海外では、もう5年近くになるでしょうか、ケース交換の際、本来のシリアルナンバーを交換後のケースにも再度打刻し、皆さんがご存知のとおりの〝シリアルナンバーから類推する製造年式〟というものが、購入の大きなポイントとなっていました。
もちろん市井にある〝シリアルナンバーから類推する製造年式〟というものはメーカーの公式見解を発表したものではない、ということは知っておかなければなりません。
私は以前、九龍で、シリアル28*****のREF.1675のアンティークが1975年10月に販売となっていたのを見たことがあります。市井のシリアルの年式表から言えばこの時計の製造年は1969年ごろとなりますが、GMTが6年近くも販売店にストックされているものなのでしょうか。ちょっとこの市井の連関表は疑問です。
ただ、日本の某地方都市に私は4年ほど前(2002年頃)にタツノオトシゴの紙箱に20円切手の貼られた正規保証書請求ハガキのフルセットのデイトジャストREF.1603(1970年代製)が正規店で新品販売されていたのを見たことがあります(三十年間のデッドストック…超不良在庫…です)。
余談ですが、私のインタビューに店主曰く、「このデイトジャストには本来、歩度証明書が付いていてA社(ロレックス取扱正規仲卸会社)の人が持っていってしまいました。それと本来のプラスチック風防はクリスタルに変更となって戻されました…」
ここで興味深いことは、プラ風防をクリスタルガラスに変更したということです。確かにその新品REF.1603にはクリスタルが付いていました。構造上、プラ風防とクリスタルをケースに装着する溝は同じなのではないでしょうか。しかしながらメーカーではこのような変更は改造品として取り扱われるそうです。