フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

伝統

2010-06-16 13:41:47 | Weblog
またまた相撲界の大きな不祥事です。耳にたこになっている相撲界の現状ですが、理事長のいうようにすべて膿を出すことが出来るでしょうか?
日本には古きよき伝統がたくさんあります。スポーツでは、柔道や剣道、そして相撲など伝統的な所作から試合が進められるものが多くあります。例えば、蹲居というしゃがむ姿勢はその代表です。
その相撲界は、一時話題になったように、女性が土俵に上がることが出来ないなど伝統に支えられたことがあり、これなどはかなり好意的に受け止められてきましたが、今回の不祥事は伝統的国技としても支えきれない不祥事でしょう。往々にして履き違えてしまうことがありますが、この伝統を守る精神は、昔から同じことを繰り返すことではありません。
卑近な例ですが、伝統的な味を誇る老舗の料理店が今なお人気があるのは、味を守るだけではなく、今にあった味を工夫して加えているからです。相撲界はこうした努力を怠って来たつけが今、来ているのです。伝統を守るということは、矛盾するようですが、新しい感覚、時代にあった感覚を経営に取り入れていくことに尽きるのではないでしょうか。早急に取り組まないと相撲界に子供を送る親はいなくなってしまいます。