麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

マタギとカモシカとイカロスと。

2009年03月08日 | 東演
 1/13付弊ブログで、ツキノワグマを「イタズ」というのを熊谷達也氏の短編で知ったと書いたが、それは集英社文庫「山背郷」収録の『旅マタギ』という作品だ。
 題名通り、マタギのなんたるかが、さすが史上初めて直木と周五郎ダブル受賞を成し得た作家らしいタッチで描かれた好編なのだが。

 こんなことも初めて知った。
【マタギが追いかける大型獣は、もともとはクマよりもカモシカが主体だった。肉そのものが美味であることに加え(中略)クマとは違って相手から逆襲を食らう危険もない。】
 それが乱獲による個体の減少を受け、カモシカは狩猟獣から保護対象となり、マタギ=クマ狩りという印象を強めた、と。

 この話は、ひとつの知識に止まらない。

 東演は僕が入団する前には、一般向けの芝居と平行して、いわゆる青少年向けの作品も作っていた。
 学校の芸術鑑賞教室や地域での親子鑑賞(具体的には一時代を築いたおやこ劇場運動が主体)で取り上げられる舞台である。

 少子化に伴う外的要因と、座内の物理的人員の問題が複雑に絡み合って、撤退に至ったそうだが、マタギの歴史の中に、たとえば上記のような演劇界の問題が透けて見えたということだ。

 そして、現状を単なる「完了形」として終えるのではなく、再チャレンジできればと考えている。

 既に『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』には、学校公演やおやこ劇場での実績があるから、もっともっと“若い世代”に広げていきたい作品だ。

 そして、次回作品『翔べ!イカロスの翼』も。

 5月に紀伊國屋サザンシアターで公演する、創立五〇周年記念公演第2弾。
 既に繰り返し書いてきたが、80年代半ばからの約十年に全国津々浦々を巡演した脚本/小松幹生、演出/野部靖夫(後に津田英三)バージョンとは一線を画した“新作”として届けるつもりである。

 そのキャスティングが間もなく決定する!
 いよいよ『イカロス』は、本格始動する。
コメント
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