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課税証明書の発行を受け、地代が税額の28倍と判り、増額請求を拒否 (大阪・三島郡)

2011年02月17日 | 地代の減額(増額)

 京都府に隣接するサントリー本社工場のある大阪府三島郡島本町のAさんは、相続した新地主から「相続によって名義が変更したので、契約書を書き替えたい。2年毎に2,000円の値上げに応ずる特約にしたい」と請求されました。

 相談を受けた島本町借地借家人組合のK組合長は、Aさんと島本役場へ行って、固定資産税課税証明書の発行を求めましたが、対応した担当者は、「地主の承諾がなければ公開できない。法律で個人の財産を見せることはできない」と回答してきました。

 この問題の連絡を受けた大借連は、早速島本町へ「証明書の発行については、平成14年地方税法が改正され、政令も改正されたことを告げ、すぐ大阪府とも相談し、対処すること」を求めました。

 今年1月になり、島本町は「台帳を公開することになりましたので、証明書を発行します(*)」と回答したが、Aさんが求めていた課税証明書の発行を拒否する回答をしてきました。

 そこで、大借連は担当課長へ「借地借家人への公開は、他人の財産を知るのが目的でない。税負担を知ることによって地代家賃の便乗値上げを抑制することである。このような行為を行政責任のある島本町は放棄するのか。国の通達をよく勉強せよ」と抗議したところ、町役場から「課税証明書を発行することになりました。今回は大変勉強させていただきましてありがちうございました」と回答がありました。

 「課税証明書」の発行を受けたAさんは、早速、税負担と地代の関係を計算したところ税額の28倍の地代を支払っていることが明らかになり、地代の増額請求の特約を拒否する通知をしました。

全国借地借家人新聞より


 「課税証明書」は納税者本人及び納税者の委任状を持参した代理人以外に交付しないのが原則である。島本役場が「地主の承諾がなければ公開できない」と拒否回答するのは当然である。今回記事のAさん(納税者の委任状を持たない第三者)に課税証明書を交付するのは例外である。

 通常は、借地借家人に一般公開されている「固定資産税課税台帳」の「閲覧申請」(東京都の場合は手数料300円)或いは、「固定資産評価証明」の交付申請(東京都は手数料400円)をすれば簡単に交付される。

 固定資産税・都市計画税の「課税標準額」が調べられるので、そこから税額を計算できる。東京都の場合は過去6年間まで遡って調べられる。

 税額が表示されている市町村もある。東京23区の場合は、「固定資産税課税台帳」の「閲覧」・「固定資産評価証明」に書かれている「課税標準額」に課税率【固定資産税は1.4%(1.4/100)、都市計画税は0.3%(0.3/100)】を乗ずれば、税額は計算できる。

(*) 島本町が「台帳を公開することになりましたので、証明書を発行します」という証明書の発行は固定資産評価証明のことであり、課税証明書ではない。従って、地主の委任状を持参しないAさんが「課税証明書」を要求しても、その交付を島本町が拒否するのは当然である。 ・・・・・(東京・台東借地借家人組合)

 

参考記事
①「【Q&A】 固定資産税台帳を用いて借地人にも適正地代を計算することが出来るか

②「借地借家人へ固定資産課税台帳公開 (東京・台東)

③「地代の値上げ(相続税路線価から地代を計算してみた) (東京・台東区)

④「地代を値下げ(固定資産税路線価から地代を計算してみた) (東京・台東区)

(*)東京23区の固定資産税課税台帳の申請書のサンプル例

 

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底地の買取りを拒否すると、地代の値上げ請求 (静岡・三島市)

2011年02月15日 | 地代の減額(増額)

 1991年、宗教法人林光寺は地代を2.5倍前後にに値上げすると借地人に通知してきました。この問題を三島借地借家人組合内に林光寺借地人組合を設立し対抗することにしました。組合設立に参加した借地人は、値上げには応じられないとし、従来の地代(10,688円)を支払い続けました。

 2008年、今度は本堂建設資金調達の為と言って、お寺側は、数軒の借地を売却したいと坪60万円を半額の30万円といってきました。組合の中心であるNさんが購入の意思は無いと通知したところ、林光寺より土地を取得したという不動産会社が「地代を月額14,000円」に値上げしたいと請求してきました。Nさんが拒否したところ、今度は「月額560円の値上げ」である11,250円を請求してきました。

