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注視したいIMFのギリシャ支援のスタンス③

2012-11-19 00:03:45 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 それでもどうやら潮時のようです。そんなギリシャとの関わりですが、そろそろIMFは手を引く時期に来ていると思っています。現在行われているIMFやEU、そして欧州中央銀行(ECB)の「トロイカ」(公的支援組織3者)との協議をみれば分るとおり、再三の支援等にもかかわらず、ギリシャが債務削減目標を達成する目途が一向に立たないからです。この目標未達成は融資金の焦げ付き等、ひいてはIMFへの出資国とその国民の損害に直結する以上、もはやIMFは、EUおよびECBに事後をすべてまかせて、ブラックホールのようなギリシャ支援から撤退すべきなのではないでしょうか(それでもEU諸国はIMFを引き留めようとするでしょう。ギリシャを含むPIIGS諸国への支援資金をEU圏以外の国や国民にも負担してほしいからです)。

 そしてわが国はIMFのギリシャ支援姿勢をいままでと違った厳しい目でチェックする局面を迎えていると思います。

 現時点でのIMFへの出資比率は、1位:アメリカ(17.67%)、2位:日本(6.56%)、3位:ドイツ(6.11%)、4位:イギリス(4.51%)、5位:フランス(4.51%)、6位:中国(4.00%)、・・・などとなっています(近々中国が第3位の出資国になる見込み)。わが国はアメリカに次いで堂々第2位の出資国です。

 さらに先月、わが国とIMFはIMFの資金基盤強化に向けて日本が600億ドルを拠出することで正式に合意しました。これは欧州債務危機を受けた総額4560億ドルの同強化策で拠出に応じた国々のなかでは最大となります(アメリカが拠出を拒否したのとは対照的です)。

 このようにわが国はIMFの大スポンサーであり、さらにこれからGDPの約1%にも相当する外貨準備をポンと拠出することになります。600億ドル=約4.8兆円・・・これほど巨額のお金をいま、震災復興などの内需推進策に使えたら・・・と感じる国民も少なくないはずです。

 だからこそわが国はIMFに対してこれまで以上に「金も出すけど(最低限の)口も出す」というスタンスを取るべきではないでしょうか。もちろん、欧州債務危機の解消がまったく見通せないなか、あからさまに「IMFはギリシャ支援から手を引け」といったようなことは決して言えません。それでも自分たちの貴重なIMF出資金が必要以上に毀損することのないように、日本政府および関係当局には、アメリカなどと上手に協調して、ギリシャを含む欧州PIIGS諸国への過度の支援にIMFがのめり込まないように働きかけてほしいと思っています。

(「注視したいIMFのギリシャ支援のスタンス」おわり)


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