中央統一戦線部・科学技術部・中国科学院・公安部・財政部などで協力体制を敷いた。

(3)中国共産党・科学技術部部門・秘密警察の三位一体で「計画」を実施
利益誘導・秘密工作で海外から人材の引き抜き工作を実施。

(4)計画実施から2018年3月までに7604名を引き抜いて導入した
既に「千人」のスケールは超えており、「万人計画」と呼ぶべきものとなっている。

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上記の(2)で喫驚するのは公安部が入っていること。人材を導入するだけなのに不思議である。
なぜ公安部が入ってくるのか?
ここは大きなポイントである。

公安部とはすなわち秘密警察…スパイである。
秘密警察の役割は、海外で彼らが目をつけた科学技術者などの高レベル人材にアプローチしたり
罠にかけたり、各種の利益誘導をするなどの活動だ。


以下は「千人計画」の概要であり、この内容は中国の共産党中央弁公庁が出した通達に記されているものである。

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[「千人計画」が導入する「高レベル人材」]

(1)海外の著名大学・科学技術研究機関で教授とそれに相当するポストの科学技術者・専門家

(2)国際著名企業で「高級職務」を担当する技術者

(3)自らが知的財産権や核心的技術を持っている技術者

(4)「先端頭脳狩り」を通して、世界全体から各分野の先端研究・核心技術を獲得
最小限のコストで最大限の知的財産権を手に入れる

(5)国家的「引き抜き」で世界の先端技術を盗み取る

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このような「千人計画」の発想は実はかなり昔からあったものである。「千人計画」の原型は1960年代の中国共産党政権が進めた「核兵器開発」にその発端がある。

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[中国の核兵器開発と3名の帰国科学者]

(1)1964年6月、中国は新疆地域にて初の原爆実験に成功

(2)1967年6月、中国は初の水爆実験に成功

(3)1966年12月、初の中距離弾道ミサイル(東風3号)の発射実験に成功

(4)こうした核兵器開発の現場で中心的な役割を果たしたのは、アメリカなど海外から導入した3名のトップクラスの科学頭脳である。

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上記の(1)にあるように、核実験は漢民族の居住地域ではなく、ウィグル人の居住地域で行っている。その後も全ての核実験は漢民族地域ではやらず少数民族の居住地域で行っている。

そして、核兵器が出来てもそれを運ぶミサイルの精度が高く無ければ使えないのだが、もちろんこの分野にも科学技術者を充当している。

(4)に記されたように、これらの開発には海外から高レベル技術者が招かれているのだが、特に中心的な存在となった3名の科学技術者が居たので、これを紹介する。

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[1:銭三強]

中国浙江省出身。原子核物理学者、中国第1回原爆実験を指導した。

(1)1937年、公費留学生としてフランスに留学し、ジョリオ・キュリー夫妻の下で核分裂に関する県有・実験に従事した。

(2)1949年帰国。中共政権の下で党員科学者として科学院近代物理研究所長、同原子力研究所長、中国科学院副秘書長などを歴任した。1964年10月に成功した中国第1回原爆実験を指導している。

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(1)に記されたように、よりによってキュリー夫妻の下で核分裂技術研究の中心に居たようである。


核実験の現場で指導していた人物はもうひとりいる。それが次に記す人物だ。

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[2:鄧稼先]

中国安徽省出身。原子核物理学者、中国核兵器開発の第一人者。

(1)1948年から50年、米国パデュー大学(Purdue University)に留学し、物理学博士学位を取得している。

(2)1950年帰国。1956年に共産党に入党。核工業部第九研究院で院長として原子爆弾、水素爆弾の研究開発を任され、原爆理論を完成した上、核実験の爆発模擬実験を主導した。生前には計32回の核実験に参与している。

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この鄧稼先は、彼が居なかったら中国の核開発はうまくいかなかった…というくらいの人物である。

3人目は中国のミサイル開発を進めた人物である。

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[3:銭学森]

中国上海出身。ロケット科学者、中国「ミサイル開発の父」

(1)1935年アメリカ合衆国に留学、マサチューセッツ工科大学(MIT)で修士、カリフォルニア工科大学で博士学位取得、1947~49年両大学の教授を務めた。1949年カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)で所員。

