フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

涙雨

2012-05-28 23:12:26 | Weblog
日本の三大仇討ちといえば、曾我物語の曾我兄弟、荒木又右衛門の鍵屋の辻の決闘、そしてご存知忠臣蔵です。その一つの曾我十郎、五郎の兄弟が父の仇を打ち、亡くなったのが1193年6月28日ということで、新暦5月28日に菩提寺の城前寺がある小田原で曾我の傘焼きが行われるのです。番がさを集めての傘焼きの行事は、二人が父の仇を打つ際に傘を燃やして松明にした故事に因んで行われるのです。
ところで曾我兄弟の仇討ちといえば、もうひとつ故事があります。それは「虎が雨」です。旧暦の6月28日や新暦の5月28日、この日によく雨が降ったのですが、その雨を誰いうとなく「虎が雨」と呼ぶようになったのです。兄の十郎の恋人の虎御前が、5月28日に十郎が討たれた為に流した涙がその日の雨になったと言うものです。曾我の涙雨とも言うそうです。従ってこの日には日照りに備えてあらかじめ雨乞いを行い、五穀豊饒を願う行事もあるのです。
雨乞いと言う行事があると聞くといつも気になることがあります。それはその行事に参加する人達が雨具を持参するかどうかです。雨乞いを信じて雨具を持ってくる人は素晴らしい(笑)。