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春の先駆け「クロッカス」「ふきのとう」、恵庭の花-29

2022-04-05 13:32:59 | 恵庭散歩<花のまち、花だより、自然観察>

雪解けが遅れた庭に春告花「クロッカス」と「ふきのとう」

2022年4月4日、雪の重みで折れた庭木の枝でも片付けようかと、春の陽ざしに誘われて庭に出る。昨冬は記録に残る大雪だったので庭の片隅にまだ残雪があるものの、「クロッカス」が咲きだし「ふきのとう」が目を出しているのを見つけた。

開花はまだ数株で、一面に花開くのはもう少し先のことだが、わが家の「春告花」クロッカスは今年も健在である。

◆クロッカス

拙ブログ「恵庭の花-17 クロッカス(花サフラン)、2018.3.31」でも触れているが、クロッカスはアヤメ科(Iridaceae)、クロッカス属(Crocus)で学名はCrocus L、秋植え球根植物。原産地は地中海からトルコにかけての地域と言われる。

晩秋に咲き、花を薬用やスパイスに使うサフラン(Crocus sativus L.)と同属であるが、早春に咲き、観賞用のみに栽培されるクロッカスを春サフラン、花サフランなどと呼んでいる。クロッカスの名前は、雄しべの先が糸のように見えることから、「糸」を意味するギリシャ語からきているのだと言う。

球根は直径4cmくらいの球茎で、花はほとんど地上すれすれのところに咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなどがある。クリサントゥスCrocus chrysanthusを原種とする黄色種と、ヴェルヌスC. vernusを原種とする白・紫系の品種とは植物学上別種だが、通常は同一種として扱われる。

花言葉は、早春に花咲く姿から連想した「信頼」「青春の喜び」、ギリシャ神話に由来する「愛したことを後悔する」など。ギリシャ神話には、「美青年クロッカスは羊飼いの娘と恋仲だったが、神々の反対にあい悲嘆のあげく自殺してしまった。クロッカスをあわれに思った花の神フローラは、彼の亡骸をこの花に変えた」との伝説があるそうな。

寒さに強く、日当たりと水はけの良いところなら、植えっぱなしでもよく生育するほど丈夫と言われるが、わが家のクロッカスも植えっぱなし。周辺はまだ緑のカケラもないのに、健気に花開く。

 ◆ふきのとう(蕗の薹)

旬は2月~3月とされるが、北海道では3月~4月。蕾の状態で採取され、ほろ苦い味と特有の香りが好まれる。そのまま天ぷらや、アク抜きしてから煮物、和え物、味噌汁、ふきのとう味噌に調理して食べられる。子供の頃も毎年のように、祖母が野に生える「ふきのとう」を摘んできては、美味しいからと勧めてくれたが「苦い」と感じた記憶だけが残っている。それも何時の間にか春には欠かせない食材、好物となってしまった。

「ふきのとう」のことを、津軽弁で「ばっけ」、秋田弁で「ばっけ」「ばんけ」「ばっきゃ」、庄内弁で「ばんけ」、アイヌ語は「マカヨ」と言うらしい。英語では特別な単語はなく、「フキの花茎a butterbur scape、the flower stalk of a butterbur」と呼ぶ。

因みに、フキ(蕗、苳、款冬、菜蕗、学名Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim.、英名Japanese Butterbur、Fuki)は、キク科フキ属の多年草。日本原産で、北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布し、樺太、朝鮮半島や中国でも見られる。土手や道端、原野、河川の中洲や川岸など、やや湿ったところに自生する。

栽培種もあるが、昔から最もポピュラーな野草の一つ。わが家では裏庭に栽植したフキが群生している。

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