(2)第2次世界大戦後にロケット調査の為にドイツに派遣され、一時アメリカ海軍の顧問を務め、アメリカの軍事技術にも通ずると言われた。

(3)1955年、中共政権は米軍捕虜との交換で銭学森を帰国させ、以来、国防部第五研究所院長などを歴任、中国の軍事ミサイルの開発に尽力。

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銭学森は、(2)で記したようにドイツにも派遣されている。ドイツはロケット開発では進んでいた
ので、戦後アメリカがドイツが開発したロケットの調査をしに行ったのだが、その時に銭も派遣されたのである。その時、彼はアメリカ海軍の顧問を務めて、アメリカの軍事技術に相当通じていると言われていた。


この銭学森は中国からすれば非常に欲しい人材の一人である。彼自身も中国への帰国を希望していたが、アメリカはそれを止めていたのである。高い技術力を持っているので、それほどの人材が中国に帰国してしまったら大変なことになることはアメリカも判っていたのだ。

すったもんだがあったが、最後はアメリカと中国の間で取引が行われることになった。朝鮮戦争の時に捕虜になってしまったアメリカ兵が十数名ほど中国に抑留されていたが、その捕虜との交換という形で中国は銭の帰国を要求したのであった。アメリカは人道主義の国なので、やむを得ず中国の交換条件を飲んだ。それによって銭は中国へ帰国した。

その後、彼は中国のミサイル開発の中心的な役割を担った。アメリカにしてみれば極めて痛恨な事態であり、せっかくアメリカが育ててアメリカの軍事技術にも通じるミサイルの専門家を中国に渡したことでアメリカは困ったことになる。

帰国後の銭は中国人民解放軍でミサイル開発に尽力した。そこで開発されたミサイルの半分以上はアメリカに向けられているのである。


最近の時事通信の記事では『中国、ミサイル実験「世界最多」急速な戦力拡大警告-米報告書』となっているが、こうした現状を作る元になったのが銭学森なのである


現在の中国に於ける軍事技術の充実に貢献したのは上述3人の科学技術者である。海外から招いたり呼び戻したりした技術者に依る開発がうまくいった事で、中国はそれを成功体験として中国人外国人問わず海外から優れた頭脳を呼び入れる動きを強める事になる。そして彼らが持つあらゆる分野の核心的技術を入手するようになるのだ。ここから生まれたのが「千人計画」なのである。


こうした動きを放置しておくと、最終的に中国は非常に恐ろしい国になるであろう。


アメリカも遅まきながら「千人計画」の危険性に気がついて、2018年から「千人計画」に関わった人々の摘発にも乗り出している。

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[米国で摘発された「千人計画」の一部ケース(2018年)]

(1)2018年2月、米国海洋大気庁に勤務の中国系科学者王春が実刑判決を受ける。2010年より「千人計画」に参加し中国側報酬を受けたことで起訴された。

(2)2018年5月、ミシガン州立大学中国系教授、ロボット専門家の席寧が知的財産権窃盗の容疑でFBIに逮捕される。

(3)2018年8月、米国ゼネラル・エレクトリック社、主任エンジニアの鄭小清が逮捕される。会社の機密を中国に漏洩した疑い。

(4)2018年12月、スタンフォード大学の中国系物理学者、「千人計画」参加者の張首晟教授(55)が急死、自殺の可能性。

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(4)の例が示すように、彼らは千人計画に参加することで彼ら自身もまた被害者になる可能性もある。しかしアメリカの知的財産を盗んで中国に漏洩するという行為自体、彼ら自身もまた大きな犯罪行為を行っている事は厳然たる事実なのである。


これが中国共産党が進める「千人計画」の闇の部分である。




アメリカで摘発が始まったことで中国の「千人計画」自体が世界的に広く知られるようになった。恐らくはそれが原因で中国共産党中央政府はこの「千人計画」を隠蔽しようとしている。「無かったこと」にしようとしているのである。

実際、今現在、中国のあらゆるメディアから「千人計画」という文字や表現が全て消されている。当初は鳴り物入りで展開したにも関わらず、である。

報道資料を見ようと思って検索サイトの百度(バイドゥ)で「千人計画」に関するニュースを検索しても検索結果はゼロである。もちろん、普通に「千人計画」に関するWEBサイトの検索をしても検索結果はゼロだ。

