クルマのサスペンションと長いお付き合い

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検証 バランススロットル65 安定と不安定の境目

2013-02-01 14:21:27 | バランススロットル

自動車を氷上に乗り入れて走らせると、路面ミューが0.2前後と低いから
注意して走らせてもツツーとなる。
1.5トン超の目方をうらめしく思ったり、物体は進んで来た方向を
保とうとするのを実感することが出来るのはいいけど、ノーコン状態は正直こわい。
安定の中で走らせようと思うなら、路面ミューの上限を越えない走りの組み立て・・・と
言うのは当たり前の話。
ところが路面ミュー0.2は自分の足で歩いても、気を付けていないと危ういし無理は出来ない。
そんな路面上を車で走るとなると、慎重の上にも慎重さが必要となる。
安定領域を探すのは、これまたむつかしいと言えるが、ここで考えてみたいのは
車側の不安定とドライビングによる不安定。
どういうことかと言えば、直進性がよくなくて進路がフラツク、ワダチの走破性がよくない、
アンダーオーバーがハッキリしている、操舵のタイミングとロールのタイミングがシンクロしない、
ライントレース性が良くない、など車側の仕上げが中途半端な場合と
速度の管理が甘い、間違った操作をしている、修正操作が適切でない、などが
不安定な動きの元と考えられる。
これについては低ミューに限らず、その車、そのドライバーが元々持ち合わせた性格的なものと
言えるが、氷上という低ミュー路で、時間軸を大きく取ったときに見えてくる走りの結果でもある。
ケツが流れたらカウンターステアーを当てる、
オーバースピードでコーナーに入ればアンダーステアーの回復を待つ、
アクセルを開けるとラインが大きくふくらむ、これらの動きは低ミューなら、一見自然な成り行きに
思えるが、これは不安定な動きを誘いに行っている行動(運転)とも言える。
ミューの限界がわかるなら、それを越えないようにするのが正しいコントロール。
不安定を察知し、その境目を越さないドライビングが安定領域を保つ、とも言える。
氷上ドライビングは、そのドライバーが持つセンサー能力、ドライビング技術の精度、
車両運動の理解力などのほとんど全てのワザが試される場所。
安定と不安定の境目はドライバーによって大きく違ってくる。
氷の上は滑り易いから車が思うように走らない、は・・・。