前回のことを熟読した皆さんは、きっと次のことを連想されたと思います。
…「日本でもシリアルの再打刻はもうしないのでは?アンティークのシリアルだけではREF.1016の本来の製造年は判らず、それだけを根拠にしただけでは買えず、キャリバームーヴメントのシリアルナンバーまでも考慮に入れなければ正確な製造年は判らなければ安心して買えないのでは?」
…どれもすべて正しいのです。
つまり現在のメーカーの見解では次のことが基本です。
① ミドルケース交換はメーカー側の見解によって新品交換にし、その際に既存のシリアルは再度打刻しない(以前はしていました)。
② キャリバー1560搭載のREF.1016のオーバーホールは基本的には終了した。現在は状態にもよるがキャリバー1570(ハックの有無は問わない)搭載のREF.1016のみメンテナンスを受付ける。
…☆このことから、もしREF.1016を購入するときは以下の点に気をつけてください。
たとえシリアルが3百万番台、4百万番台、5百万番台…だとしても、必ずリューズを引いて秒針が止まる(ハックする)か実際にやってみてください。
キャリバー1570は一部初期にノンハックもありますが、このシリアル群のものはハックします。
ノンハックキャリバー1570の搭載のREF.1016は1965年~70年までの五年間の製造のみといわれておりますが、たいていのニューミドルケースは4百万番台と5百万番台が多いので、キャリバー1570のノンハック搭載とケースナンバーには必然的にズレが生じ、転売するときには「改造品もしくは、価値なし法一」となってしまいます。
一般にムーブメントシリアルとケースシリアルの完全な合致は、問われないので、キャリバー1570のハックモデルなら、安心してケース交換が出来るということですが、場合によっては既存のシリアルより若いナンバーとなって前回の市井の連関表からすれば、製造年が下がるかも知れません(例えは既存が9百万番台→ニューミドルケースが4百万番台に変更)のでお気をつけ下さい。
しかしながら、メーカーが交換用としてストックしてある、ニューミドルケースに打刻してあるシリアルナンバーは何故、時計の組み立てラインから除外されたのか気になりませんか?私は気になりますが。。