中国共産党政権が進めてきた「千人計画」は、現在中国のメディアからは完全に消えている。もちろん「千人計画」を表に出さないように命令したのは中国共産党なのだが、これはどういうことなのだろうか。

それは「臭いものに蓋をした」ということである。

中国自身、「千人計画」にやましさを持っているから消したのである。中国共産党自身が「千人計画」をスパイ行為・泥棒行為と認めているからにほかならないだろう。やましくないのなら正々堂々と出しておけばいいのである。しかし表の世界からは存在を消して完全に地下に潜ってしまったのである。

「千人計画」自体は決して終息したわけではない。目に見えない隠蔽された形でこれからも地下に潜った状態で進められていくであろう。アメリカだけではなく、日本や他の諸外国も従来通りターゲットにされるのは間違いないだろう。


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<2021年1月1日:追記>
「千人計画」に少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが新たに判明した。下記の記事を参照されたい。

中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認






核兵器 / ドリーマー(夢見人)は覚醒すべし

2020-10-26 21:36:00 | 国際
核兵器の開発・製造・保有・使用などを禁じる「核兵器禁止条約」の批准国・地域が10月24日に条約発効の条件である50に達した。従って90日後の2021年1月22日に条約は発効する事になる。この条約を日本が批准しない事について左翼メディアが「核兵器禁止条約に背を向ける日本」などと言い、揃って批判している。

核兵器が無い方が良いのは考えるまでもなく当たり前である。そして筆者も以前は左翼的な価値観を持っていたので左翼の人々が批判する気持ちもよくわかるのである。

だが、ちょっと待ってほしい。(*1)

それは判るのだが、しかし現実をしっかり見据えて日本を取り巻く今の状況をきちんと把握するならば、以前と同じ批判をしている場合じゃない…事に気付く筈である。まともな思考ができる人なら必然的に気付かざるを得ない筈だ。


今の日本が戦後70年以上にわたって戦争しない国でいられたのが憲法9条や非核三原則があるおかげだと思っているなら、その人はドリーマー(夢見る人)である。現実をちゃんと見ずに夢・理想ばかり追っているからそんな見方をしてしまうのだ。

現実には憲法9条があっても昨年はホルムズ海峡タンカー攻撃事件が発生したのだし、中国は尖閣諸島を占領すべく毎日のように公船が日本の領海を平然と侵犯しに来ている。そもそも、タンカーを攻撃する勢力は「日本の憲法には9条という項目があって云々…」という知識すら持っていないだろう。中国は日本の憲法に何が書かれていようと欲深き習近平主席がこうと決めたらその通りに攻めてくる。日本の憲法にどのような理想が描かれていようと中国や中東のテロリストにとっては『そんなの関係ねぇ!(©小島よしお)』である。

9条や非核三原則は確かに理想である。しかしそれは全世界がその価値を尊いと認めた場合にのみ価値を持つ。日本だけが言っているだけではどうにもならない。実際に「憲法9条をもってしても平和は実現できない」・・・残念だがこれが真実である。

上述した「戦後70年以上にわたって戦争しないでこられた」事の本当の理由は日本が「アメリカの核の傘の下」に居たからであり、アメリカと同盟関係にあるからだ。核の傘の下で平和を維持してきた歴史を完全に無視し、現実を一切見ようとしない綺麗事だらけのジャーナリズムが浮世離れした理想を掲げながら政府を批判している訳で、日本のジャーナリズムの限界と罪をここに認識するものである。

今現在、実際に日本の近隣地域には日本を狙っている多数の核ミサイルが実在する。これは紛う方なき現実である。「(核兵器禁止条約を)批准しないのはけしからん」と批判するのなら、ジャーナリズムは現状の中で日本国民の命をどう守るのか、その方法を提示すべきだろう。だが、彼らにはできまい。理想と現実はあまりにも違うのだし、ドリーマーに現実の解決策を発想できる素養は無い。(*2)


今現在、現実の問題として「どうやったら戦争から距離を置いていられるのか」という命題に対して、一つの答えを提示しているのが戦争学である。その内容は当ブログの過去記事にあるのでご参照いただきたい。