 これにも応じないでいると地代値上げの調停をかけてきました。その調停の場で、Nさんは「最高裁民事裁判資料198号に基づき(賃料は公租公課の2~3倍)(*)」と経済状況に鑑み公租公課(3,322円)の2倍が妥当地代(月額6,644円)として、月額4,044円(現行地代10,688円-6,644円)の値下げを主張しました。相手方は論理的な地代の数値を示すこともなく調停は不調となりました。

 

全国借地借家人新聞より


(*)(参考) 最高裁判所事務総局から1991年12月付で「民事裁判資料第198号」として「民事調停の適正かつ効率的な運用に関する執務資料」が出されている。

 その中に「民事調停事件処理要領案(裁判官・書記官用)」がある。そこには「最終合意賃料の公租公課との倍率(地代について)」として「最終合意賃料が公租公課の2~3倍に収まっているときは、加減要素として考慮しない。」と記載されている。

 言い換えれば、地代は固定資産税と都市計画税との合算の2~3倍の範囲内であれば適正地代と言える。・・・・・・(東京・台東借地借家人組合)

 

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借地更新料を減額した直後に、地代を増額請求 (東京・中野区)

2010年12月24日 | 地代の減額(増額)

 中野区弥生町に住むAさんは昨年、20年の借地契約の更新を迎えた。地主の代理人の不動産会社と更新料をめぐり交渉になった。地主の代理人は、20年前と同じ金額である坪10万円を主張し、その半分を主張するAさんと何回かの話し合いがもたれた。その結果、Aさんが主張する金額で合意が出来た。

 しかし、今年11月に、地主から直接、地代の値上げ通知が送付されてきた。「平成6年より15年間地代の値上げをしてこなかったことと固定資産税の大幅な値上げがあったことを理由に値上げをする」と言ってきた。地主の対応に不審に思い、都税事務所に相談行った。事務所では「大幅な値上げはないし、このような問題では専門的な借地組合があるからそこに相談したらどうですか」と勧められ、組合に相談に来た。

 組合では、地代の増減は双方の合意が原則であること。一方的な値上げ通告に対しては、まずその根拠を説明してもらうように勧めた。また、固定資産税の値上げを根拠にするならば、下がった時には地代の値下げもするのかなどのアドバイスを行った。Aさん「心配で寝れなかった。もっと早く組合を知っていたら更新料も支払わずに済んだのではないか」と語った。

 

 

東京借地借家人新聞より

 

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地代増額に反対したのに地主が差額地代を請求 (東京・足立区)

2010年12月21日 | 地代の減額(増額)

 現在地代の一方的な改訂を請求されたが、従前の地代を口座振込みして頑張っている足立区小台のAさんに地主から今度は地代の差額不足金を支払うよう通知してきた。

 地主は平成21年度分公租公課の大幅上昇を理由に130円の値上げを要求してきたが、土地の評価証明書を取ってみると月額1坪当り100円の税額で公租公課の2倍~3倍が適正地代といわれる中で7倍もの地代を支払っているので従前の720円で頑張っている。

 そんな中、地主は口座振込み額を受領しているにもかかわらず、今度は差額分を要求してきた。

 Aさんは、奥さんと二人で組合事務所へ相談に訪れ、これ以上の値上げを認めると年金での生活が大変厳しくなるので地主が再度差額分を請求してきた時は「地代として受領していないと見なし供託させて頂く」旨を内容証明郵便で通知することを確認した。

 

東京借地借家人新聞より

 

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商業地の高額地代を減額調停へ (東京・大田区)

2010年12月20日 | 地代の減額(増額)

 JR蒲田駅周辺に宅地約35坪を賃借中のSさんは、現在払っている地代年間350万円余が知人に高すぎると指摘され、組合の春の講座相談会で入会した。具体的な行動は起こさず、秋の講座相談会で減額の相談をした。

 固定資産税等を調査すると商業地域で税金が高額なことは承知していたが、4.7倍の地代を払っていた。地主から地代を払えない場合は譲渡するように言われ、借地権を譲渡して移転した隣人もいる。

 Sさんは、組合役員と相談の上、減額を求める調停裁判を起こすことを決意し、裁判所に出向き訴状を提出することになった。

 20年前に組合を知ったのに具体的な相談をしなかったことだけでなく、今年の春に入会しているのに減額相談が秋になったことを悔やんでいる。住み慣れた地域に住み続けるためにも、調停裁判で必ず減額を認めさせて、適正地代にしたいとご夫婦で裁判に臨む決意だ。

