フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

時代小説

2012-07-03 23:25:03 | Weblog
この所、愛読書が時代小説に戻った感じです。しかしかつて貪り読んだ、司馬遼太郎さんや新田二郎さん、池波正太郎さんの作品、どちらかというと時代のヒーローをテーマにした作品ではなく、創作された人物であっても、真剣に生きた下級武士等がテーマの作品です。
今、マイブームなのは直木賞を受賞した葉室麟さんです。受賞作「蜩ノ記」を初め「秋月記」そして「銀漢の賦」などは一気に読み進みました。また「生きる」で直木賞を受賞した乙川優三郎さんも大好きな作家で最近では「霧の橋」がいい作品でした。
この二人の作風は山本周五郎さん、藤沢周平さんに近いのではないでしょうか。天下国家をどう動かしていくかという壮大な歴史ロマンが戦国時代や明治時代の維新の頃のちょうど真ん中、江戸時代の各藩の中級藩士の生き様を描いた作品が多くあります。つまり大上段に振りかぶる武士道ではなく、江戸幕府のルールの中に生きている武士の覚悟を描いています。こうした作品はむしろ現代に通じる状況といえるでしょう。
ずいぶん勉強になりますから、機会があれば是非読んで見てください。