「戦争を起こさせない為の確度の高い5つの方法」

軍備の充実の中で核兵器もしっかり持ったら良いのである。しっかり持った上で「使わずに平和を築く」のである。これが最も現実的で実際的な「解」と言えるだろう。



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(*1)
「だが、ちょっと待ってほしい」とは、朝日新聞の記事や社説でしばしば使われる言い回しである。記事上でそこまでに提示された事実から見えてくる概念や結論を否定して、左翼的な独自の結論へ転換し導くための常套句だ。これはもはや朝日新聞の伝統芸能とも言えるもので、故・勝谷誠彦氏はこれを「築地をどり」(*1a)と称して笑い飛ばしていた。(東京・築地は朝日新聞本社の所在地である)

(*1)
築地をどりとは、 朝日新聞の論調を「踊り子(朝日記者)全員が左に傾きつつ旋回し、土下座を繰り返す事を特徴とする日本舞踊の流派」に例えたもの。

(*2)
デュープスを含めて日本の左翼的な人々が概ねドリーマーであることは間違いないが、日本のジャーナリズムが「天然のドリーマー」かどうかは極めて疑わしい。ジャーナリズムが望むように日本が核を持たず軍備を減らしていった場合、いったい誰が喜ぶのか? 
それは当然のように中国であり北朝鮮でありロシアだろう。とりわけ中華思想の呪縛が凄まじい中国共産党にとっては日本を侵略して中国に編入し「東海省」にしてしまうには都合が良い事である筈だ。日本のジャーナリズムは中国に喜んでもらう為のプロパガンダに日々勤しんでいるのが実態であり、イギリスの超大手ガーディアン紙に「中国のプロパガンダ新聞」と名指しで批判された毎日新聞(*2a)にとっては喜ばしい展開と言えるのではないだろうか。(蔑笑)

(*2a)
毎日新聞には中国から資金が流れている。ガーディアン紙に依れば、米国や欧州に於いては中国はその国の複数の新聞メディアに資金を投じて「広告(チャイナ・ウォッチ)」を出しているが、日本に対しては、現時点では毎日新聞一社に絞られているそうだ。





愛知県「大村知事リコール運動」に思う

2020-10-25 02:33:33 | 人物
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動が佳境に入ってきている。

リコール運動の発起人である高須クリニック・高須病院(総合病院)を運営する高須克弥氏は全身ガンで闘病中だが精力的に愛知県の街頭に出て署名活動を行っている。

そもそもなぜ大村知事にリコール運動が起きているのだろうか。
血税が投入された昨年開催の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の中の企画展『表現の不自由展・その後』に於いて芸術作品というよりは、はじめから「日本を貶める為の極左勢力のプロパガンダ」としか言いようがない物体が展示された。
この展覧会についての経緯や詳細は

「あいちトリエンナーレ2019 表現の不自由展 問題の核心」

に記してある。

そして、この昭和天皇を極度に侮辱する展示を含む醜悪なプロパガンダを芸術展と称して(すり替えて)公費(税金)を投入して開催した事の責任が問われているのである。判りやすく言うなら「税金を使って昭和天皇と天皇家を侮辱」することで日本そのものを貶めた…ということであり、「これはおかしい」と言わざるを得ない。(*1) もちろん日本軍兵士を愚弄する作品や慰安婦像展示も含めて看過できない問題である。

「あいちトリエンナーレ」開催の最高責任者は大村秀章愛知県知事である。

昭和天皇と天皇家に対する極度の無礼を行っておきながら、大村知事は天皇陛下の即位の礼(2019年10月22日)にしれっと参列している。呆れるほどの恥知らずである。自分がやらかした事の意味と無礼の酷さを自覚できないのだろう。「愚か」としか言いようがない。(*2)

しかも最近になって大村知事はこのイベントに税金を投入することを拒否した名古屋市を訴え、裁判では「あれは公共事業ではない」と支離滅裂な言い訳をしている。滅茶苦茶な人物だ。

このような愚かで厚顔無恥な人物が愛知県の知事を務める事は不適切である。従ってお辞めいただこう、という事で始まったのが「大村知事リコール運動」なのである。

善良なる愛知県民の皆さんは、このリコールを成立させるために愛知県民たる矜持を是非お示しいただきたい、と願うものである。



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(*1)
誤解のないように書いておくが、この芸術展が開催者たちの私費で開催される分には問題無いのである。今回問題になっているのはこれに国費(血税)が使われているからである。日本国民の税金を使って日本をえげつなく貶める展示をやっていたからそれは駄目でしょ、と言っているのだ。