 

東京借地借家人新聞より

 

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本人訴訟で地代値上げ阻止 (大阪市・東住吉)

2010年12月13日 | 地代の減額(増額)

 2010年11月19日、大阪地裁は、地代改訂請求事件で、前回改定後1年7か月では、「改定すべき積極的な事情が認められない」ことを理由に地主側の地代値上げ請求を棄却する判決を下しました。

 大阪市東住吉区鷹合2丁目のH(借地人)さんは、戦前長屋の一角に木造2階建ての建物に住んでいます。ところが、平成18年10月地主から「無断改修を行ったことを理由に平成21年7月30日をもって契約期限が終了し契約更新を拒絶する」旨の調停を申し立てられました。

 調停の結果、平成19年3月26日、「①20年間の賃貸借を更新する。②賃料については別途訴訟ないし調停により定める。③借地人は保証金として130万円を差し入れる。」などの条件で和解が成立しました。

 近隣の同一地主の借地人(東住吉借地借家人組合の会員)6名が大阪地裁で地代の減額訴訟中であり、Hさんも減額訴訟を申立てをしたので、大阪地裁は合併して審理をすることになりました。平成20年4月1日に和解が成立しました。その結果、Hさんは、平成18年11月から遡って差額地代を支払いました。

 ところが地主は、Hさんへ和解後の平成20年5月15日付けで地代の増額請求の調停を申し立てました。しかし、調停委員から地代増額請求できる特段の理由がないと指摘され、地主は調停手続きを取り下げました。さらに、地主は平成21年早々再び地代増額の調停を申し立てましたが、調停は成立しませんでした。

 地主は、Hさんへなお地代増額の請求を行うべき平成21年11月6日大阪簡裁へ訴訟を提起しましたが、大阪簡裁は大阪地裁へ移送しました。

 その後、大阪地裁は「適正地代」を立証すべき鑑定を行いましたが、Hさん等は、鑑定結果について意見書を提出し、大阪地裁はこの意見書合理性を認め、6名の会員の地代減額請求を認めると共に、地主から請求されていたHさんの地代増額請求を棄却しました。

 Hさんは、「判決文の中で『和解成立からわずか2か月後時点の賃料を増額するというもので、著しい経済変動等の特段の事情が存しない限り、かかる短期間での賃料増額は賃借人を不安な立場に立たせることになって相当でない。』と判断してくれたことでこれまでの苦労が報いられた」と語っています。

 この地代増額阻止裁判を支援してきた上野事務局次長は、「この判決は借地借家法の本旨にかなったもので、周辺の会員が団結して本人訴訟で闘い、会員の団結の素晴らしさが裁判所を動かした成果だ」と述べています。

 

全国借地借家人新聞より

 

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【Q&A】 毎年地代が値上がりし、近所より飛び抜けて高いので値上げを止めたい

2010年12月09日 | 地代の減額(増額)

(問) 私が借地している地主さんは、毎年1月になると地代の値上げを通告してきます。もう10年以上続いています。初めの頃は坪50円の値上げでしたが、最近は100円ずつ値上げがあります。現在、地代は坪1600円で、借地面積は45坪ですから、1か月分7万2000円です。今年も坪100円の値上げ通知が来ました。

 先日、近所で別の地主から借地している人から聴いたのですが、地代は坪750円で、その方の知っているところでは、それが相場だということでした。今まで気づかなかったのですが、うちの地代は近所で飛び抜けって高かったわけです。私としては高すぎる地代を値下げしたいぐらいですが、せめて値上げをストップしたいのですが可能でしょうか。


(答) 地代の額は地主が一方的に決めるものではなく、地主と借地人が協議して両者合意で決めるものです。地主の値上げ要求に借地人が不満でも、要求どおり払ってしまえば、合意したことになります。

 値上げ額について両者の意見が一致せず合意できないときは、借地人は地主の要求額を払うのではなく、自分で相当と思った額を支払っておけば、とりあえずそれで良いことになっています(借地借家法第11条2項)。ここでの相当額は従前の地代額と地主の値上げ要求額の範囲内で任意に決めていいのです。「近隣の相場」とか「固定資産税と都市計画税」の動向などを参考にして決めます。普通は従前の地代額を支払っておけば足ります。

