東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

地代を値下げ(固定資産税路線価から地代を計算してみた) (東京・台東区)

2005年09月10日 | 地代の算出方法

現行地代は適正額の3倍なので地代の減額調停を申立

 地下鉄銀座線の稲荷町駅に程近い場所、JR上野駅400m位の場所に下谷神社がある。その神社の近辺が東上野3丁目になる。

 神社の裏手に居住する木村さんは最近同一地主の借地人達に、地代がどの程度かを尋ねて回った。その結果、近隣の地代に比べても高額であると気付いた。地代は、1ヶ月48800円(29坪)を支払っている。1坪当り約1700円である。

 地代の問題の他に更新料の問題もあるので、組合に加入して相談してみた。
 組合は、固定資産税の路線価を基にして地代を試算してみた。

 木村さんの家が面している通りの固定資産税評価の路線価は1㎡43万円 。1坪当り約142万円である。
 2002年度修正率はマイナス13%なので、1坪当りの固定資産税評価額は約125万円となる…(A)。

 固定資産税は、(A)×固定資産税率×軽減措置で計算出来る。
(1)固定資産税は固定資産税評価額×1.4%(1.4/100)(固定資産税率)×1/6(注1)
1坪当りの年間固定資産税は約2920円、1ヶ月当り約240円になる…(B)。

 都市計画税は、(A)×都市計画税率×軽減措置×23区の軽減措置で計算出来る。
(2)都市計画税は固定資産税評価額×0.3%(0.3/100)(都市計画税率)×1/3(注1)×1/2(注2)
 都市計画税は1坪当り年間約630円、1ヶ月当り約50円になる…(C)。

 1ヶ月当りの支払税額は(B)+(C)で1坪当り約290円。
 標準的な地代は(B)+(C)の2~3倍といわれている。(注3)

 借地面積は29坪であるから1ヶ月の地代は、16820~25230円となる。
木村さんの支払っている地代は、適正地代より約2~3倍高い。

 そこで、木村さんは簡易裁判所に地代の減額請求の調停を申立てた。話合いを続けた結果、1万円の値下げ案が提示されたが、地主側は肯首しなかった。このままでは調停が不調になってしまうので、今回は仕方なく7800円で妥協した。
 2003年4月以降に都税事務所で評価証明書をもらって、もう一度減額請求の調停をやる決意だ。

 (注1)軽減措置で200㎡(60坪)以下の場合は、(1)固定資産税は1/6で(2)都市計画税は1/3に減税。200㎡(60坪)以上の場合は、(1)固定資産税は1/3で(2)都市計画税は2/3に減税。

 (注2)200㎡(60坪)以下の場合、都内23区は軽減措置で1/2に減税されている。

 (注3)東京簡易裁判所の調停成立事例では住宅地は3.1倍前後、商業地は2.4倍前後という調査結果がある。

 

 (参考) 最高裁判所事務総局から1991(平成3)年12月付で「民事裁判資料第198号」として「民事調停の適正かつ効率的な運用に関する執務資料」が出されている。それは「各庁の民事調停事件処理要領(案)」(裁判官・書記官用)と「民事調停事件処理要領案」(裁判官・書記官用)の2つである。

 その1つに「民事調停事件処理要領案 (裁判官・書記官用)(東京地方裁判所 管内簡易裁判所」がある。

 そこには「最終合意賃料の公租公課との倍率(地代について)」として「最終合意賃料が公租公課の2~3倍に収まっているときは、加減要素として考慮しない。」(23頁)と記載されている。

 言い換えれば、地代は固定資産税と都市計画税との合算の2~3倍の範囲内であれば適正地代と言える。

 

東京・台東借地借家人組合

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