フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

落合力

2010-06-17 22:47:39 | Weblog
タイトルに釣られてテリー伊藤の「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」という本を一気に読みました。アンチ落合かと思ったのですが、むしろ落合礼讚で、いまこそ日本には落合力が必要だと訴える本になっています。
この本のプロローグにいきなり「あなたは、落合博満が好きですか?」と質問し、テリー伊藤さんは否定的な答えが多いと捉えています。実は私は前から、どこかの前総理のように落合さんの全くぶれない所に興味を持っていました。解説者時代と監督時代で主義主張が変わっていないのが落合力といえるでしょう。この本は落合力こそ今必要だと訴えます。しかし正直いってメディアは余り落合さんに好意的ではないかも知れませんね。リップサービスは全くありませんからね。
好き嫌いといえば、個人の生理的、感覚的な好き嫌いの多様性がいま消えてしまっているかも知れませんよ。マスメディアが好きといえば好き、嫌いといえば嫌いというように、人間の大切な能力である判断力、自分の価値観で判定する力を失いつつあるのではないでしょうか。つまりメディアから流される情報にたよらなければ、自分では何も見つけることが出来ない思考停止状態になってしまっていないかと心配しています。
素直イコールすべてを受け入れるのではなく、自分に正直になることが求められると思うのです。釣られて読んで見たら面白いですよ(笑)。