 ご質問の場合は、現行額が近隣の水準と比較して飛び抜けて高すぎるので、値上げ問題というよりも値下げ問題です。値下げは借地人の方から要求します。値下げ額に地主が合意すれば、値下げが決まります。合意しない場合は調停裁判にしなければなりません。決着がつくまでは地代は現行額で支払います(借地借家法第11条3項)。

 調停でも両者の合意ができなければ値下げは決まりません。最終的には裁判で決着することになり、相当なエネルギーが必要です。値上げをストップするのは比較的に簡単です。地主の値上げ要求を断って今までどおりの地代を払っておけばいいのです。

 

 

東京借地借家人新聞より

 


 

借地借家法
地代等増減請求権
第11条  地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 2  地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

 3  地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

 

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あまりに高い地代に減額調停 (兵庫・尼崎市)

2010年11月16日 | 地代の減額(増額)

 Sさんは土地97坪を借り平成元年に地代月4万3000円でしたが、毎年1万円~3万円値上げされ、今では月12万円(坪当たり1237円)払っていました。父親は当時地主に対し減額を申し出ましたが、応じてくれませんでした。

 先日、兄さんから「今地代いくら払っているのか」と問われたこで、Sさんは年金生活で今後払えなくなるのではないかと不安になり、地代の減額できないのかと組合に相談。公租公課の11.6倍の地代を払っていることが分かりました。内容証明郵便で公租公課の3倍の額への減額通知に回答がありませんでした。

 近隣の地代は坪500円前後であり、あまりの高さに驚きました。初めての調停申立ては緊張と不安でした。

 2回目の調停で相手側は減額2万5000円を提示。申立人はさらに減額を主張。次回までに双方に譲歩を求めました。

 3回目の調停で調停法17条に基づき、①平成22年1月より月9万円。②異議申立ては2週間。③異議がなければ和解成立。調停委員から提示があり、双方からの異議がなく和解成立しました。

 地代は、なお近隣と比べるとまだ高いが、減額はありがたいがので、減額できたことを広く、知らせたいとSさんは語りました。

 

全国借地借家人新聞より

 

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税金の上昇を口実に地代の便乗値上げ請求 (東京・足立区)

2010年08月23日 | 地代の減額(増額)

 足立区小台に42坪の借地をしているAさんに1月に地主から次のような通知が送られてきた。「平成21年度の都の税制見直しにおきまして、土地の公租公課が大幅に上昇しております。・・・・かようなる実情の下、誠にもって申し訳ありませんが、今般下記の如く価格改定をお願い申し上げます>」と記載され、現行地代月額720円を130円増額して850円に改定する内容だった。

 早速Aさんは組合と相談して、土地の評価証明書を取って調査したところ、坪100円の税金しかかかっていなかった。Aさんは「現行地代額で振込む。地主の要求額で支払えというやり方は納得できない。賃料は双方の合意で決まることと理解しております」と書面で通知した。一方的な値上げに通知には簡単には応じられないという。

 

東京借地借家人新聞より   

 


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底地を買取った不動産会社が地代を値上げ請求(約4倍に) (東京・文京区)

2010年08月20日 | 地代の減額(増額)

 文京区関口に住むHさんは親の代から借地し、階下を事務所や倉庫として貸し、階上に住んでいる。都心ということもあり、バブルのころは地上げ屋に追い出しを迫られたりしたが、がんばって借地していた。

 数年前に、ある不動産会社が底地を地主から買い取り、「出ていくか買い取るか」という話もあったが、金額で話にならず、そのままとなった。

 今年に入り、地代の値上げ請求をされた。坪当り1300円を5000円にせよという請求であった。多少の値上げならば検討してもよいと考えていたが今回の請求は到底認めることができないとし、拒否したところ調停をおこされた。

 地主は埼玉の不動産鑑定士の鑑定を調停の場に提出し、この鑑定をベースに話をすすめようとしたが、借地人側は、共同で近隣の借地人から地代の額を聞き取り坪当り概ね1000円から千数百円の結果を出すと調停委員もびっくりし話は振り出しに戻った。東山さん、今後とも、裁判も辞さずとがんばる決意を語っていた。

 

東京借地借家人新聞より

 

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【Q&A】 地代の値下げは拒否されたが、希望する減額地代で供託できるか

