東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 地代・家賃の供託とは何か

2012年11月22日 | 弁済供託

(問) 地代や家賃を供託するとはどういうことですか。方法について教えて下さい。


(答) 明渡しや更新料等を要求されて借主(借地人・借家人)が応じないと、貸主(地主・家主)は賃料(地代・家賃)の受領を拒否する場合があります。賃料を供託することは借主としては契約の継続の意思表示になる大切な行為になります。

 貸主の受領拒否により賃料支払義務が果たせなくなるので、東京都の23区は東京法務局供託課(区内以外は所管の法務局主張所)に賃料を供託することで不払いは免れます(民法494条)。また、貸主が受領できない場合とか、貸主を知ることが出来ない場合も供託はできます。注意点は、借主が貸主は賃料を受け取らないだろうと勝手に供託しても無効となることです。

 供託は、賃料を貸主宅へ持参払いの場合、貸主の所在地を所管する法務局か、または、その主張所で行い、貸主が借主宅を訪ね、集金している場合は借主の所在地を所管する法務局か、その出帳所に供託します。

 供託する金額は、明渡しや更新料請求等の場合は支払っている現行額で供託します。賃料増額を請求された場合に、いくらか値上げするときはその増額分を加算することもできます。増額請求そのものに不承知ならば現行額で供託します(借地借家法11条・32条)。

 和解により、供託金を払戻す場合、貸主(被供託者)が手続きをする場合は還付と言い、借主(供託者)は取戻しと言います。いずれのの場合もその手続きには当事者の実印と印鑑証明(註1)に住民票が必要です。日本銀行発行の小切手が交付されます。供託書は借主が取戻す場合に添付(註2)が必要であり、賃料支払の証にもなりますので大切に保管して下さい。賃料の持参払いの場合、土地建物売買や相続により貸主が変更されると、新たな貸主の所在地を管轄する法務局か出張所が供託先となります。

 

東京借地借家人新聞より


 (註)は東京・台東借地借家人組合

 (註1) 請求者が個人であって、請求者本人が直接窓口で請求する場合は、提示した運転免許証(または、顔写真入りで官公署が発行した身分証明書)等で本人確認ができる場合には印鑑証明の添付は不要。ただし、実印である必要はないが、印鑑は必要である。住民票も不用。ただし、供託書記載欄の(被)供託者の住所・氏名が変更しているときには、住民票や戸籍抄本等が必要。

 (註2) 供託金払渡請求書に供託書の右上の供託番号を記載するだけで、供託書の添付は不要である。

 

東京・台東借地借家人組合

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