フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

コンコンチキチン

2012-07-16 23:46:54 | Weblog
日本の7月といえば、やはり京都です。日本の三大祭『祇園祭』の7月ですからね。しかし今年は梅雨前線が大暴れして、各地に大雨の被害が出て報道の中心が被災地に向いていますので、どうしても忘れがちになります。
この祇園祭は、平等や災害を引き起こすのはこの世に恨みを残す死者の魂のせいだと考えて死者の霊を鎮める行事なのです。祭にまつわる風習はいろいろあり、この切り口が神社の紋に似ているといってキュウリを水神様に供えたり、邪気を祓うチマキが鉾から投げられるのにちなんで家の門口にチマキを吊して病気退散の祈願をします。京都の人が「祇園さん」と呼んでいる神社が八坂神社です。その祭礼が祇園祭なんです。
17日の山鉾巡行の前4日間に祇園囃しの音色が街中で聞かれるのです。その音色が「コンコンチキチン」です。しかしこの音色、現在では心を浮き立たせるもののように受け取っていますが、本来は鉦で疫神を鎮めるものです。不順な天候で各地に被害が出ていますが、今こそ本来の気持ちに立ち返って、災害退散のためのコンコンチキチンにしなければなりませんね。