Altered Notes

Something New.

向谷実版AKB48ナンバー

2023-03-25 00:48:00 | 音楽
日本が誇るジャズ・フュージョン界の大御所の一人である向谷実氏だが、鉄道マニアとしても有名である。趣味が高じてコンピュータソフトや鉄道会社が使用する発車メロディー、業務用シミュレーター、安全設備等の製作なども行う会社を立ち上げ活躍している。

一時期は鉄道の世界に傾倒しすぎて彼が一流のミュージシャンであることを知らない若年層が出てきたせいか、近年になって音楽活動も盛んに行うようになっている。数年前にはドン・グルーシン(kbd)、ハーヴェイ・メイソン(ds)などアメリカの超一流ミュージシャンを呼んで「EAST meets WEST」というコンサートを東京国際フォーラム他のホールで開催している。前述のハーヴェイ・メイソン(ドラム)は1970年代のフュージョン勃興期から活躍するアメリカ西海岸の有名なドラマーであり、当時は「東のガッド、西のメイソン」などと言われて、スティーブ・ガッドと並び称される凄腕のドラマーである。ちなみに、コンサート会場を押さえる為に向谷氏が東京国際フォーラムに電話した時に、相手方が「演奏者は向谷氏の他に誰ですか?」と聞いてきたので、「ドン・グルーシン、ハーヴェイ・メイソン・・・」とメンバーの名前を言ったらビビっていたそうだ。そりゃそうだろう、アメリカでも一流のスタジオミュージシャンばかりで構成されたメンバー故、知ってる人なら「ヒエー!」と声が出るほどのビッグな面子だったのである。

また、近年は元カシオペアのメンバー3人(向谷氏、櫻井哲夫氏(b)、神保彰氏(ds))で かつしかトリオ というバンドを結成して活躍している。

その向谷実氏が過去にAKB48の為に一曲作って提供したことがある。『もうこんなじかん』という曲で、作曲が向谷氏だけあってカシオペア臭がぷんぷん(笑)の実に爽快な曲である。演奏も腕の良いスタジオミュージシャンが参加しており、ホーンやストリングスも入ってリッチなサウンドに仕上がった気持ちの良い音楽になっている。歌唱は当時のAKB48のメンバーであった佐藤亜美菜さん、倉持明日香さん、中村麻里子さんの3人である。

この記事で紹介したいのは、そのAKB48が歌うヴァージョンではなくて、作曲者である向谷実氏自身がピアノで奏でるヴァージョンである。下記のリンク先の映像をお楽しみ頂きたい。

『もうこんなじかん(インストヴァージョン)』

『向谷実「もうこんなじかん」をミノル本人が練習で弾いてみた』

下段リンク先の映像はレコーディングスタジオで練習がてら撮影された映像であり、2テイク+αの演奏が撮影されている。

曲自体は非常に機能的なコード進行をベースに爽快感を感じさせるリズム、テンポ、メロディーで構成されており、ホーンセクションの都会的なアレンジが効いて素晴らしい一曲になっている。カシオペアの曲がそうであったように、この曲もまた生理的な爽快感(無意識的快感)が得られるような構成になっている。だが、いわゆる”売れ線”という言葉で括られる音楽とも異なり、向谷氏なりのモダンな音楽性が込められたものであり、聴き応えのある一曲となっている。








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