2010年07月15日 | 地代の減額(増額)

(問) 私は、地主から地代値上げ請求を受けると、その請求額通りに支払い続けてきました。ところが、知人が支払っている地代を聴き、私はその約3倍近い地代を支払っていたことがわかりました。そして、知人のアドバイスで固定資産税を調べましたところ、税額の概ね18倍の地代となり、しかも、税額はこの数年減額されていました。

 そこで、地主へ知人が支払っていた地代まで値下げをしてもらいたいく申し出ましたが、応じてもらえず、地代を当分の間凍結して希望している地代額で供託したいと思っています。供託できるでしょうか。できるとしたら希望している地代でできるでしょうか。


(答) バブル崩壊後地価は下落し、それに連動して固定資産税等の公租公課も減額されています。

 また、92年8月1日施行された借地借家法により、民事調停法が「改正」され、賃料増減額請求は裁判所へ提訴する前に調停委員会へ申し立てるいわゆる調停前置となりました。

 そのため、最高裁判所は、91年12月全国の簡易裁判所へ「民事調停の適正かつ効率的な運用に関する執務資料」を通知し、その中で、「最終合意賃料が公租公課の2~3倍に収まっているときには、加減要素としては考慮しない」との指針を示しました。その結果、従前の合意地代が公租公課に比較して不相当に高い地代(たとえば10倍近い)を支払っている事例では地代の減額を地主に認めさせる成果を上げています。

 しかし、「賃料増減請求権」を規定している借地借家法第11条(✻1)は①増額請求の場合は、借地人が相応と考える地代を地主へ提供し、受取を拒否されれば相応とする地代を当該地の法務局(✻2)へ供託し、地代が確定すればその差額に年1割の利息を加えて清算することになっています。

 ②ところが、減額請求の場合は、相応額を地主へ提供し、地主の合意が得られない場合は、従来の合意地代を提供し、その地代を額を地主側が受領拒否した場合のみ従来地代額で供託(✻3)の手続きができます。

 万一、減額を希望する地代を提供すると、地代の一部未払いとなり債務不履行を理由に契約解除となります。

 減額を希望する場合は、従来地代を必ず提供し、地主が受取拒否した場合でも従来地代を供託しなければなりません。その上で「減額請求」の調停または裁判で確定した場合、確定額と供託額の差額に年1割の利息を加算して清算されることになります。

 したがって、お問合わせの中で、地代を当分の間支払いを凍結することも、希望する減額した地代で供託することもできません。

 減額の合理的な理由があっても減額の合意あるいは和解・判決で確定するまでは、従来の地代を必ず支払うことが借地権を守ることになります。

 

全国借地借家人新聞より

 


(✻1)借地借家法
(地代等増減請求権)
第11条
 地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

2  地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

3  地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

 民法
(✻3)(供託)
第494条
 債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、弁済をすることができる者(以下この目において「弁済者」という。)は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。

(✻2)(供託の方法)
第495条 前条の規定による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない。

 


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月額2万9000円の地代を8万円へ増額請求 (大阪・西淀川区)

2010年07月12日 | 地代の減額(増額)

 大阪市西淀区姫里地域で35坪の土地を借地しているEさんは、6月上旬地主から内容証明郵便を受け取りました。内容は以下の通りです。

 「本件土地に対する地代は、現在月額金2万9000円ですが、かかる金額は、近傍類似の土地の地代と比較して不相当となっています。株式会社日昇ハウジングの調査報告によれば、本件土地の適正地代は月額2465~2553円であり、適正金額を1坪月額2500として、かかる金額に賃貸部分の坪数を掛け合わせますと、月額地代は8万7350円となります。
 そこで、平成22年6月分以降の地代は、上記金額の端数を切り捨てまして、月額地代金8万円に増額しますので、6月分以降は毎月8万円をお支払いください」

 Eさんは、「税金を調べ地価が下落している中で、値上げには応じられない」と語っています。 

 

全国借地借家人新聞より  

 


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 地代の値上げ(相続税路線価から地代を計算してみた) (東京・台東区)

 

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地代増額請求及び更新料請求 (東京・葛飾区)

2010年06月02日 | 地代の減額(増額)

 葛飾区在住の借地人は十数年前より地代の増額要求を受けたが、要求には応じなかった。ところが地主より数回による増額分を支払えと書面が送達され、増額分を支払わない場合には契約を解除するとの内容であった。

