竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

万葉集 集歌1902から集歌1906まで

2021年06月10日 | 新訓 万葉集
集歌一九〇二 
原文 春野尓 霞棚引 咲花乃 如是成二手尓 不逢君可母
訓読 春し野に霞たなびき咲く花のかくなるまでに逢はぬ君かも
私訳 春の野に霞が棚引き、咲く花がこのように満開になるまで、逢えない貴兄よ。

集歌一九〇三 
原文 吾瀬子尓 吾戀良久者 奥山之 馬酔花之 今盛有
訓読 吾(あ)が背子に吾(あ)が恋ふらくは奥山(おくやま)し馬酔木(あしび)し花し今盛りなり
私訳 私の愛しい貴方に私が恋い慕う、その思いは、奥山に咲く馬酔木の花のように今が盛りです。

集歌一九〇四 
原文 梅花 四垂柳尓 折雜 花尓供養者 君尓相可毛
訓読 梅の花しだり柳に折り交(まじ)へ花に供養(たむけ)なば君に逢はむかも
私訳 梅の花をしだれ柳に手折り交ぜて、花祭りに仏に供え祈ったなら貴方に逢えるでしょうか。

集歌一九〇五 
原文 姫部思 咲野尓生 白管自 不知事以 所言之吾背
訓読 女郎花(をみなえし)咲く野に生(お)ふる白つつじ知らぬこともち言(い)はえし吾(あ)が背
私訳 女郎花が咲く野に生える白つつじ、その言葉のひびきではありませんが、知(し)らないことで噂された私の愛しい貴方。

集歌一九〇六 
原文 梅花 吾者不令落 青丹吉 平城之人 来管見之根
訓読 梅の花吾(われ)は散らさじあをによし平城(やまと)し人も来つつ見るしね
私訳 梅の花、私はそれを散らすことはしません。青葉が照り輝く奈良の都にいる人もやって来て眺めるようにと。
コメント
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