フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

隅田川

2008-06-14 20:44:44 | Weblog
1940年の今日、隅田川の勝鬨かちどき橋の完成記念式が行われました。
隅田川といえば、すぐ思い浮かべるのが川開きに行われる花火大会です。1733年から現代まで行われている伝統行事ですが、この花火の趣きを盛り上げるのが「玉屋~」「鍵屋~」の掛け声でしょう。
この「玉屋」という花火屋は「鍵屋」のお弟子さんで、2大花火メーカーとして存在したのはわずか35年間位だったそうです。というのも「玉屋」が後に追放になってしまったといわれています。
さて、打ちあげられた花火に「玉屋~」「鍵屋~」と声を掛ける時、どうして玉屋の花火とわかったのでしょう。
隅田川は江戸時代には大川という名称でしたが、この大川には両国橋がかかっています。この両国橋の上流で打ちあがった花火は「玉屋」の製造したもの。下流が「鍵屋」の製造したもので、それを見て掛け声をあげたのです。そうそう語呂が良かったこともあり、玉屋の方が人気があったそうです。
この花火を日本で最初に見た人は徳川家康といわれています。とはいっても竹筒に火薬をつめて火を噴かせるもので、三河地方にのこる手筒花火の様なものだったのでしょう。
花火の見方として1つ参考にしてみて下さい。かつてインタビューした花火師さんに聞いたのですが、良い花火は同時に着火し、同時に消える、つまり一瞬に咲き、一瞬に消える花火です。残り火をみせないわけですね。
ここにも潔いという日本人に美意識があるのでしょう。