 借地人はそれに対し値上げ要求は5年以前のものでその請求権は時効消滅し、請求権がない旨書面で通知した。増額要求額は公租公課の6倍であった。借地人は坪100円の減額を請求したことは言うまでもない。

 数日後更新料(170万円)が請求されたが、法定更新の請求を通知した。
 その後、法定更新を認めない旨の書面が送達されたが、法定更新の請求に確信をもって頑張っている。

 なお、現賃料は坪当り606円であり、借地面積は21坪である。

 

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借地の一部を返還せよ、さもなくば地代を2倍に (京都・下京区)

2010年03月26日 | 地代の減額(増額)

 京都市下京区。昔から周辺に結構たくさんの土地を持つ地主が、ガレージにしたいからと借地の返還請求をしてきました。地主は、古くなった借地上の建物を取り壊して、その土地の一部をを返せと要求しています。

 同時に残りの借地部分の地代を倍額にする請求をしてきました。また借地の返還請求をされていない近所の借地人にも倍額の増額請求がありました。

 地代の倍額増額の請求は2年前にもあったばかりです。その時は 値上げに応じた借地人もさすがに「今回は応じられない」と団結しています。借地の一部返還請求を受けた組合員は断固拒否、値上げにも応じないと頑張っています。

 現在、地代は受け取りを拒否されています。みんなでそろって地代は供託中です。このケース、家主協会も一枚噛んでいます。

 

 

京都借地借家人組合連合会新聞より

 

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最高裁の見解を生かして合意 (大阪市・北区)

2010年01月05日 | 地代の減額(増額)

 大阪市北区大淀南3丁目で不動産賃貸業をしているMさんは、4人の地主から借地上の建物4軒を住居や店舗・事務所として貸家にしています。

 バブル時期には、地代が毎年のように引き上げられたにもかかわらず、その後地下は下落し続けておりながら地代は高止まりとなっていることに疑問を感じていました。

 Mさんは、インターネットで地代の減額請求ができることを知り、そのころ、全借連新聞で東大阪市で地代減額調停の取組みの模様を掲載されているのを知り、その中で最高裁が「適正地代は公租公課の2倍~3倍」であるとの指針が役立ったと報じられていました。

 そこで、Mさんは、北区借地借家人組合を訪ね組合に入会するとともに、最高裁の指針を受け取り、全大阪借地借家人組合連合にも相談しました。

 その直後に、借家人の一人が退去しこれを機会に周辺の地代や土地の公租公課を調べ、登記簿謄本も取り寄せました。

 北区借地借家人組合は、Mさんの地代減額の強い思いを実現するために、周辺住民を対象にして、Mさんの事務所で「無料相談会」を開く案内ビラ500枚を配布しました。

 同時に、Mさんは、地主へ4軒の貸家の地代減額を請求したところ、「とても相手にしてもらえないだろう」と思っていた地主から「困っているのはどこも同じだよ」と快く応じてくれました。また、別の貸家の地主からは、「貸家が空き家になればその時の土地価格の6割で売って欲しい」との条件と引替えに地代の減額に応じてくれました。

 しかし、他の2軒は地代の減額請求を拒否されましたが、今後の地代値上げ請求の歯止めとなる効果を期待しています。

 しかし、Mさんは、残り2軒のうちの一人の地主を相手に調停委員会へ地代減額申し立てを行いました。地主の土地を調査したところ、亡くなられた祖母から売買で取得していることが分かり、「好きなようにしろ」と調停を拒否することを予想していたところ、その地主は調停の場で態度を変え、2回の調停で和解が成立しました。

 この結果、すべての地主から、20%以上の地代の減額が認められ、Mさんは、借家人の退去による家賃の減収以上の経費の節約になったと喜んでいます。

 

全国借地借家人新聞より

 


 なお、最高裁判所事務総局から1991(平成3)年12月付で民事裁判資料第198号として「民事調停の適正かつ効率的な運用に関する執務資料」が出されている。その中の「民事調停事件処理要領案(裁判官・書記官用)」に「最終合意賃料の公租公課との倍率(地代について)」として「最終合意賃料が公租公課の2~3倍に収まっているときは、加減要素として考慮しない。」と記載されている。言い換えれば、固定資産税と都市計画税との合算の2~3倍の範囲内であれば適正地代ということが出来る。

 

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