まち遺産を護る
北国に冬が訪れ、雪が舞う季節となった。我が家も庭木の冬囲いを済ませ、除雪道具を物置から引っ張り出して降雪に備える。道路や公的広場は除排雪受託業者が重機を駆使して行うが、玄関や車庫前の除雪は当然のことながら各自の作業。高齢者にとって除雪作業は身に余る重労働だが今年も頑張るしかあるまい。
そんな思いで冬支度をしていた11月末に、IMさんから電話を頂いた。
「記念碑を除雪重機から護る対策をしました」
1.除雪重機から「恵庭村道路元標」を護る
市役所 中恵庭出張所の前庭片隅に「恵庭村道路元標」碑が残されている。この道路元標は昭和7年に設置されたもので、各道路はこの元標が起点になっていた。昭和27年に現行道路法が制定されてからは無用となり放置されているが、恵庭まち遺産としての歴史的価値は高い。
*過日の「えにわ学講座」で講師が語った。
・・・恵庭村道路元標は道道600号島松千歳線に面して建てられている。櫟の木陰に埋もれて、気づく人もない。標石の表面には「恵庭村道路元標」、裏には「昭和七年建設、北海道庁」とある。開拓の時代から第二次世界大戦が終わるまでの55年間、この地は恵庭行政の中心であった。この元標を起点にして道路は四方に延びていた。現行法では道路管理者から見捨てられた存在だが、恵庭市民にとっては歴史のモニュメントと言えよう。標石の角は朽ち、刻まれた文字も崩れそう。立ち姿は除雪の重機から身を守る術もない。崩れ去る前に何とか保存したいものだ。恵庭まち遺産保全の取り組みを提起したい・・・
*ある日、一市民が声を上げた。
「記念碑を護る手立てをしないのか?」
*管理者は動いた。
市民の声を受けて、設置場所の管理者は行動し、除雪重機から石碑を護るために保護標識を立てた(写真)。先ずは第一歩。恵庭の史跡を護る小さな前進となるだろう。
2.護る、これはどう思う?
◆野外彫刻
JR恵庭駅東口に佇む少女像「すずらんに寄せて」。作者は、横浜山下公園の「赤い靴はいてた女の子」など、少女をモチーフにした作品で知られる山本正道。恵庭駅を利用する人々はこの像を意識することがあるのだろうか、行き交う人々は足早に通り過ぎる。そして昼の時間帯、少女は一人ぽつねんと腰を下ろしている。
ある日、この作品にマフラーが巻かれているのに気づいた。木枯らし吹く中で寒かろうと、優しい心の持ち主が自分のマフラーをかけてやる姿が目に浮かぶ。
この行動は是か非か? 貴方はどう思う? 作品を傷つけるのは論外だが、マフラーは許容範囲かもしれない。
野外彫刻は芸術作品であるが、街中の彫像は市民に愛されて存在価値があるとも言えよう。
◆地蔵さんも寒かろう
路傍の地蔵さんが帽子と前垂れ(涎掛け)を着けているのをよく見かける。
写真は龍仙寺の六地蔵。冬来りて防寒着を纏っている。
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