東京・台東借地借家人組合1

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【Q&A】 短期賃貸借の保護規定は廃止されたが附則第5条で

2005年09月25日 | 借家の諸問題

法定更新した借家契約は
抵当権設定後の短期賃貸借の保護があるか
 

(問) コンビニを経営する大家のアパートに住んでいる。4年前に借家契約は法定更新にした。大家はバブル期に利殖目的の副業としてアパートを始めたもので、土地・建物はその時点で銀行の抵当権が設定されていた。最近、本業のコンビニ経営に失敗し、アパートが競売に掛けられた。このまま住み続けられるのか心配です。


(答) 2004年4月1日施行の民法395条の改正によて短期賃貸借の保護規定は廃止された。しかし、「短期賃貸借契約に関する経過措置」(附則第5条)(*1)によて2004年4月1日以前に結んだ短期賃貸借契約は、以後も依然として、3年以内の契約の場合、又は契約を法定更新した場合も、短期賃貸借の保護規定が適用される。2004年4月1日以後も、競売が実行されるまで、契約の更新を繰り返すことが出来、短期賃貸借の保護規定が適用される。

 その場合、敷金は買受人(新所有者)に承継されているので新所有者から返還される。しかし、「短期賃貸借契約に関する経過措置」が適用されない契約場合、敷金は経済的に破綻した旧所有者に返還請求することになり、差入れた敷金は事実上回収不能ということになる。

 抵当権登記後に抵当不動産上に設定された利用権は、抵当権が実行されると効力を失うというのが原則だ。しかし、例外的に抵当権設定後の短期賃貸借(民法旧395条)に限って、抵当権者・買受人に対抗することが出来る。これを短期賃貸借と言い、3年以内の借家契約に限って保護される。

 従って、抵当権の実行により差押の効果が生じるまでは、3年以内の期間を定めた借家契約であれば、借家人は何回でも契約を更新することが出来る。その場合、法定更新の規定も適用される。また抵当権の実行により所有権が買受人に移転し、買受人から明渡し請求を受けても3年に限って、その期間内は住み続けられる。

 しかし3年を超えた期間を定めた場合、判例は一貫して抵当権者・買受人に対抗出来ないとしている。期間を定めない借家契約の場合、判例(*2)は「正当事由」があれば、いつでも解約できることを理由に「短期賃貸借」に該当するとしている。法定更新後の借家期間は期間の定めのない借家契約と同じ扱いで民法395条が適用される。

 期間の定めのない借家契約の場合、買受人からの解約の申入れには正当事由が必要である。しかし、正当事由の認定に際し、短期賃貸借という特殊事情を考慮し、借家人の権利を弱める方向に判断されている。従って正当事由の判断は相当程度に緩和して考える。買受人の利益を保護する方向に判例は統一されつつある。事実、借家契約を保護した判例は皆無である。

 結論、借家権を買受人に対して主張出来る。しかし、裁判所の建物明渡判決があり、買受人の明渡し要求があれば、僅かな猶予期間で建物を明渡さなければならない公算が大きい。相談者はその覚悟をして措く必要がある。要するに、借家契約を結ぶ前に、登記簿で抵当権設定登記の有無を調べるという基本的な労を惜しんではならない。

 

(*1)「短期賃貸借に関する経過措置」(「担保物権及び民事執行法の改善のための民法等の一部を改正する法律」附則第5条 平成15年8月1日法律第134条
  「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法第602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による。」

 

(*2)「競売手続きだ開始された時点においては、期間の定めのない賃借権であったのであるから、民法395条によって保護される賃借権であったと認められる」(東京高等裁判所2001年6月22日判決)。

「期間の定めのない建物賃貸借は、「正当事由」さえあればいつでも解約できるのだから本条(民法395条)にいう短期賃貸借に当たる」(最高裁昭和39年6月19日判決)。

旧民法
395条
 602条に定めた期間(*)を超えない賃貸借は、抵当権の登記後に登記したものであっても、抵当権者に対抗することができる。但し、その賃貸借が抵当権者に損害を及ぼすときは、裁判所は、抵当権者の請求によって、その解除を命ずることができる。

(*) 土地の賃貸借は5年、建物の賃貸借は3年
 

 

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