クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 3

2018-02-02 13:24:58 | イベントレポート
ホイールを外して、スタンド治具をクリップボルトでとめて定盤の上にしっかりおろします(ないしは固定)。
フロントはスタンド治具の左右をしっかりとしたバーに結びます。
バーの真ん中に鉄パイプを置いて荷重を支えます。
定盤を使う場合はダイアルゲージを「定盤」に置いてそのまま測定できます。

定盤が無い場合は、赤線のラダーを後ろ二カ所前一カ所チェーンで吊るします。
ダイアルゲージを「ラダーの上」に置けば、測定できます。

ねじり剛性の考え方は、シャシーにタイヤからの荷重が入るとねじれが生じます。
サスペンションも荷重がかかるとたわみます、これもねじり剛性とみなすことができます。
荷重によってたわみ量が変わるタイヤも同じです。
タイヤ、サスペンション、シャシーの三つのバネ要素が直列に連なっていて、
荷重に応じてたわんでいることになります。
乗用車ならゴムブッシュ、ゴムマウントが加わります。
三段(乗用車は四段)に積み重ねられたバネの中にショックアブソーバーがあるのですが、
タイヤとシャシーの間です。
ショックアブソーバーが減衰を発揮するためには片方がしっかり固定される必要があります、当たり前ですが⋯。
シャシーにしっかり取り付けられいるのを見れば、ショックアブソーバーは働いているものと誰しも考えるのですが、
シャシーの取り付け点そのものが、つまりはシャシー剛性が低い場合、
ショックアブソーバーに入力があるたびにしなしな逃げ回るので減衰が発揮されないばかりか、
取り付け点が動くということは、取り付け点側からもショックアブソーバーが加振されることになるので、
腰砕けになったりツッパたりする動きになって、ブルブルガタガタとひどい振動が出たりすることになります。
こういった動きが出るとタイヤのグリップ能力を余して簡単にスリップアウトし始めます。

以前、取材でケータハムセブンの試乗をさせてもらったのですが、
明らかにオーバーサイズのハイグリップタイヤを履き、
硬いスプリングと過減衰のショックアブソーバーの組み合わせから、
通常のアスファルト路で60〜70km/hも出すと目線が定まら無いほど車体全体が身震いし始めて、
コーナーに差し掛かると0.5Gも出ないうちからスリップアウト。
シャシー剛性が低いクルマのわかりやすい挙動で貴重な経験をしたことがあります。

シャシー剛性は高いほどいいのですが、最低線はどのあたり?計算で見切りたい?
そこを知りたいのであれば、まずは先の三つのバネの数値化です。
メインスプリングのたわみ量とシャシーのたわみ量が同じだったりすると、
ショックアブソーバーの効果は4分の1以下になり、上下加振状態に陥りやすくなります。
ヒントになるでしょうか。








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