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恵庭の「クラーク博士通り」

2022-02-17 14:04:18 | 恵庭散歩<記念碑・野外彫像・神社仏閣・歴史>

恵庭に「クラーク博士通り」と呼ばれる道がある

恵庭市を通過する国道36号線は現在、恵庭市街を迂回する「恵庭バイパス」となっているが、1996年(平成8)までは市街の中心部を横切っていた。最初の国道は1873年(明治6)に開通した「札幌本道(室蘭街道)」で、この道路を中心に市街地が形成されて行った。二回目の変更は1952年(昭和27)に制定された新道路法に基づく一級国道で、高規格水準の舗装化・直線化が進められ「弾丸道路」と呼ばれた。バイパスが出来るまではこの道路が国道36号線だった。

多くの市民は昔の国道36号線を、現在の国道(恵庭バイパス)に対比して「旧国道」「旧々国道(旧道)」と呼んでいる。恵庭バイパスが完成した後、旧国道は北海道道46号江別恵庭線に組み込まれたが、道道46号と言うよりは旧国道と言った方が分かりやすい。しかし、「旧々国道」と呼ぶのは何とも変な言い方だ。

分かりやすい呼び方はないものかと探していたら、郷土史研究家某氏が「クラーク博士通り」命名運動の顛末を教えてくれた。旧々国道はかつての札幌本道(室蘭街道)であるが、札幌農学校教頭クラーク博士が島松沢で学生たちに「ボーイズ・ビー・アンビシャス!」の言葉を残して帰途に着いた所縁の道路だから博士の名前を残したいとの発想である。町内会や商店街の方々に意見を聴くなどしたが、この名前は定着しなかったようだ。

そんな話を思い出しながら旧々国道を歩いていたら、漁川にかかる恵庭橋の欄干に「クラーク博士通り」「青年よ 大志をいだけ」のプレートがはめ込まれているのを見つけた。当時の名残なのだろう。「クラーク博士通り」はまだ市民権を得ていないと思っていたが、2022年現在、Google Mapsにこの名称が記載されているので愛称として定着するかもしれない。なお、この通りの漁町商店街では「遊ingロード1番街」と名付けて、花いっぱい商店街活動を続けている。これも、かつて栄えた歴史ある通りを活性化しようとする試みである。

道路の名称

道路の名称は、①通称名や愛称名、②道路法の路線名、③都市計画道路名等に大別される。先の「クラーク博士通り」は通称名(愛称名)。通称名は市民の中に定着してこそ通じる名称である。

*道路法の路線名

道路法(昭和27年6月10日法律第180号、最終改正:令和2年5月27日法律第31号)の第三条「道路の種類」には、①高速自動車国道、②一般国道、③都道府県道、④市町村道があると定められている。これは、私たちに馴染みの分類であるが、一方、建築基準法上の道路として開発道路、私道、農道、里道・・・等の分け方もあると言う。

*恵庭を通過する道路

恵庭を通過する道路を整理して置こう。

①高速自動車国道では、「道央自動車道(大沼公園IC~室蘭~千歳~札幌~瀧川~旭川~剣淵IC)」と「道東自動車道(千歳恵庭JCT~本別JCT~阿寒IC・足寄IC)」の2線がある。

②一般国道では、「国道36号線(札幌市~恵庭市~苫小使牧~室蘭市;恵庭バイパス)」「国道453号線(札幌市豊平3-5交差点~恵庭市盤尻~千歳市幌美内~大滝村~伊達市)」の2線がある。

③都道府県道では、主要地方道「北海道道45号恵庭栗山線(恵庭市住吉道道46号交点~栗山町桜が丘国道234号交点)「北海道道46号江別恵庭線(江別市角山国道275交点~北広島市~恵庭市小磯国道36号交点)」「北海道道117号恵庭岳公園線(盤尻国道453号交点から道道46号交点)」の3線があり、一般道道としては「北海道道369号島松停車場線(島松駅~道道46号交点)」「北海道道600号島松千歳線(恵庭市島松~千歳市北信濃)「北海道道1021号恵庭停車場線(恵庭市相生町~恵庭市泉町)」の3線がある。

④市町村道

市町村道名は、通称と公的道路名が混在する。公的には「都市計画道路名」が基本になるようだ。北海道「都市計画道路現況調査書」R3.3.31によれば、恵庭市内37路線が示されている。以下に列挙しておこう(国道、道道の一部が含まれる)。

国道36号、恵庭大通、恵庭公園大通、川沿大通、東1線大通、江別恵庭大通、島松大通、恵南柏木通、戸磯団地通、恵庭駅通、柏木戸磯通、基線通、戸磯黄金通、柏木中通、柏木通、島松駅通、19号通、柏木団地通、中恵庭通、西島松通、茂漁通、寿通、寿中通、団地中央通、団地環状通、恵み野1号通、恵み野2号通、黄金中島通、惠千通、黄金学園通、黄金中通、黄金東通、黄金西通、黄金相生通、相生通、相生中通、恵み野駅通

地区名が入っているので大方はどの辺りか見当がつくが、詳細は関係者でないと分からない。

⑤市街地以外の道路名

一方、市街地以外の道路は「基線」「西1線」「南22号」などの呼称が生きている。この名称は、北海道開拓時代に明治政府が300間(約550m)ごとに道路を造ったことによるもので、南北方向の道路は基線を定め東側に300間ごとに東1線、東2線・・・西側には西1線、西2線・・・とし、東西方向の道路は零号道路を定め南北に同じく300間(約550m)ごとに道路を配置、南1号、南2号・・・、北1号、北2号・・・と称した。現在も国土地理院の地図には道路名(線・号)が示されている。恵庭市近郊で言えば、島松市街地以北の下島松、上山口、春日、漁太、穂栄、林田地区などの道路は、基線(道道45号)から東に東1~3線、西1~8線、零号(長沼市街南端)から南に数え、南9~28号となっている。因みに、舞鶴橋辺りが南12号、国道36号「道の駅」前道路が南24号にあたる。この「号線」名称は広く認識されている。

◆愛称名を付けたい道路

恵庭の市道(都市計画道路名)の中には、先の「旧々国道(旧道)」の他にも愛称を付けたい道路がいくつかある。

例えば、「恵み野1号通」(「南島松1号通(線)」の記載もある)。恵み野住民でも、どの通りの名称か分かる人は少ないだろう。この通りは、恵み野商店会の皆さんが環境整備に努められ、「花のまちづくりコンクール」「住まいのまちなみコンクール」等の受賞歴があり、花壇には折々の花が咲く。市民が集い、観光客を呼ぶためにも通りの愛称があったら素晴らしい。

例えば、「松園通り」(松園線の記載もある)。道の駅から開拓記念公園(松園小学校跡地)に通じる道路。道路拡張や市街地形成で何本かの桜古木は伐採されたが、今も桜並木は見事である。花の拠点(はなふる)も整備されたことだから、開拓記念公園に通じるこの道路にも「歴史の路、松園通り」の愛称を付け、洒落た標識を建てるのは如何だろう。

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