東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

派遣切り労働者の住居 借地借家法で守られている!

2009年03月19日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

 全借連が緊急提言

 2009年2月24日
 全国借地借家人組合連合会常任理事会

 派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利提言


 全借連は、2月24日開かれた第7回常任理事会で、派遣・期間切れなどから解雇された労働者が即日住まい失い、路頭にさまようことで住み続けられる権利を失う事態に憂慮し、別項のとおり「派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利」をまとめ、現行法でも居住の権利が守られることを明らかにし、政府と労働者へ居住の権利を守るよう訴えることにしました。

 昨年末、自動車および家電メーカーを中心に大企業は、「派遣切れ」「期間工の雇い止め」を理由にして大量の非正規労働者を一方的に解雇し大きな社会問題となりました。職を失った人々は、大量の非正規雇用を生み出した原因が人権を無視した雇用形態にあり、政治災害であると訴えました。

 そして、住まいを失い雨つゆや風雪に見舞われ路頭にさまよいながら、職と住まいの確保を求めています。

 今年3月末には、このような職を奪われる非正規雇用の人々が約40万人を上まわることが報道されています。

 しかも、「職と居住」を同時に失う事態は、40数年居住の権利を守る運動に取り組んできた全借連がかって経験しなかった非常事態でもあります。

 全借連は、「住まいは人権」のスローガンを掲げて「人間が人間らしく住み続けられる住居を」求めて運動に取り組んできましたが、大量の失業者が同時に住まいを失い居住不安に陥ることを放置することはできません。

 憲法第25条は、「健康で文化的な生活を営む権利」をすべての国民へ生存権として保障しなければならないことになっています。

 今日の事態は、この憲法で保障された居住の権利を軽々しく放棄していたことを示すものです。

 全借連は、このような居住の権利の侵害から、住まいを失った人々、居住不安に脅え生活基盤を失った人々と連帯し、「住まいは人権」として政府へ居住保障を求めて運動を強めていくことを決めました。

 そこで、全借連は、解雇されると同時に住まいも失う人々の居住の権利が現行法の下でも確保されなければならないとの視点から次の事項を訴えます。


   [記]
(1)世界人権宣言・ILO(国際労働機構)の労働者住宅に関する勧告・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・第2回国連人間居住会議の「居住の権利宣言」など国際的に認知された「住宅の権利・誓約」の理念を可及的速やかに最大限実行することを政府へ要求する。

(2)居住の安定を前提に、すべての公的賃貸住宅の空家を早期に開放することを、政府と地方自治体及び関係事業主体へ要求する。

(3)民法及び借地借家法・労働基準法・消費者契約法などが適用されることを退去を求められている居住者へ周知徹底することを要求する。

(4)既存契約で住み続けられる具体的な事例については、次のとおりである。

 ①解雇予告期間30日以内は、労働基準法によって居住できる。この間に、住み替え先及び家賃の確保の準備を行なうこと。

 ②派遣会社へ家賃を支払っている場合は、派遣切れになっても、借地借家法により賃借権が継続し既存住宅に住み続けられる。

 ③家賃支払い不能となった場合であっても、民法や消費者契約法などで一定期間住み続けられる。法的手続きによらない限り、強制的に明け渡しや追い出し行為はできない。

 ④賃貸人は、借家の寮を解約する場合居住者へ正当事由が必要であり、その場合であっても6ヶ月前から1年以内に賃貸借契約の解約通知をしなければならない。従って、解雇即日明け渡しにはならない。

 ⑤家賃の支払い資金が確保できない場合は、早急に生活保護制度を活用すること。

 

 

全国借地借家人新聞より

 

東京・台東借地借家人組合

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