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東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 毎年地代が値上がりし、近所より飛び抜けて高いので値上げを止めたい

2010年12月09日 | 地代の減額(増額)

(問) 私が借地している地主さんは、毎年1月になると地代の値上げを通告してきます。もう10年以上続いています。初めの頃は坪50円の値上げでしたが、最近は100円ずつ値上げがあります。現在、地代は坪1600円で、借地面積は45坪ですから、1か月分7万2000円です。今年も坪100円の値上げ通知が来ました。

 先日、近所で別の地主から借地している人から聴いたのですが、地代は坪750円で、その方の知っているところでは、それが相場だということでした。今まで気づかなかったのですが、うちの地代は近所で飛び抜けって高かったわけです。私としては高すぎる地代を値下げしたいぐらいですが、せめて値上げをストップしたいのですが可能でしょうか。


(答) 地代の額は地主が一方的に決めるものではなく、地主と借地人が協議して両者合意で決めるものです。地主の値上げ要求に借地人が不満でも、要求どおり払ってしまえば、合意したことになります。

 値上げ額について両者の意見が一致せず合意できないときは、借地人は地主の要求額を払うのではなく、自分で相当と思った額を支払っておけば、とりあえずそれで良いことになっています(借地借家法第11条2項)。ここでの相当額は従前の地代額と地主の値上げ要求額の範囲内で任意に決めていいのです。「近隣の相場」とか「固定資産税と都市計画税」の動向などを参考にして決めます。普通は従前の地代額を支払っておけば足ります。

 ご質問の場合は、現行額が近隣の水準と比較して飛び抜けて高すぎるので、値上げ問題というよりも値下げ問題です。値下げは借地人の方から要求します。値下げ額に地主が合意すれば、値下げが決まります。合意しない場合は調停裁判にしなければなりません。決着がつくまでは地代は現行額で支払います(借地借家法第11条3項)。

 調停でも両者の合意ができなければ値下げは決まりません。最終的には裁判で決着することになり、相当なエネルギーが必要です。値上げをストップするのは比較的に簡単です。地主の値上げ要求を断って今までどおりの地代を払っておけばいいのです。

 

 

東京借地借家人新聞より

 


 

借地借家法
地代等増減請求権
第11条  地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 2  地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

 3  地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

 

東京・台東借地借家人組合

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