(*2)
大村秀章氏は自民党衆議院議員だった頃からテレビ番組の政治討論などの場でもよく見かけていた人物だ。その時の彼の印象は「普段から何を言ってるのかよく判らない、論点がとっちらかる傾向にある人」というものだが、特にディベートにおいては「旗色が悪くなると訳の判らない話を早口でまくし立てて煙に巻き、議論の本質をすり替えて逃げる」といった印象が強かった。総じて「信用できない人物」という評価をしていたのだった。
訳の判らない話ではぐらかし議論の本質から逃げようとする、という意味ではWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長と似ている、とも言えるだろう。外見も極めてそっくりだったりするのは偶然であろうか。





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<2021年3月16日:追記>
マスコミはリコール運動それ自体はほとんど報道しなかった。左翼に都合の悪い事実は報道しないのだ。報道しないことでトリエンナーレ開催者とそれを支持した大村知事を助けているのである。しかし、リコール運動に悪意を持つ何者かがリコール運動内部に潜入して票の偽造をすることでリコール運動そのものを無効化させるという操作が為された。するとマスコミは手のひらを返したように偽造疑惑を大々的に報道したのである。左翼に都合の良い内容ならフェイクだろうが嘘だろうが報道する。それがマスコミであり、これだけでマスコミの凶悪で卑劣な姿勢が見て取れる。これこそが”下衆の極み”であろう。正に「マスゴミ」と呼ばれる所以である。この問題はきちんと解明されるべきである。






日本国民の命の敵「日本学術会議」

2020-10-24 00:02:02 | 社会・政治
いきなり扇情的なタイトルだと思われるかもしれないが、これが妥当な見解である事を以下に説明する。

当ブログでは先日も日本学術会議について記事を掲載したが、今回の事案についてジャーナリストの門田隆将氏、須田慎一郎氏、科学者の武田邦彦氏、経済学者の飯田泰之氏に依る解説があったのでその内容を中心に記すことにする。

今回の騒動に於いては日本学術会議の闇の部分が徐々に明るみで出ており、彼らから見ればわざわざヤブヘビをやってしまった感もある。その意味で騒ぎ立てる事に眉をひそめる学者達も多かったようである。だが、これは実は日本学術会議のヤバい部分を明るみに出す為にとった菅総理の戦略であった可能性が高い。

それを説明する前に、全ての前提になる部分を示しておく。

そもそも「日本学術会議」って何?という疑問である。

日本のマスメディアは「政府が任命拒否した」ことだけをキャンキャン吠え立てるのだが、そもそも日本学術会議とは何かについてきちんと説明しているメディアはほとんど無い。


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[日本学術会議とは]

会員数210人(6年任期/3年で105人入れ替え/定年70歳)

◆会員の選考と任命
当初   :科学者の投票に依る公選制
1984年以降:学会などが候補者を推薦→総理が任命
2005年以降:選考委員会が推薦→総理が任命
(但し、現行会員は3年毎に新規候補者5人以内で推薦)

◆活動内容
答申:政府からの問いかけに対する回答
勧告:科学的な事柄について政府へ実現を強く勧める
声明:目的遂行の為、特に必要と考える事項について意思などを発表
提言:部・委員会・分科会が実現を臨む意見等を発表

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上記のように会員は210人だが、連携会員というものがあって、こちらは二千人ほどいる。
連携会員は首相が任命せずに、会長が勝手に選考できるシステムになっている。そして、この連携会員の中にファーウェイの顧問をしている人間もいるのである。言うまでもなくファーウェイとは中国人民解放軍そのものと言っていいIT企業である。


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[日本学術会議の基本的な路線]

日本学術会議としては「日本の軍事研究は一切駄目」としておきながら、その一方で「中国の軍事研究は応援せよ」というスタンスで永年やってきている。

日本の大学は文科省から割り当てられて中国の学者がどんどん送り込まれてくるようになっており、その学者たちは日本で軍事に使える研究成果を得て、それを中国へ持ち帰る。そして軍事に応用することで日本を撃破するための兵器が開発される、という事になる。


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[日本学術会議”軍事的安全保障研究”の禁止]

