はあ~・・・日本はもちろんですがホント、いまはどこもショ~モナイことになっていますね・・・
で、その元凶は万国共通、インフレなんですよ。そしてそれは需要の増加・・・でもコロナ禍・・・でもウクライナ危機・・・でもなく、ず~っと前から予告のうえ繰り返し指摘してきたように、おカネの刷り過ぎ・・・と、これに頼る以外にないほど債務を膨張させたために起こっているんですよ。じゃあそのインフレを抑えましょう・・・って?とうの昔に不可能になっているんですよ。そんなことしたら今度は「デフレ・スパイラル」が発生して経済・金融恐慌は免れないのだから。かくして世界はインフレを制御できず、そしてこれが人々の経済生活を蝕んでいき、やがて政情不安さらに・・・となっていくしかなく・・・
そんなあたりがはっきり感じられるのが、直近では欧州はEU・・・のなかでもイタリアでしょう。これまた何度も論じてきたとおり、EUもインフレに苦しみ・・・というか、通貨金融統合・財政不統合というゆがんだ構造のもとではどうしてもインフレにならざるを得ないために、相対的に経済力の弱い(公的債務等の多い)国々から危機に陥りがち・・・で、その代表がイタリア、というわけです・・・
で、ご存じのように21日、かの国ではマリオ・ドラギ首相が辞任に追い込まれました。もっともイタリアでは9月25日に総選挙が行われるので、それまでドラギ氏は暫定首相に留まることになっていますが、実質的にはレームダックでしょう。
ここで個人的に注目したのが、ドラギ氏が前ECB(欧州中央銀行)総裁を務めた方であるという点です。中銀トップのキャリア・・・ということは同氏は、イタリアの他の政治家とは比較にならないくらいにインフレの害悪を強く意識するはずで、よって財政健全化や行政改革を進めることでインフレを制御しようという思いが強かった・・・のだろうと(勝手に)想像します。が、報道によれば、以前からEUに懐疑的な姿勢を示す政党「五つ星運動」がドラギ政権のインフレ対策に反対したせいで、政権を支える与党の連携が崩れたとのこと。であれば、氏が辞めたくなるのはもっともでしょう、自身のセントラルバンカーの経験も活かして最大の脅威であるインフレに対処すべき策を進めようとしたところで足元をすくわれたのだから・・・
実際、イタリアのインフレは(も)ヒドいことになっています。6月のインフレ率は前年同月比で8.5%と、もはや看過は許されないほどのレベルです。とはいっても、これを鎮める手は・・・たとえドラギ氏が退陣せずに頑張っていたとしても、ほとんどない、といえるでしょう・・・