東京・台東借地借家人組合1

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抵当権付物件を借りるときは注意しないと大変なことになる (大阪・住吉区)

2007年12月14日 | 契約・更新・特約

 大阪市住吉区東粉浜3丁目の賃貸マンションの1階部分を期間2年の契約で平成14年5月にスケルトンで賃借した森田義雄さんは、貸主の了解で「ふぐ料理店」を開業するために2000万円を費やし改装しました。

 その後、賃貸借契約は平成16年5月に法定更新され、期間の定めのない建物賃貸借になっていました。

 平成18年8月、突然大阪地裁から「債権差押命令申立事件」の「通知書」が送られ、平成18年9月「債権差押命」が届けられてきました。同時に、大阪地裁は、森田さんへ「事情届」用紙も送ってきました。

 森田さんは、当時はその「通知書」が何を意味しているのか理解できず、その後も月額20万円の家賃を振込み続けていました。

 さらに、平成19年1月、大阪地裁から債権者の変更の「通知書」が送られてきました。
 そして、同時にこれまで聞いたことのない株式会社虎ノ門債権回収という企業から、家賃の支払先を明示した通知書が送られ、さらに、平成19年8月にニッシン債権回収株式会社と名乗る企業からも家賃の振込先を通知してきました。

 その上に、平成19年10月大阪地裁から「債権申立事件」の「取下書」が森田さんへ送られ、新所有者の代理人と称する株式会社リブ・マックスから「賃借権が抵当権設定後であるため、不動産の速やかな引渡しを求める」旨の連絡書が送られてきました。

 森田さんは、これまで家賃の滞納もなく、改装費の返済もできる見通しができ、何とか事業も軌道に乗ったと思っていた矢先の出来事でした。

 <抵当権付と聞いたが、よくわからなかった>
 11月22日、民主商工会の紹介で住吉借地借家人組合の千葉事務局長に相談し、深刻な事態になっていることを初めて知りました。

 森田さんは、平成14年5月30日付けの賃貸借契約書を確認すると、仲介業者を通じて貸主代理人(管理会社)との間で契約しており、建物所有者とは契約していないことが解りました。

 建物所有者は、平成2年7月に抵当権を設定して金融機関から融資を受けており、森田さんが賃貸借契約を締結する際、仲介業者から抵当権が設定されていることを知らされいましたが、抵当権の意味が理解できず競売後の新所有者に対抗力もなく、200万円の敷金も返還されないことも知りませんでした。

 森田さんは、「賃貸借契約時に仲介業者から競売になった場合、新所有者から明渡を求められと無条件で解約されることを事前に詳しく説明を受けておれば、契約しなかっただろうし、父親に連帯保証人になってもらってまで改装費用を工面をしなくて済んでいたのに」と悔やんでいます。

 森田さんは、弁護士に相談し、今後の対策を検討することになりました。 

 <短期賃貸借まではほとんど説明しない>
 
仲介業者を指導している大阪府建築振興課は「重要事項説明書に抵当権設定を記載していても、短期賃貸借制度についてまで仲介業者は詳しく説明していないと思われる。本来仲介業者は、説明するべきであろうが、ほとんどの物件に抵当権が設定されている中で、そこまで説明すると成約できないのではないだろうか。今後機会ある毎に業界を指導していく」と語っています。

 

全国借地借家人新聞より  


  平成16年4月1日、民法395条「短期賃貸借保護制度」は廃止された。

 

 しかし、「短期賃貸借に関する経過措置」(附則第5条)により抵当権設定後の建物賃貸借であっても平成16年3月31日までに契約された対抗力のある期間3年以内の建物賃貸借契約の場合は「短期賃貸借の保護」が適用され、その後の更新も認められる。従って、平成16年3月31日までに締結された契約に関しては、現在も短期賃貸借の保護制度は適用されている

 即ち、「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による。」(「短期賃貸借に関する経過措置」附則第5条)。

旧民法
395条
 602条に定めた期間(*)を超えない賃貸借は、抵当権の登記後に登記したものであっても、抵当権者に対抗することができる。但し、その賃貸借が抵当権者に損害を及ぼすときは、裁判所は、抵当権者の請求によって、その解除を命ずることができる。

(*) 土地の賃貸借は5年、建物の賃貸借は3年
 

 

東京・台東借地借家人組合

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