◆過去の声明

1950年:「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明
1967年:「軍事目的の為の科学研究を行わない声明」
2017年:「軍事的安全保障研究に関する声明」
(我々は、大学等の研究機関に於ける軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段に依る国家の安全保障に関わる研究が学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する)


↑これらが日本学術会議が出した声明だが、日本を守るための軍事研究は一切否定しておきながら、その一方で中国の「千人計画」(外国から優秀な頭脳を集めて中国の軍事研究をさせる)に協力していた。2015年には中国人民解放軍と関係の深い中国科学技術協会と協力覚書を署名しているのである。

また、過去には「中国の千人計画に参加している教授」という触れ込みで新聞にもその教授のインタビューが掲載されたこともある。なので、日本学術会議が千人計画に協力し参加しているのは厳然たる事実である。


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日本学術会議が出している声明については、日本学術会議の内部でも問題になっている。というのは、多くの会員の総意で出しているものではないからだ。これに対して「きちんと総会を開いてちゃんと議決を取れ」という主張も内部にはある。だが、その意見には与せずに声明が決定されているのだ。実際に声明内容を決めているのは一部の幹部であると言われている。


日本学術会議のスタンスは、ここ70年間ずっと同じである。1950年に最初の声明を出しており、”戦争目的の研究はしない”としており、ここから始まっているのである。(*1) そして、現在に至るまで科学者にはこの声明がずっと覆いかぶさっているのだ。これ自体が既に学問の自由を阻害しているのではないだろうか。

日本学術会議のせいで心ある研究者が科研費を申請しても「駄目だ」となり、研究成果を学会で発表したら止められてしまう。従って、結局のところ日本という国では学術研究が思うようにできない、という認識が普通になっている。その一方で中国の軍事研究には無条件に協力するというスタンスでずっときているのである。


日本学術会議は昭和24年にできたのだが、その頃は日本は独立国ではなくGHQの支配下にあった。その時の社会状況においては「公職追放」が実施されていた。日本のそれまでの指導者20万人が追放されたのであり、そのパージの後にできたのが日本学術会議である。

20万人の公職追放というのは、要するに根こそぎの追放である。学問の分野でも指導的立場の人間がいなくなってしまった。その後で学術分野に入ってきた人たちはどういう人達であろうか?

2つある。1つは二流の人たちが入ってきた。もう1つは生き残りたいために一夜にして考え方を変えて寝返った人たちである。そうしてできたのが日本学術会議なのである。最初から日本共産党系の色が強い人達がここで主導権を取るようになったのであった。

こうして左翼的な色彩が強い形で日本学術会議はスタートしたのだが、全体が左翼のトーンだった訳ではない。例えば、たとえば国立大学協会の会長でもある筑波大学の総長は
「軍事研究とそうでない研究は分けられないのだから”軍事目的研究の禁止”と謳う事自体おかしい」と主張している。
至極もっともな意見だと思う。学会の中からも、相当な地位にある方からもこうした反対意見が出ているにも関わらず、それが全くすくい上げられないところが最も問題なのである。


現在、マスコミと左翼野党はこの問題で大騒ぎ中であり、馬鹿の一つ覚えのように「学問の自由が~」と繰り返している。だが、これは「学問の自由」とは全く関係ない話だ。(*2)そもそも日本学術会議としては「自分たちの学問をどうするか」というテーマに限って活動していれば良かったものを、実態は全然違っていて、政治に対してずっと口出しをしていたのである。つまり学問云々ではなく政治活動をしていたのだ。彼らを科学者ではなく左翼活動家として捉えるなら”さもありなん”な実態だ。

そもそも、学問の自由というのは内的或いは精神的自由ということであり、自分が研究テーマを選択する時に、平易に言えば研究テーマの選択について誰かから「これをやれ」と矯正されるのではなく、自発的に己の興味と良心でテーマを選んで発表できることが「学問の自由」なのである。その点に於いては今の日本学術会議は学問の自由とは大きくかけ離れているのが実情だ。従って、行政改革に沿って言うならば
「日本学術会議は不要」
ということになる。
いらないのだ。


日本では、戦前には「学術科学会議」という組織があったのだが、この組織はテーマがはっきりしていて、例えば国防のために鉄鋼をどうするか、銅をどうするかとか、機械工作をどうするか、などを考えた。軍部と学問分野と企業が協力しあって日本たのために銅や錫やゴムをどうやって確保するか、どうやって日本を繁栄させるのか、という大きな柱があって、それに各界が協力する、という仕組みがあったのだ。しかし、戦後になると学問が「人類共通のもの」なのか「日本に所属するもの」なのか判らなくなった。これは未だ決着していない。学問は共通の問題だという人は「別に中国人に教えてもいいじゃないか」と言うことになる。それで、中国人に色々教えてあげた結果として、彼らは中国で武器を作って日本を脅かしに来る…こういうことになる。左翼の人は「だけどそれもいいじゃないか」、になってしまうのである。こちらからすれば「何がいいのかさっぱり判らない」のだが。

もう一つの「学問も軍部も産業も一致団結して国民の繁栄に役立つように活動する」というテーマに絞られていればこういう問題はそもそも起こらないのであるが、そこがいつも曖昧でいつまでたってもケリがつかないのである。



なにしろ、最大の問題は「中国が日本国民の命の脅威になっている」ことではないだろうか。例えば、AI、燃料電池、レーダーなどの専門家が中国に誘われて日本から中国に行って研究開発を進める。トヨタ自動車なども燃料電池・AIも両方扱っている企業であり、中国国内で色々研究している。

その結果、どうなったか。

現在の中国は最新の三次元レーダーシステムを使って、中国から東京の特定の場所をピンポイントで狙える巡航ミサイルを飛ばすことができるまでになっている。そのミサイルはレーダーにひっかからない低空をマッハのスピードで飛んで来る上に、地形なども自分で読み取って判断して目標にまっしぐらに突き進んでゆく・・・こういうことが可能になってきたのである。これまでは、防衛省はGPSを使えば巡航ミサイルを阻止できると考えられていたが、今はその上にAIが独自に判断して目標にたどり着くことが可能なミサイルが存在するのだ。

こうした技術について中国は先進的立場にあるのだが、そもそもその技術は日本の頭脳である科学者からもたらされたものなのである。何をか言わんや。


こういう阿呆な事を進めてきたのは文部科学省なのである。文科省が中国の留学生をどんどん入国させて、日本の大学は中国からの留学生を受け入れなくてはお金(交付金)ももらえないようになっている。その留学生が中国に帰って日本向けのミサイルを開発していつでも打てる体制を作っているのだ。なんというナンセンスであろうか。

官僚の中にもいわゆる「チャイナ・スクール」と呼ばれる親中派は多い。そんな連中がせっせと日本と日本人を絶対的な危機に追い込もうとしているのだ。看過できない事態なのである。こうした官僚達もまた日本の「内なる敵」である。


そんな中での日本学術会議であり、今回の「6人の任命拒否」である。

実はこの対応に菅内閣の凄さがあるのではないか、と考えられるのだ。

どういうことか。

今回、任命を拒否したのは、どちらかと言うと文系で、しかも特に安保法などに反対したということではなく、むしろ学会の中で最も尊敬されているような先生を狙い撃ちにしていったのだ。この拒否にショックを受けた学者は多いようである。

しかし、だ。

むしろ、それに依って世間の耳目が集まり議論が一気に進んだのである。

小泉内閣の時から「日本学術会議の改革をせよ」と言っていたにも関わらず、何一つ改革は進んでいないのが実態である。(*3)

今回、これだけ大騒ぎになったことで注目させることに成功し、日本学術会議の存在自体の是非から議論できる空気を作れた事は大きな成果である。こうしたところが菅内閣の真に凄いところと言えるだろう。






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(*1)
そもそも科学技術研究に於いて軍事に応用できるできないの判別は無理なのである。やろうと思えば何でも軍事に応用できるし利用できる。その意味で「日本では軍事技術開発はしない」というのは理が通らない主張であると言える。日本学術会議は始めから「反日的立場で中国にだけ協力したい、しかも国民の税金で」という立場であった事が伺えるのである。そうでなければ彼らの言動と行動の説明はつかないからだ。

(*2)
そもそも日本学術会議は「学問の場」ではないからだ。学問は各研究者の世界で行われており、そこには学問の自由がある。

(*3)
ちなみに高橋洋一氏がまだ小泉内閣の中で官僚をやっていた時に日本学術会議は「民営化だけは勘弁して」と泣きついてきていた。